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DNS 基礎理論④

発達運動学

第1期:0〜4ヶ月半
 矢状面の安定性
第2期:4ヶ月半〜
 全身運動パターンの中で四肢機能の分化が起こる
第3期:8ヶ月〜
 移動機能の発達

**第1期:0〜4ヶ月半

矢状面の安定性の成熟**

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3、4ヶ月は特に矢状面の安定性が重要視されます。
第1期では分離運動などはまだできず、対照的な動きが生まれます。
(体幹を安定させた状態で)
また、新生児では胸骨が固定点となり、(肩が上がり胸筋が緊張する)
3、4ヶ月では恥骨結合が固定点となります。
そして徐々に、横隔膜骨盤底筋の協調性が生まれ始め、脊柱の安定性が向上し脊柱に付着する大腰筋などが働きやすくなっていきます。
新生児では呼吸のためだけに使われていた横隔膜が姿勢の安定のために使われるようになります。

3、4ヶ月に可能になる『体幹安定制御』が成長していく段階や大人になった時の体幹安定制御の理想形です。

いやいや〜、流石にそれは違くない?と思った方もいると思います。笑

この写真と

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この写真

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何か通ずるものがありますよね?
このように、第1期の矢状面の安定性の成熟では大人と同じ筋肉の協調性を発揮しています。ただ、筋肉の量や必要な筋力が違うだけです。

では、ここで行われている『体幹安定制御』とはどのようなものなのでしょうか?

体幹安定制御 

体幹と骨盤の安定制御として主要なものとして【腹腔内圧(IAP)】があります。このIAPは横隔膜、体幹筋群、骨盤底筋群のバランスのとれた協調運動によって作られます。
IAP(Intra Abdominal Pressure)

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横隔膜

横隔膜の機能
・呼吸機能
・姿勢制御
・括約作用
(内臓の働きを活性)

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横隔膜の機能の一つ、呼吸機能についてです。
呼吸に関与している際、次のような動きをします。

吸気時:横隔膜は収縮し下り、平らになる。この時、IAPが増加する。
    横隔膜が平らになるのに従って胸郭は拡大する。
呼気時:横隔膜は弛緩し上がり、ドーム状になる。

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理想的な呼吸パターン

現代では、腹式呼吸・胸式呼吸などどちらがいいのだろう?
と言われることが多いと思います。
この答えは、どちらがいいとかではなくどちらもできるべきということです。
そして、重要な呼吸法はIAP呼吸法です。
なんじゃそりゃ?となると思いますので説明していきます。

IAP呼吸

IAPは先ほど言ったように腹腔内圧のことで、ここでは体の中心から外側に向かっていく圧力と捉えています。
先ほども述べたように息を吸うと、横隔膜が下がります。そしてその横隔膜によって腹腔の圧力は高まります。この時、お腹だけが膨らむと思っていませんか?IAPが高まればお腹・背中を含めたお腹周り360度が膨らみます。
このようにIAPを高めた状態の続けて呼吸を行うことが、本来の呼吸であり理想的な呼吸パターンと言われています。

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なぜIAP呼吸がいいのか?

IAP呼吸呼吸によって体幹部が安定します。
体幹部の安定は、スポーツにおいても日常動作においても非常に重要になっており、体幹部が不安定だと、その他の関節や組織、筋肉などに負担がかかり肩こり・腰痛・その他の傷害を誘発します。
そのため、IAP呼吸は非常に重要であるということです。

そして、IAP呼吸で体を固めるのではなく「動きながら体を安定させられる」ということにつながります。
専門家のカレル・ルウィットは以下のように言っています。

呼吸が正常でなければ、他のいかなる動きも正常にはならない

人間は1日に約20000回の呼吸をすると言われています。
その呼吸が正常でなければ、20000回分体に負担をかけているということになりますよね??
これって相当問題じゃないですか?

すなわち、呼吸は非常に重要!!ということです。
正しい呼吸を手に入れて、元気な体を維持しましょう!

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