【製本記】 かえるの哲学 02 | 本づくりの中空を漂う
プレス機から『かえるの哲学』を取りだす。2枚の板紙で挟み、折丁の背側を突きそろえる。「背」というのは、本の綴じられている側のことだ。それならば本の開く側は「腹」と呼びそうなものだが、そうではなくて、こちらは「小口(こぐち)」という。
平らにそろえた折丁の背を上にして、手締めプレスという道具に挟む。2枚の板の間隔を2本の大きなねじで調節するもので、手製本では何かと出番が多い道具の一つだ。こうしてしっかり固定して、事前に割りだしておいた6箇所に線を引く。この線が「糸かがり」のた