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読書note No.59 あきらめ上手は生き方上手 第1章 下園壮太

「あきらめる」という言葉、あなたは嫌いだろうか。長いカウンセリング経歴の中で、私は「人生とは、いかにうまく様々なことをあきらめるかがテーマだ」と考えるようになってきた。クライアントの多くが、...。

蒲公英(たんぽぽ)カウンセラーの読書note No.
今日も読書ノート、開いていきますね🤗

2021/03/10 59日目
また、下園壮太先生の本を小分けして、読んでいきます。
第一弾です。

<1book>
あきらめ上手は生き方上手
第1章 あきらめが悪いために苦しむ人々
下園壮太 
マガジンハウス

<3point>
①「あきらめる」という言葉、あなたは嫌いだろうか。長いカウンセリング経歴の中で、私は「人生とは、いかにうまく様々なことをあきらめるかがテーマだ」と考えるようになってきた。クライアントの多くが、このあきらめに対する偏見が原因で苦しんでいるからだ。あきらめることに対する偏見を取り払うと、心の動きが軽くなる。心が軽くなれば、苦しみも少なく、また自分らしい人生を見つけることもたやすくなる。上手に諦める人は、精神的な疲労もたまらない。逆にあきらめ切れないで、あることに支配されていると、あきらめのプログラムが誤作動し、ついには生きることを諦めてしまうと言う最悪の感情が発動してしまうことさえある。「あきらめ」が人生の極意の1つだなと、なんとなく感じている人は多いだろう。しかし、実際には、諦めようと思っていてもあきらめ切れない。あきらめることが後ろめたかったり、その勇気が出なかったりする。あきらめるのは難しいのだ。
 
②蛇の生殺しの人生
国立大学を出て、世間で言う一流企業に入社した。幹部候補生などとおだてられ、これまでかなり家庭を犠牲にして、会社に尽くしてきたつもりだ。ところが40歳を迎える今、同期の中でも出世にばらつきが出てきた。出世頭でもなく、かといって出世が遅いと言うわけでもない。同期の中には、この会社に見切りをつけて独立したものもいる。このまま、先の見えたこの会社で一生過ごしていくのか。相変わらず仕事を優先して家族や自分のことを顧みない生活、上司の機嫌を伺いながら、言いたいことも言えない毎日…。これが本当に自分の求めている幸せな生活なのだろうか。かといって、この不況の中、今更会社を辞めると言う行動は非常識だ。まだ、部長ぐらいにはなれるかもしれないし...。いや、ひょっとして取締役にも…。「蛇の生殺し、だな」

③あきらめが生じると、人はそれ以上その仕事を続けなくなる。もうその仕事をやっても無駄だ、意味がないと感じる。さらに、どうせこのまま続けてもうまくいかないと思う。同時に強い疲労感を感じる。それは、理性で合理的に判断したと言うのではなく、そう感じてしまうのである。つまりあきらめは、力が入らなくなるプログラムなのだ。あきらめのプログラムが作動すると、「今までのエネルギー(努力)は無駄になった。また1から始めなければならない」と言う不安と悲しさがあなたを支配する。
 現代の一流と言われる成功者の話を聞くと、何度かの挫折があり、それでもその道をあきらめず、努力を続けた結果、今の成功があると振り返る。 
 また、自分の実力でどうしようもない状況になった時、我々は諦める。あきらめざるを得ない。その結果、これまでのあきらめの思い出をたどるとき、どうしても「今の状態に追いやられた自分」と言うイメージが強くなる。つまり、我々の印象として「あきらめ=失敗、可能性の減少」という公式が出来上がっているようだ。
 逆に「あきらめるな」は美しい響きを持っている。「お前にはできる」という、あなたの可能性を信じているからこそかけられる励ましの言葉だ。この言葉に勇気付けられ、力が出たと言う人もいるに違いない。
 あきらめは嫌われ者だ。しかし、私はあえてここで言いたい。あきらめ上手になろうと。あきらめは、むしろ。より良い人生を模索し、最後まで粘り強く、自分らしく生きていくための機能なんだ。

<episode>
 あきらめについて考えるとき、いつも思い出す物語がある。
 あるアラビアの王子様が高価な壺の中に入っていたキャンディーを取ろうとして、手が抜けなくなってしまった。国中が大騒ぎになる。壺を割って王子を救おうと言うアイディアもあったが、隣の国からもらった大切な壺だったのでそれもできなかった。困り果てた王子様を救ったのは、通りかかった1人の賢者だった。賢者は、王子に向かってこう言った。
「つかんでいるキャンディーを話しなさい」
「いやだ、キャンディーが欲しいんだ」と泣きながら答える王子。
「大丈夫、必ずキャンディーは取ってあげます」と言う賢者の言葉を信じて、王子がキャンディーを放すと、ではするっと抜けていった。喜ぶ王子様。賢者は、そのツボを逆さにし、中のキャンディーを王子に与えた。めでたし、めでたし。
 あることを諦めることによって、結果的にはそれを得ることができる。あきらめは本来、重要な選択機能であり、決心機能である。つまりあきらめの本質は、他のことを取るために、あることを捨てることにある。この時捨てる苦しさがあるので、あきらめは嫌われる。しかし、選択するということは、他の選択肢を捨てることであり、決心することは、それに伴う責任を負うということである。実は我々があきらめの苦しさと考えているのは、前向きに生きることそのものの苦しさなのだ。

<1action>
 確かに、「あきらめる」という言葉は、嫌な印象があります。「挫折」とか「負け」とかの言葉が紐づいてくる響きがあります。ものが溢れている現代、「断捨離」という言葉が一般化してきているのと同じように、人生においての選択肢も増え、捨てる人生、そして、選ぶ人生になってきています。選択肢が多い分、「あきらめる」を感じる時が多く、「決心」することも多くなり、あきらめの苦しさを感じ、乗り越えながら、前向きに生きていくの現代なのではないでしょうか。「あきらめ上手」になるためにこの本を読み進めていきます。

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カウンセラーをやっております。お気軽にどうぞ☺️
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