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即効イライラなだめ術 ~こっそりリラックス~

はじめに

『即効イライラなだめ術』をご紹介します。
イライラするときは何らかのストレスを感じている時だと思います。そして、望んでイライラしている人も少ないはず。「わかっちゃいるけどイライラしちゃう」というのが実際のところではないでしょうか。生活していく中でイライラしないのはなかなか難しいものです。ですから"イライラしない"のではなく、"イライラを鎮める"ことを目標にしたほうが実践的です。

イライラしたときの対処法は人それぞれかと思います。甘いものを食べたりコーヒーを飲むような摂取系の方法もありますし、タバコを吸うようなニコチンという化学物質に頼る方法、ウエイトトレーニングをしたり大声を出すなどの発散系もあるでしょう。またペットの写真や推しのアイドルの動画を見るなんて方法もありますね。

ここで紹介するイライラをなだめる方法は、簡単ですぐ実行可能です。いつでもどこでもできるとても便利なテクニックになります。

また、緊張や焦りを感じやすい人はリラックスするのが苦手だったりします。焦っているとミスしがちになり普段のパフォーマンスが落ちてしまいますよね。「わかっちゃいるけど焦っちゃう」のではないでしょうか。これもまた"焦らない"ではなく"焦りを鎮める"ことを目指すほうがよさそうです。

この『なだめ術』は、緊張や焦りを感じやすい人にも即効性のある方法です。自分を上手になだめて、ストレスフリーな毎日を送っていきましょう。

自己紹介

ここで簡単に私の自己紹介をします。
私は整体師です。東京都渋谷区の恵比寿で整体院を営んでいます。数年前から『自律神経失調症』のための整体コースを始めました。

そこで来院者と接することで感じたのは、自律神経失調症の初診の方は不安を抱えて焦っているということ。様々な自律神経症状がありつつも自分ではコントロールできない状態なので仕方のないことでしょう。
そして、自律神経失調症をこじらせやすい人の特徴として「緊張しがちでリラックスが苦手」な傾向があるようです。

このような仕事上の経験から、「誰でも簡単にできるリラックス法があるといいな」と思っていました。

自律神経系を活用

この方法は自律神経系を活用します。
自律神経は、私たちの体にある神経系の一部で、意思とは無関係に働き、体内をベストの状態に保ち続ける神経です。交感神経は、心拍数や血圧を上げたり、血糖値を上昇させたりする働きがあります。一方、副交感神経は、心拍数や血圧を下げたり、消化器官を活発にしたりする働きがあります。交感神経は『闘争・逃走モード』、副交感神経は『休息・消化モード』と呼ばれることもあります。

イライラしているときは、自律神経系からすると交感神経が優位になっています。頭に血がのぼっていて、まさに闘争モードです。
また、緊張したり焦ったりしているときも交感神経が優位になっています。心臓がバクバクしたり、息がハアハアしたり。逃走しているときの体の状態ですね。

この闘争・逃走モードを、副交感神経を優位にすることでリラックスモードに切り替えます。ただ、自律神経系は自律という名称の通りオートマチックに働いているので基本コントロールできません。しかし、工夫すれば活用できます。

副交感神経を優位にさせる方法には深呼吸があります。一般的に知られている方法でもありますし、誰でも出来るはずです。
しかし、深呼吸がいつでもどんなシチュエーションでも効果的なリラックス法かというと疑問です。

例えば、先生や上司に叱られている場面で、あなたが自分を落ち着かせるために深呼吸をしていたとしたら、相手はどう思うでしょうか?叱っている側からしたら「深呼吸なんかして怒りを鎮めようとしてるのか。こいつ反省してないな」と悪い印象を与えかねません。

緊迫した場面であればあるほど、相手にバレずにリラックスする"こっそり"の要素が大切だったりするのです。

やり方(動画あり)

そこでオススメするのが『舌先で上顎をさする』方法です。
やり方は簡単。閉じた口の中で舌先を使って上顎をさするだけ。

上顎は上の歯に囲まれた部分で口腔内の屋根と言えばいいでしょうか。その部位を舌先で上下にさする、左右にさする、円を描くなどしてゆっくり動かします。すると、くすぐったいようななんともいえない気分を得られることでしょう。そのなんとも不思議な感覚が身体の緊張を解いてくれます。つまり、交感神経優位の緊張モードからリラックスモードへと切り替わるのです。

ただ、くすぐったいという感覚は独特のもので、単純に副交感神経優位となるのではなく、副交感神経が優位でありつつも交感神経も働いているという"覚醒した状態のリラックス感"を得られます。

スポーツをしているときなど、緊張でガチガチでは本来のパフォーマンスを発揮することはできません。だからといってリラックスしてゆるゆるでは即座に反応することなどできないでしょう。
だからこそ集中を保ちつつリラックスするという"覚醒した状態のリラックス感"はスポーツにおいて最適の状態です。舌先でさするだけで最適の状態になれます。

さするスピードも重要です。秒速5センチメートル程度の速さでさすると副交感神経が最も優位になるといわれています。ペットをなでるときなど、無意識にこのスピードで手を動かしているようです。

また、舌先で口腔内をさすっていると唾液が分泌されます。唾液分泌に関与している神経は顔面神経・舌咽神経の脳神経で、これらは副交感神経線維が含まれています。消化吸収を担っているのは副交感神経ですから、唾液を出すことは消化吸収の準備になり副交感神経が優位になっていきます(ただ、唾液は交感神経優位でも分泌します)。

さらに、舌先を動かし続けるということもポイントです。
じっと不動の姿勢をとらなくてはいけない状況はあります。例えば、さきほど例にだした上司や先生に怒られているときなどです。動かないでいると身体は硬縮します。その筋肉の緊張状態は脳に伝わり交感神経を優位にします。しかし、身体を一部分でも動かしていれば緊張が持続することはありません。
貧乏ゆすりも意識すれば止めることはできますが、じっとしているとなんかイライラしてきてしまう。そして我慢できなくなって揺すりだすと安心する。シンプルに動くことで緊張が解けるのでしょう。

そして、口の中で舌を動かしていても、外から見ただけでは分かりません。バレずにできます。叱られてるのにこっそり自分をこちょこちょしているというシチュエーションが愉快でもありますね。

これは「いつでも、どこでも、かんたん」な"こっそりリラックス法"です。


背景


この方法を思いついた背景を申し上げますと、『噛みしめ防止』に舌先を上前歯の裏に付ければいいと歯科医院で聞いたことが始まりです。
寝ているときに歯ぎしり癖のある私にとってはいい情報です。実際に舌先を上前歯裏にペトッとつけてみると、上下の歯が接触しなくなるので噛みしめることができません。夜だけでなく日中でも、噛みしめている場面があったときには舌先を上前歯裏に付けるようになりました。

また、この"舌先の上前歯裏ペトッ"は坐禅にもいいという話をどこかで聞きました。舌先をつけることで全身の気の流れが良くなることを目的にしているのか、それとも噛みしめてしまうことを防止するためなのかは定かではありませんが、坐禅をして瞑想をするときなどにやるようになりました。

そんなあるとき、瞑想中に舌先をチョロチョロ動かしたところ、上顎に触れてくすぐったい。ぞわぞわもするけれど、なんか気持ちよくもある。気がつくと夢中でさすっていたというわけです。
そして、「これ、くすぐったいけどリラックスするな~」と思い、自分のリラックス法のひとつに加えることにしました。

そんな経緯を経て、ここで皆さんに紹介しています。

利点

この『舌先さすり』にはいくつもの利点があります。
ひとつは「いつでも、どこでも」できることです。

コンビニでレジ前に順番待ちで並ぶことはあるかと思います。その時に前の人が支払いでモタモタしていてイライラしたことはありませんか?急いでいたとしたらなおさらイライラしますよね。
そこで『舌先さすり』です。レジ待ちでもサクッと『舌先さすり』をすることでシレッとしていられます。自分をなだめることが「いつでも、どこでも」できます。

ここで「深呼吸でもいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、付き合いたいと想っている人と一緒だったりしたらどうでしょうか。
あなたがレジ待ちの状況で「ハァ〜」と深呼吸で落ち着かせようとしている姿は、相手からはどう見えるか想像してみて下さい。「このヒト、少し並ぶくらいでイライラしてる。ココロが狭いヒト…」などと幻滅されてしまうかもしれません。
そこでイライラする場面でも『舌先さすり』で平常心を装っていれば、「このヒト、いつでも落ち着いてる。器が大きいヒト…」などと好印象を与えることができるかも…
つまり、外から見て自分を落ち着かせようとしていることが「バレない」ことで好感度をアップさせることができます。

また、「バレない」ことは、勝負事でも有利に働きます。
麻雀で大物の手牌がきたときに期待と興奮で心臓がバクバクしてきたとします。興奮をなだめようと深呼吸したとしたら、対戦相手にはどう思われるでしょうか?
「深呼吸なんかして、そうとう大物手が入ってるな。要注意だな」と警戒されてしまい、勝負手も実らずという結果も考えられます。
そんな興奮している場面でも『舌先さすり』を使えば平常心を保っていられます。余計な気配を出すことは勝負事には不利に働くものです。

スポーツの場面でも有効です。身体を動かしながらでも可能なので、緊張しないための便利な方法になります。
メジャーリーグの野球選手でガムを噛みながらプレーしている選手もいますよね。それもひとつのリラックス法ではあります。唾液を分泌させ、身体の一部分を動かし続けることは緊張を解いてくれます。

先日、整体院にきたお客さんは、プロ野球のドラフト候補の大学生。その彼にこの『舌先さすり』を教えました。「ガムを噛むのと同じですね」と彼も言っていたのですが、プロ一年目の選手がガムをくちゃくちゃ噛みながらプレーしていたとしたら、周りにどういう印象を与えるでしょうか?アメリカならいざしらず、日本であれば「なんか生意気な奴だな」と思われかねません。
しかし、『舌先さすり』なら大丈夫。バレません。そんな話を彼にしたら「それもそうですね。やってみます」と言っていました。

さらに、健康面や美容面にもいい影響があります。
舌先で口腔内をさすることにより唾液が分泌するので、口の中が清潔に保たれます。「抗菌作用」により細菌の増殖を防いだり、「緩衝作用」「再石灰化作用」により虫歯になりにくくなります。

舌を動かすと舌の根元にある舌骨筋群が鍛えられるので、二重アゴの改善や首回りを細くする効果があります。首がシワシワだと老けてみえるので、首に張りをもたせるのは美容対策では重要です。

このように利点が沢山あります。
「いつでも、どこでも、かんたん」な"こっそりリラックス法"です。

おわりに

この"舌先さすり"を実践することで、緊張や焦りを感じやすい人でも、普段のパフォーマンスを発揮し、あがらずに落ち着くことができます。そして、周囲からの印象を良くしたいと思っている人には特にオススメです。
ぜひ、この"こっそりリラックス法"を試してみてください。

それでは、『即効イライラなだめ術』は以上です。皆さんがストレスフリーな毎日を送れるヒントになったのなら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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