展示会で出会ったおじさんの話
「なんでそんな仕事をしてるの?もっと色々出来そうなのに。君のその仕事は今になくなるよ」
展示会で集金の仕事をしているときに、とある製薬会社のおじさんに言われたひと言。
きっと役職のある方なのでおじさんと呼ぶのは失礼かもしれないが、社会人一年目の私にはおじさんという表現がしっくりきた。
そのくらい、堅苦しい雰囲気もなくごく普通に私に声をかけてくれた。
「そうですよね〜…はは」
私は自分の心を見透かされた気がした。
なぜなら自分が一番それを感じていたから。それを見て見ぬ振りをして、ただ言われるままに仕事をしていた。
変えたいと思いながらも理由をつけて、行動していなかった。
でもその瞬間、色んなことを頭の中が巡った。
自分の仕事に誇りはあるか?
自分の頭で考えて仕事をしているか?
将来どうなりたいかを描けているか?
自分に嘘をついて生きていないか?
もっとやりたいことがあるんじゃないのか?
おじさんの言葉の真意は分からないが、これから先の長い若者に向けたすごく親切な言葉だったと思う。
そして思うままにまっすぐ生きろというメッセージに聞こえた。
人はちょっとしたことで何か大事なことに気づいたり、誰かのなんでもない言葉に背中を押されたりする。
そんなことを思わせてくれた出来事だった。
今でもあのおじさんとの出会いに感謝している。
ありがとう、おじさん。