大乗仏教とは何か

問題

難易度: ★★★☆☆
大乗仏教について60字以内で説明しなさい。

配点: 4点 福井大学(2005)

採点基準

「人々を救う大きな乗り物」と表現されることが多い大乗仏教ですが、具体的な特徴を説明できましたでしょうか。不十分だった受験生は、これを機に特徴を抑えてください 😤

・衆生(すべての生命)の救済を重要視したことに触れていれば +2点
・修行者を「菩薩」としたことに触れていれば +1点
・中央アジアを経て東アジア圏に広がったことに触れていれば +1点

解説

自利利他の精神

「自利利他」という用語を覚える必要はないのですが、大乗仏教の根本にはこの考えがあるってことを知っておくと今回と似た問題に直面した時、十分な対応ができるでしょう。自利利他とは、

・自分が悟りを開くために修行をすること
・他の人の救済のために尽くすこと

を意味します。自分の悟りを開き、悟りを開いた結果得られたものを他者にも存分に分け与えましょう、という訓えです。なので、大乗仏教を信仰する人々は、悟りを開こうとするすべての人を菩薩(仏道を成就させようとする行者)と呼び、共に悟りを開けるよう修行することを目的としています。

またの名を北伝仏教

大乗仏教を特徴づけるもう一つの要素が「伝達経路」です。小乗仏教はマウリヤ朝のアショーカ王が息子をスリランカに派遣し、小乗仏教を広めさせたことからも、南の方向に伝来していきました。その後、海路を進み東南アジア方面へと伝わっていきます。一方、大乗仏教は中央アジアの要衝を通り、東アジアへと伝わったので、北伝仏教と呼びます。これも受験世界史における大乗仏教の特徴としては非常に重要なものなので、抑えておいてください。

解答例

小乗仏教とは異なり、衆生の救済を目指し修行者を菩薩と呼んだ。中央アジアから東アジアに伝わったため、北伝仏教とも呼ばれる。(60)

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