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PUFFY『JET CD』(1998)

アルバム情報

アーティスト: PUFFY
リリース日: 1998/4/1
レーベル: Epic
今回の選者は湘南ギャルです。

メンバーの感想

湘南ギャル(選考理由)

 MM誌のランキングに思うことは色々あるけど、ひとつだけ言えるとしたら、しゃらくせえ!! ささやかなプロテストとして、飛び切りパワフルでハッピーでキュートでサイコ〜〜❣️なアルバムを選ぶことにしました。あと、奥田民生がソロもバンドも無視されてるのは普通に不服だしね。

The End End

 垢抜けかた!!!!結構野暮ったいことしてるはずなのに、スッキリして聴こえる。DA PUMPの後に聴いたから余計に。不思議だ。
 曲によって歌声がすごく色々な表情を見せてくれる。素人をスカウトしてプロデュースしたらパフォーマーとしてこんなに冴えてる人たちだったの、死ぬほど興奮するだろうな。
 資本に振り向いてもらうこと以上に、作り手の"楽しい"が優先されているのが素晴らしい。真剣に遊ぶことって本当に素敵。

桜子

 PUFFYになりてい〜〜〜〜〜〜〜
 穏やかなユルさがあるんだけど、元気のパワーが沢山にあって、眩しい!可愛いし。絶妙なバランス感だ。奥田民生の良いとこどりしてる歌声していて、それがそれらの雰囲気を作っていると思う。
 そしてバラエティに富みつつ、提供陣が豪華!中学生の頃から、辛い日の終わりには、MOTHERを聴いて、なんとか自分を宥めています。ずっと聴くんだろうな。

俊介

 アルバム全く知らないのに聴いたことあるフレーズばっかりで改めてポップスとしての底力を実感。
 海の家でビールでも飲んで避暑がてらダラダラしてたいのに、無理やり日差し眩しいビーチまで引き摺りだしていく細くて白い手、気分は最悪だけど何処か楽しいところに連れてってくれるだろって朧気な期待だけがなんとなくあります、そこが海岸であれ青二才の警官が跋扈する木星であれ。

しろみけさん

 「ジェット警察」のオルガンとディストーションギターが併存する様から、ディープ・パープル/レインボーをはじめとしたブリティッシュ・ハードロックを想起した。続く「これが私の生きる道」の低音弦のリフはリバプールの4人組、紛れもなく奥田民生の仕業だろう。ただ、サウンドの雄々しさとは対照的に、“もしも誰かが 不安だったら/助けてあげられなくはない”(「これが私の生きる道」)や「サーキットでの はりつめてる空気を/おだやかにするのが 私の喜び」(サーキットの娘)」など、自身が詞作を手がける楽曲では程よい抜け感を作っているのが印象的だ。井上陽水に草野正宗(作詞/作曲のクレジットは漢字表記や、覚えとき)、トータス松本と錚々たる面々が参加しており、それらの嗜好の違いを味わうだけでも極上だが、ハツラツとユルさが混じり合った気分屋っぽい唯一無二の楽曲は、二人のキャラクターを汲んで解釈している奥田にしかできない仕事であるように感じた。

談合坂

 ずっとニコニコしながら聴ける。パロディまみれのフレーズも、力業にも程がある二段構えのフェードアウトも、本当に楽しく制作したんだろうなと思わせてくれるのが良い。
 なにより、JETを謳っておきながら明らかにガソリンで動く四つのタイヤが地面に着いちゃってて本当に面白い。なんてことない大衆車だって、真面目に遊べばどこへだってすっ飛んでいける。
 そういえばこの空気感は誌上に載っていなかったですね。

 PUFFYと旅行に行った気分になる。全世界への余裕を見せつけるような前半からちょっとムーディーな中盤、昨日の夜のことが本当か嘘か分からなくなるくらいカラッと響く後半。明るくてめっちゃ良いヒトだけど、さらに時折見せるちょっと暗い目線に胸をグッと掴まれる。蟹を食べたいと無邪気に言ったかと思えばロングビーチを寂しそうに眺めている。PUFFYを分かったような気になれるしやっぱ分からないなぁともなる。でもまた旅行したいよ。所々で往年のギターリフが挟まれるのがニクい。ニヤニヤしながら聴いてしまいます。

みせざき

 ボーカルが図太く、思いっきりギターロックな曲から始まり、独特の雰囲気ながらもメロウさも楽しめたのが凄く良かったです。アイドルでありながらロックテイストも両方楽しめる、貴重なユニットであると思いました。

和田醉象

 一曲目で笑いすぎた。流石に「Wont Get Folled Again」すぎる。あれなんですね、歌い手を媒介として、豪華な作家陣がやりたい放題やるのがPUFFYなんですね。多分プロデューサーやレコード会社周りもみんなロック小僧だから通しちゃったんでしょう。どうせ本人が見つけにこれないからって、悪い大人たちだな〜。
 陽水のベスト盤に入っていた「ありがとう」から、民生がビートルズ趣味全開にしているのは知っていたけど、ここまでとは思わなかった。
 「愛のしるし」でフェードインして戻ってくるのとか、余程好き者じゃないとやらないし、「小美人」はサバス過ぎるし。
 ダメだ、面白が勝ってまともに論じることができない。勝手にやれ!!

渡田

 歌声がリズムにぴったり合わさっているのが気持ちがいい。リズミカルに一瞬早口になったり発音がのびたりするのが楽しい。
 大勢の作曲家から提供してもらった曲を一つのアルバムにまとめてるゆえに、一曲ごとにジャンルも個性もバラバラなのだけれど、PUFFYの歌声その一点だけで十分アルバムの統一感を感じる。
2人の声、歌い方が特徴的なことも統一感の理由のかと思うけれど…、
 それ以上に、どの曲を聴いていてもリズムに対してそれにぴったり調和する音節、歌詞の内容、歌唱の熱量が用意されていて、メロディと歌声の調和にかける2人の妥協の無さを感じた。この一貫した妥協の無さがこのアルバムの強い統一感の正体かとも思う。

次回予告

次回は、しろみけさんの選出アルバムを扱います。

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#アルバムレビュー
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