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小説も書きます

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小説も書いています。時代小説や古代史をテーマにしたものを発表しています。
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記事一覧

「外伝」3話目をアップしました。

あちらこちらで桜の便りが聞かれ、季節の移ろいを感じますね。 NOVELDAYSで「神武東征外伝」…

長髄彦ファン
1か月前
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こいつぁ春から!

相互フォローしている作家の笹目いく子さんに、拙作『東へ征けー神武東征記ー』をピックアップ…

長髄彦ファン
3か月前
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神無月(旧暦)にちなんで

旧暦10月が「神無月」と呼ばれることはよく知られています。 名前の由来は、国中の神々が出雲…

長髄彦ファン
5か月前
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「東へ征(ゆ)け」最終話 建国の舞

 辛酉の年の新春、磐余彦は木の香りも芳しい橿原宮で即位した。  清浄な空気に満たされた朝…

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「東へ征(ゆ)け」第59話 論功行賞

 春、磐余彦は皇后の踏鞴五十鈴媛とともに、橿原の小高い丘の上に立っていた。  東方には三…

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「東へ征(ゆ)け」第58話 立后

 磐余彦が王位に就くのをきっかけに、呼び名も王から「大王」と改められた。  これと前後し…

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「東へ征(ゆ)け」第57話 ヤマト平定

「磐余彦さまである!」  衛兵の掛け声とともに、王宮に居並ぶヤマトの群臣たちは一斉に蹲った。 「どんな田舎者が来るのやら」 「きっと獣臭い若造だろう」  そう陰口を叩いていた群臣たちも、引き締まった身体に整った顔立ちの貴公子然とした姿に嘆息を漏らした。 「皆と力を合わせ、倭国を千年、二千年続く豊かな国にしていきたいと思う。皆の力を貸してほしい」  磐余彦が朝堂に響き渡る声で力強く宣言した。  涼やかな目をしているが、時折放つ光は尋常ではない。射竦められた者は震えた。  日向か

「東へ征(ゆ)け」第56話 苦い勝利

 長髄彦との会談を終えて三輪山に戻ると、ヤマト王ニギハヤヒから降伏の申し出があった。 「…

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「東へ征(ゆ)け」第55話 砂塵

 長髄彦が自陣に戻ると、一人の兵士が駆け寄って来た。 「おかしな噂が流れています。長髄彦…

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「東へ征(ゆ)け」第54話 勇者の背中

「知ってのとおり、吾は出雲の出だ。力及ばずヤマトの軍門に降り、いまは生駒の鳥見に館がある…

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「東へ征(ゆ)け」第53話 邂逅

 三輪山の日向本陣で磐余彦がとんでもないことを言い出したのは、ちょうどそんな頃である。 …

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「東へ征(ゆ)け」第52話 王の焦燥

 三輪山の麓で日向軍とヤマト軍との激闘が繰り広げられてから一月余が過ぎた。  それ以後は…

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「東へ征(ゆ)け」第51話 天神の子

 日向軍は鏡を使った奇襲攻撃が成功し、ヤマトの副将安日彦に重傷を負わせた。  これに乗じ…

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「東へ征(ゆ)け」第50話 金色の鵄

 戦端が開かれてから十日余りが過ぎた。  緒戦の勢いのまま日向軍が優勢かと思われたが、長髄彦率いるヤマト本隊はさすがに強かった。  陣容を立て直したヤマトの軍勢は、少々の奇襲攻撃には動じなくなった。  まず夜襲に備え、昼と夜の部隊を分けて二十四時間態勢を取った。  さらに一箇所に固まっていた兵を分散させ、奇襲に遭う部隊があればすぐに近隣の部隊が駆けつけるようにした。  一度に受ける被害を最小限にする防戦術である。  これにより、当初は有効だった日向の奇襲戦法も目に見えて効果が