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【主婦勉!】浮世絵を知りたい~菱川師宣編~

浮世絵調べ始めて間もなく
旦那がネトフリに加入したことで、
密かにずっと見たかった
嵐のドキュメンタリーに没頭していた。

そんなこんなしてるうちに、
諸々の疲れからダウンしたり、
息子の幼稚園が冬休みに入ったり、
季節柄、
歴史系ドキュメンタリー番組が増えたりで
全然調べる時間がなくなり、
しばらくここを放ったらかしにしてしまった。

冬休み中どれだけ書けるかわからないが、
まぁゆるりとやっていこうと思う。

というわけでまずは
一般的に?"浮世絵の祖"とされている
菱川師宣から。


今の千葉県鋸南町(房総半島の東京湾側)に
生まれた師宣。

生年は不詳。
一応1630年頃と推定されていて、
将軍で言えば3代目家光のころですね。

家光と言えば、
おじいちゃんである家康のことが
大好きすぎて、
ただのお墓だった日光東照宮を
ガチの姿に変えたのがこの人です。

と、話がいきなり逸れたけど、
師宣の生家は
”縫箔(ぬいはく)業”と呼ばれる、
着物などに
刺繍と金銀の箔で、
色模様を装飾する
"縫箔"を家業としていた。

描かれた下絵をもとに刺繍を施すので、
恐らく幼い頃からそれなりに
高水準のデザインが
当たり前に目に入る環境の中で、
そういうものに親しみながら
育ったんだろうなと
想像される。

小さい頃の環境って、
やっぱり大事ね...

そして15〜16歳の頃に、
恐らくその縫箔師としての修行のために
江戸に出てきたとされている。

そこで当時の絵師の名門である
・狩野派
・長谷川派
・土佐派
の三派の手法を学び、
研鑽を積んでいったのだ。

とはいえ、
実際に門下生になったというわけではなく、
模写などを重ねて、
技法を取得していくような
学び方だったようだ。

そんな折、印刷の技術革新により、
まず京都で嵯峨本などが出版され、
出版ブームが到来。

しばらくしてそのブームは江戸に到達し、
御伽草子、仮名草子など、
次第にジャンルも多様化、

それまでの「学問のため」の書物から
「娯楽のため」の書物へと
本の役割や立ち位置も変化していくという
出版業界の目覚ましい進化の中で
菱川師宣はデビューするわけです。

彼の名前が入った最初の本は
「武家百人一首」、
名前は「菱川吉兵衛」。

今でこそ、
絵本や漫画には
絵と作で
それぞれ名前がクレジットされるが、

当時の絵師と言えば
先にあげた3派のような、
所謂「御用絵師」が主流で、
挿絵作家的な人が
わざわざ名を名乗るなんていうのは
本当に画期的なことだったんだそうだ。

あれかね、
かつて"ダンサー"はあくまで”ダンサー”で
誰かのバックで踊る人的な認識が
普通だったのが、

EXILEなどの登場により、
ダンサーが、
"バックダンサー"ではなく、
イチ"パフォーマー"として、
認められるようになり、
グループの正式メンバーとして
活躍するようになる、
あの画期的システム?と
同じような感じだったのかしらね。


当時いろいろと他にも
彼のような絵師はいたにも関わらず
菱川師宣が"浮世絵の祖"とされる理由としては、

絵師を一つの独立した職業として
確立させたその
セルフプロデュース能力的なものと、

それを迷いなく世間が認めた、
もしくは認めざるを得なかった、
その類稀なる才能があってこそ、
なのかもと思う。

師宣と言えば
「美人画」というイメージだが、
彼は当時の旅行ガイドブック的な名所絵や、
庶民の暮らしぶりなど描いた風俗画、
遊女や歌舞伎役者などの人物画なども
積極的に書いていた。

それまで、
権力者が愛でるための芸術だった絵画を、
庶民も手軽に楽しめるように
さまざまに工夫を重ね、
実際それを成功させた彼の功績は
とても大きいと思う。

彼の代表作といえば、
前回にも書いた、
井原西鶴の江戸版"好色一代男"の挿絵、
そして、なんといっても
「見返り美人図」だろう。

びじん

絵から受ける若々しい印象と
女性から溢れ出る瑞々しさとで、
てっきり
脂が乗りまくった時代の絵かと思いきや、
まさかの最晩年の作品なんだそうだ。

個人的には、顔の初々しさもさることながら
着物や、帯の装飾の細やかな美しさや
鮮やかさ、可憐さに目を奪われるんだが、

こういうのも、
彼が縫箔業の家に生まれたことを
知ってから見ると、
ものすごく納得出来るものだから、
やっぱり知るって大事なんだなと思う。

ちなみに千葉県鋸南町には
菱川師宣記念館があるそうです。

あと「見返り美人」といえば、
Eテレ「びじゅチューン」で紹介された
「見返りすぎてほぼドリル」が
本当に素晴らしくて大好きなので
ぜひ見て欲しいです。

※あくまでイチ主婦がちょっとかじって
自分なりに解釈した情報なので、
精度確度については怪しいとこもあります。
こんな感じかもしれない、
くらいのゆるさで
お楽しみくださいませ。