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人材開発の「70:20:10の法則」!新入社員研修も見直すべき!?

入社式も終わり、新入社員研修が始まる時期ですね。昨年、今年とコロナ禍でなかなか従来通りの研修ができず、私の会社でもオンラインを組み合わせた新しい形で今年も新入社員研修がスタートしております。

さて、今回はそんな新入社員の研修が始まる時期ということもあり、人材開発の「70:20:10の法則」というテーマの記事を作成したいと思います。

この法則はご存知の方も多いかと思います。アメリカの人事コンサルタント企業ロミンガー社によって提唱されたものですが、ビジネスマンの能力開発において、社会人の能力開発の7割は現場での経験から、2割が上司や先輩からの効果的なフィードバック、残りの1割が本や研修から、ということを示す法則です。

個人の成長にとって最も重要なことは、座学の研修を実施することや上司や先輩から教えてもらうことをはるかに超えて、まずは自分自身が日々の現場で良い経験をすることなのです。

野球を始めた子を例にしてみます。お父さんからボールの投げ方を教えてもらい、ボールを何度も投げてみますが最初はなかなかうまく投げれません。その夜YouTubeで投げ方の動画をみて学びます。次の日もう一度投げてみます。少し上達し、お父さんからさらに今の状態からのアドバイスをもらいます。その次の日も投げてみます。だんだん狙ったところに投げれるようになってきます。そして毎日ボールを投げているうちに徐々に速いボールが投げれるようになってきます。そしていつしかキャッチボールができるようになるのです。これはまさに「70:20:10の法則」です。実際に投げてみる70、お父さんからのアドバイス20、YouTubeで見て学ぶが10なのです。これが逆だと全く結果が変わります。YouTubeが70で実践が10だとおそらく上達するまでにとてつもなく時間がかかるでしょう。

新入社員研修の話に戻します。私の会社でもよくあるのですが、新入社員研修を受けていざ現場にでると全く現場で生きる知識が吸収されておらず、「一体どんな研修を受けていたのか」といった声が色々なところから聞こえてくる。新入社員あるあるですね(笑)

新入社員研修の内容はおそらく会社によって様々だと思いますが、私の会社を例にとってみると自社製品の勉強はもちろんありますが、言葉使いや電話対応、それ以前に「社会人とは」みたいな内容が網羅されています。これは現場で必要な知識というレベルではないんですね。学生から社会人になり、現場に配属されるまでの準備運動のような位置付けです。私の会社の場合4月〜6月まで本社に缶詰にし、そのような研修を受けさせた上で7月に現場配属になります。これは能力開発を目的とした「研修」ではなく社会人に慣れさせることを目的とした「お勉強会」なのです。

話が少しそれましたがビジネスマンの能力開発においてもこの「70:20:10の法則」は私は極めて正しい理論だと思っております。新入社員の例に話を戻しますが、本当に能力を開発しようと思うならこの法則に乗っ取り、いかにこの期間に業務の経験させることができるか、そしてその経験に対してのフィードバックをいかに効果的に与えることができるか、そしてその残りが研修という形に持っていく必要があります。順番は特に問題ではありませんが研修→経験→フィードバック→経験→フィードバック、このスパイラルでいかにその期間に能力を開発できるかを問われるべきしょう。

日本の雇用は従来「終身雇用」でした。このような「お勉強会」はそういう時代にはあっていたのかもしれません。多くの同期と同じ空間で勉強し、現場に出てからも仲間意識をもち、いい意味でのライバル関係を形成する。そんな意識を持たせることだけが目的なのであればその形でいいでしょう。

しかし、現実を見てみましょう。今や新卒の3人に一人は3年以内に離職しています。さらにこれだけスピードが早い時代にそのような能力開発に直接繋がりにくい研修をすることがあまりにもナンセンスだと感じてしまいます。そのような研修をしている企業がどれくらいあるかはわかりませんが、お恥ずかしながら私の会社ではそのような「お勉強会」をずっと続けています。これは1日も早く見直すべきだと私は思ってます。

能力開発には経験が絶対的に必要です。しかし、最近は失敗を恐れる新入社員が多いのも現実です。失敗を恐れるがあまり、せっかくのプレゼンの機会を「すみません、まだ自信がないので先輩の見本が見たいです」と言って拒否してしまう。これは経験を積むチャンスを自ら放棄しているようなものです。そんなシーンを私も目の前で幾度となく見てきました。良かれと思ってチャンスを与えているのにそれがうまく理解されず逆の意識を産んでしまうのです。そんな時人材育成は難しいといつも実感します。

もし新入社員の方がこれを読んでくれていたらお父さんとのキャッチボールを思い出しましょう。あの時は自らの意思を持って何球もボールを投げていたはずです。そしてその時お父さんからもらったアドバイスをもらい、日が暮れるまでボールを投げていたはずです。社会人になっても同じです。上達するには経験しかありません。早い時期にどれだけ経験できるかがその仕事に慣れることができるかの大きな鍵になります。そんな意識を持ってまた明日からぜひ頑張ってください!



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