ロジカルな話し方超入門(著者:別所 栄吾氏)
「もっと話上手になりたい!」と思う人は多いと思います。そもそもこの”話し方”というものは実は教わったことがありません。小学校の授業でも”朗読”などの練習はありますがそもそもの”話し方”に関してはあまり聞いたことがありません。おそらくその理由として考えられるのは、この”話し方”で壁にぶつかるのは【社会人になってから】というのが理由なのかもしれません。そういう意味でなかなか学ぶ機会のないこの”話し方”を題材に記事を作成していきます。
参考にしたのは標題の【ロジカルな話し方超入門】。著者の別所栄吾氏は1969年神奈川県生まれ、公益財団法人日本生産性本部の「知の技術研究開発センター」センター長として年間80回以上の研修を実施する傍ら、ロジカルシンキング、ディベート、プレゼンテーション研修等のプログラムを開発した人物。まさに【ロジカル×話し方】を体系化した人物という感じがします。
この本の結論は以下の4つ、事項以降でこれを要約して記事にしていきますのでぜひ読んでみてください。
①伝えたかったら「根拠」が必要
②伝えたかったら「つなぐ」ことが必要
③伝えたかったら「客観的」が必要
④伝えたかったら「質問」が必要
①伝えたかったら「根拠」が必要
日本人は話すのが苦手な人種と言われコンプレックスを持っている人が数多くいます。
”どうしたら話すのが苦手を克服することができるのでしょうか”
”その答えがロジカル”です。
どれだけ素晴らしいお言葉でもどれだけ的を射た真実でもどれだけすごい人の話でもロジカルでなければいいたいことが相手には伝わらないでしょう。
ロジカルの意味は「論理的」です。それでは論理的とはどういう意味でしょうか。きちんと道筋を立てて考える様です。ロジカルに話すということは道筋を立てることが重要なのです。次に道筋を立てるには何が必要なのか。
それが”根拠”です。
なぜなら根拠がなければ道筋は立たず論理破綻してしまうからです。ではどうやって”根拠”を作ればいいのでしょうか。著者は
主張・事実・理由づけの三角ロジックを完成させれば自分の考えを理解してもらえると述べています。例えば
「ビジネス書を読みなさい」
と主張だけしていても相手は何にはこちらのメッセージが深く伝わりません。
そこに「成功者はビジネス書を読んでいる」という事実
そして「ビジネス書には成功のヒントがあるから」という理由があるとどうでしょう。
一気に説得力が高まります。相手に理解してもらうにはこのロジックを頭の中に入れておくことで根拠が明確となり論理的な話し方になるのです。
②伝えたかったら「つなぐ」ことが必要
次はロジカルに話すために必要とされる共感についてです。話をしていて最終的に
「結局何が言いたいんだい?」
と言われないための重要なステップです。会話は相手と通じあってこそ意味をなすもの、つまり共感されなければ会話としては成り立っていないといえます。
ではどうしたら共感させることができるのか。著者があげる共感されるストーリーの作り方が
”キーワードを連続させる”です。
キーワードを連続させるとはどういうことか。それはストーリーを意識し、AならばB、BならばC、CならばDと言葉をつなげていくことです。
例えばプレゼンで【既存顧客へのサービスの見直しを】というテーマなら
■顧客へのサービスの見直しサービスを見直せばリピーターが仲間を呼んでくれる。
→リピーターが増えればリピーターが新しい顧客を生んでくれる。
→新しい顧客がつけばさらに売上が上がる。
→売上が上がればさらにサービスを見直せる。良いスパイラルに突入する。
このキーワードを連続させることのメリットは、文と文のつながりに飛躍がなくなること。話が飛躍しなければ相手の理解を得ながら結論へと向かえるので言いたいことが明確にできるのです。
③伝えたかったら「客観的」が必要
次は相手にロジカルに伝えるための武器についてです。著者が伝授するロジカルに相手に伝えるべきやり方、それが
暗黙知を形式知にする。
暗黙知とは経験によって取得した知識やコツのことを指します。言語化しにくい知識や経験コツなど主観的なもののことです。
形式知とは言葉で整理された知識やコツのことを指します。言語化された知識、体系化された知識など客観的なもののことです。
例えば料理人が
”このだしをこれくらい入れれば美味しくなるんだよ”と言っても
”何のだしはどれぐらい?”になります。
料理人自身はわかっていてもそれがあまりに主観的なので理解に苦しむのです。なので料理人の経験やコツを客観的にする必要があるのです。ではどうしたら客観的にできるのか、それがうまく整理し言語化することです。
先の例で言えば
”だし180cc・醤油25cc・みりん25cc・砂糖10gを用意する。そして最初に出汁と砂糖とみりんを入れ10分煮たら醤油を入れる"
といったように整理し言語化することで。料理人の経験やコツを相手に伝えることができるのです。このように何かを相手に伝えたい時は、
主観的から客観的に置き換え、言語化することが重要だったのです。
④伝えたかったら「質問」が必要
最後に”相手にわかりにくい”と言われないために話の構造作りについてです。著者が紹介する方法が
発問で惹きつけるです。
発問で惹きつけるとは聞き手に質問をして答えてもらうことです。なぜ質問するといいのか。それは説明の途中で質問をすると相手は熱心に聞いてくるようになるからです。
セミナーの時、質問される人を見たら内容を把握するために今まで以上に必死に聞くのです。また、記憶に残るセミナーというのは講師の話術もありますが、質疑応答で活発に意見が飛び交うセミナーだと思います。
これは言い換えると聞き手に参加させることで興味を持ってもらうというものです。反対に一方的に説明するだけのセミナーは退屈極まりないでしょう。もし自分が話をする立場で相手の興味を引きたかったら質問することが賢明だったのです。
まとめ
相手にわかりやすくロジカルに話をする。これは非常に難しいですね。なぜ難しいかというと相手の知識・理解度・興味などが人によって全く違うからだと私は思います。
小学生に経済の話をする。興味のない人に野球の話題をする。非常に難易度が高いと思われるこのような例はおそらくこの本に出てくることを実践してみれば少しは解消できるかもしれません。
相手の興味をひくことの難しさ、理解してもらうための難しさはビジネスだけでなく日常でもよくあります。
私も連休が終わり、明日から日常に戻りますが今夜にでも
”次の連休の過ごし方について”
を家族に提案してみようかな、と思ってます。そうです!この本で学んだロジカルな話し方を使って!
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