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5歳息子が自分を「オレ」と呼んだ日

親としての新しい感情が生まれた記念に、書き残しておくことにした。
先日保育園にお迎えに行ったとき、帰り際にトイレに行く友人を見て「オレもトイレいく〜」と独り言のように呟いていた。のを聞き逃さなかった。あれは私が人生で初めて聞いた息子の「オレ」。

しかもイントネーションが「オ↑レ↓」。
大人の「俺」じゃなくて、小学生男児らしいカタカナのあれ!

友達の前や保育園でしか見せない新しい顔があることに気づき、いや〜 微笑ましいな〜 と思った次の瞬間、なんとも言えない寂しい気持ちに飲み込まれた。もちろんいつまでも一人称が「○○くん」だとは思わないけれど、思った以上に早かった。いや、思った以上って、なによ? いつまでも子供は子供じゃないのに。精神的な自立は素晴らしい成長の一歩で、心から喜ばしいことなのに。だけど、なんだこの寂しさはっ……?

帰宅後、めちゃくちゃ子供とはしゃいだ自分がいた。いつもは適当にこなすお風呂タイムの戦いごっこにも精が出る。ママ大好き、ぎゅっ! な息子との時間が確実に終わりに近づいてる。幼い頃からママにべったりのいつまでも可愛い「オレ」は、今や「親友のユウト」と遊ぶほうが楽しいのだ…!

子供は親の所有物じゃない、分かってます。
素晴らしい自立の一歩を心から祝福すべきことも。

だけど子供を宿してからの6年間、ほんの一ミリも抱いたことのなかった ”寂しい” という新しい感情に、ちょいと戸惑う母の気持ちも分かってほしい。こういう小さな出来ごとに徐々に慣れ、気づけば思春期、なんだろうか。だったら早く慣れてくれよ、私…! 

しかし娘の一人称が「わたし」になるときには、「もうお姉さんね〜」とその成長を噛みしめるにしても、寂しさまでの気持ちにはならないと思うのだけど、どうかな? 母と息子の関係、不思議に歪なものよ…。

寝かしつけ時の会話で「今日何が楽しかった?」と聞くと「XXくんと、△△くんと…… あっ、XXと、△△と〜」と、わざわざ呼び捨てで言い直していた。精神的自立の一歩は気のせいじゃなかったか。

今日は赤飯だ!!!

2022年10月19日
息子の「オ↑レ↓」記念日によせて……

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