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「教育費は惜しみなく」と思っている親の罠

唐突ですが、これを読んでいる保護者のみなさんは「教育にどれくらい投資をしてきましたか?」

こう聞くと、かなりの人が
「いやいや、ウチは結構、教育費は惜しまずかけてきたよ? 習い事代でしょ、フリースクール代でしょ…時には隣で勉強も見てやって…時間だって割いてる!」と言うと思います。

しかし、これらは私から言わせてもらうと、「教育への『投資』」ではありません。
なぜなら、「投資」とは、単に「お金や時間を使うこと」ではないからです。

自己啓発本などで、よく言われがちなことですが、「『投資、消費、浪費』をきちんと区別」した上で考えてみてください。

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ここで、それぞれの定義を簡単に紹介します。

「投資」とは、「自身が理想とする未来を実現するために、お金や時間を使うこと」。
「消費」とは、「生活の現状維持のために、お金や時間を使うこと」。
「浪費」とは、「そのどちらにも属さず、漫然と、目的なくお金や時間を使うこと」。

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つまり、「教育にどれだけ投資してきたか?」とは、言い換えると、
「教育において、自身の理想の未来を実現するために、どれだけのお金や時間を使ってきたか?」
ということになります。

「いやいや、息子には大学くらい行ってほしいからこそ!私がパート辞めずに塾代払って、時間ない中宿題も見てやってんだけど?やっぱウチは投資してる方よ!」
……と思った方。もう一度4行前を読み返してください。

投資は、「自身の」理想とする未来のため、にかけられたもの、がカウントできます。
「子どもや他人の」理想の未来、ではないのです。

よく言われることですが、身近な子どもとはいえ、「他人を変えよう」としてるうちは、自己実現が遠のきます。
「ウチの旦那ももっと稼いできてくれれば〜」と、愚痴を言うのは簡単ですが、それだと現実は変わらない…ですよね。その愚痴を言う暇があれば、自分が動いて、メルカリで不用品の一つでも売った方が、現実は変化します。結局、「他人を変えるより、自分を変えるのが一番手っ取り早い」のです。

もう一度言い換えます。
「教育にどれだけ投資してきたか?」は、
「親である自分は、どうありたいか?という理想の未来のため、どれだけお金と時間をかけてきたか?」
……ということです。

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「子どもにどうなってほしいか?」
…たとえば、「大学くらいは行ってほしい!」「せめて健康でいてほしい!」「楽しい学生生活を送ってほしい!」…ここは、アレコレすぐに思いつく保護者が多いと思います。

しかし、これらは、投資において考えるべきことではありません。
それらは全て「他人に望むこと」なので、あなた自身が直接叶えられることではないし、多くのことを望めば望むほど、子どもを縛りつけ、苦しめることになります。

(私の知っている母親は、「子どもを絶対医者にさせる!」との思いで、多額の費用をかけて家庭教師をつけ、塾に行かせ、結局7浪!させました。かつての同級生が大学を卒業し、社会人になってなお、「大学受験勉強」をさせ続け、ついには親子ともどもノイローゼに……まぁこれは極端な例ですが、親自身が「子どもにこうなってほしい!」という思いを強く持てば持つほど、「子どもの目が死んでいく」事例は、現場でも山のように見てきました。)

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そうではなく、「自分は、どういう親になりたいのか?」ここを掘り下げた上で、
それを叶えるために、どれだけの時間やお金をかけたか?ということです。

……こう考えてみると、そもそも、「自分にとっての理想の親像」がぼんやりしている保護者は、結構多いんじゃないでしょうか。

Q
「どんな親になりたいですか?」

A1
「将来、子どもに感謝される親」
…いやいや、これではさっきと同じ。「感謝するかどうか」は子どもが決めること。
そう思うのがダメなわけじゃないけど、「自身で直接叶えられること」も考えたい。

A2「自分の母親のような……服装ひとつにケチつける、過干渉な親にはなりたくない」
……うんうん、いい感じ。でもこれでは否定文なので、バチっと理想を言い表せてはいない。
「過干渉は嫌」だからって、子どもが裸で外に出ようとするのを見過ごすのがあなたにとっての「理想の親」?

A3
「過干渉でも、無関心でもなく、どっしり構えて、子どものやりたいことを尊重できる親」
………ヨッシャ!だいぶ「ええ感じ」です!!!

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じゃあ、次の質問いきましょう。
あなたが、「どっしり構えて、子どものやりたいことを尊重できる親」になるために、今まで何をやってきました?

………これ、意外と「何かしたっけ……」って方、多いんじゃないでしょうか。

「どっしり構えるママになるためにすべき、10のこと!」
……たとえばこんな教育書や、インスタの投稿、あるいはYouTubeを見たなら、それは「教育における投資」と言えそうです。…けどそれって、いくら分?どれくらいの時間でしょうか?

振り返ってみると、「……アレ?大した金額と時間じゃないな」と気づく方、多いと思います。

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さて、ここで当たり前すぎることを言います。「投資は、たくさんすればするほど、理想の現実が早く手に入る」。

これは、教育うんぬん関係なく、どんな分野でも言えることです。
たとえば「痩せて、もっと美しくなりたい!」という女性が2人いたとしましょう。

A子さんは、ボーナスを切り崩し、何十万とするライザップに入会しました。
パーソナルトレーナーがつき、運動だけではなく、食事、睡眠、メンタルの部分に至るまで、トータルでサポートしてもらいます。
「今日は飲み会で食べ過ぎちゃった!」「今週は運動する時間がない!」
…そんな時も、「今日はどうすれば?」と、トレーナーに相談すると、すぐに専門知識に基づいた返事が返ってきます。

一方B子さんは、「……ライザップは高いし、もったいない。ダイエットくらい、1人でできるでしょ!」ということで、インスタで見た「バナナダイエット」を始めることに。一食をバナナに置き換えるだけなので、時間もお金もさほどかからなさそうです。
しかし、毎日は平坦ではなく、「飲み会だから、今日は置き換えできない!」「あれ、買い置きしたバナナ、腐ってるじゃん…」当然、こんな日もあります。では、そんな時どうするのが正解か?
……そんなことは分からないので、「ま、とりあえずできる時だけやってこ」と自己流に。
そんな時、YouTubeで「まだバナナダイエットやってるの⁉︎ バナナダイエットは、痩せるどころか糖尿病のリスクもあって最悪!これからは『睡眠ダイエット』!」という動画を目にします……。

さあ、どちらの女性が3ヶ月後、「痩せて、もっと美しくなっている」と思いますか?
………明白ですね。
A子さんは、確かにお金をかけましたが、それは単なるバッグの衝動買いとは異なり、「自分の理想を叶えるため」のお金…まさに、投資をしたわけです。だからこそ「結果を出さなきゃ!今度こそ絶対痩せる!」という覚悟や気合も、B子さんより持てたはずです。

B子さんのように、「時間とお金をかけずにやってみる」のは、簡単そうで、誰しもがここから始めたくなります。
けれど、始めは「ヨッシャ!本で読んだ通りやるぞー!」と思っても、毎日の中では、自己流に陥って十分な効果が得られなかったり、「今は忙しいから」と、後回し・中断しやすかったり、他の情報に揺さぶられやすかったりします。
だからこそ、「ほとんどの人は理想を実現しないまま、日常の中に溶けて終わる」のです。

一方、A子さんのように、理想のために「時間とお金をかける(=投資する)」と、「投資したんだから、やんなきゃ!」と、覚悟が決まります。投資の仕方によっては、個別にプロを頼れる権利も獲得できます。

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これは、本当に悲しいことですが、一部「多くの投資をする」行為を見るやいなや、「胡散臭い」とか、「騙されてんじゃないの⁉︎」という人がいます。
そしてさらに悲しいことに、実際、人の「なんとか痩せたい!」という理想を願う気持ちにつけこんで、まさに騙すようなことをして、お金をとっていく人もいます。

しかし、「なんとか痩せたい」という気持ちに真摯に向き合い、実際に支払う以上の価値があるサービスが世の中に存在することも事実です。「多くの投資」=「怪しい!騙されている!」では決してありません。

先ほどの例からも明らかなように、むしろほとんどの場合は、「多くの投資」=「より早く、理想を現実化できる手段」になるのです。
「料理上手になりたい」と思って、「レシピだけ買った人」と、「レシピも買って、料理教室に週3で通う人」…どちらが「早く料理上手になるか?」……決まってますよね。

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され、最後にもう一度問います。
みなさんは、「教育に、どれだけの投資をしてきましたか?」
そして、「これから、どんな投資をする予定ですか?」

よかったら、コメントで教えてください。


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