読書記録&雑記(2020.6)

6.4 太宰治『晩年』(2005,新潮社)

6.6 村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)』(2010,新潮社)*

6.7 村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)』(2010,新潮社)*

6.7 川上未映子『ヘヴン』(2012,講談社)*

6.8 村上春樹『風の歌を聴け』(2004,講談社)

6.8 今道友信『美について』(1973,講談社)

6.9 泉鏡花「外科室」(青空文庫『高野聖』1971,角川書店)*

6.11 中勘助『銀の匙』(2014,角川書店)*

6.14 米澤穂信『ボトルネック』(2009,新潮社)*

6.14 辻村深月『朝が来る』(2015,文藝春秋)

6.15 宮下奈都『羊と鋼の森』(2018,文藝春秋)

6.15 金子隆芳『色彩の心理学』(1990,岩波書店)*

6.17 日本アート・センター『ユトリロ』(1974,新潮社)*

6.21 砥上裕將『線は、僕を描く』(2019,講談社)*

6.24 小川洋子/河合隼雄『生きるとは、自分の物語をつくること』(2008,新潮社)*

6.25 佐々木閑 /小原克博『宗教は現代人を救えるか』(2020,平凡社)*✿

6.27 凪良ゆう『流浪の月』(2019,東京創元社)*

6.29 村上春樹『ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編』(1997,新潮社)*

6.30 川上未映子『夏物語』(2019,文藝春秋)*

雨は、嫌だ。じとじと、と降り注いで、心までどんより湿らせてくる。そうしていると、頭がずきずきと痛み出して、重くなった心を引きずるように歩く。歩いた跡には、二本の黒い線がじんわりと滲んでいて、まるで人生だ、なんて思いながら、今度はわざと音を立てて、踏みつけるように地面を蹴っった。ぺったりと靴底に地面が吸い付いて、また離れる。気配を感じたと思ったら、短いスカートを履いた女の子たちがパステルカラーの傘を振って走り去っていった。その払いきれていなかった水滴の何粒かが、私の腕に飛んできて、水晶の欠片のようなそれをじいっと眺めていたら、なんだか目の前がぼんやりとしてきて泣きそうになっていることに気がつき、慌てて目をしばたたいた。目のぱちぱち、という音に混じってチャイムの音が聞こえた気がして、反射的に体をすくませてから、空耳であることを確認してはっ、と詰まっていた息を吐き出す。不意に外に目をやると、雨はまだ降り注いでいて、結局、私はため息をつきながら、また歩き始めた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?