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20230828万年筆で絵を描く


1.沼へのハマり方が特殊だった件 → 楽描きとしての使い方

万年筆一発書きクロッキー「楽描き」を始めた時の一枚。
「散茶女郎」インクは浮世絵シリーズ「北斎錆緑」、
万年筆は確かセーラーのプロフェッショナルギアのF字でした。
 紙はニーモシネA4。


 ガラスペン沼、インク沼、万年筆沼、と順調に沼にハマってきた私。
 普通ならこれらの用途は「文字を書く」ことが多いのだろう。Twitter改め「X」でも朝活書写などをよく見る。
 私も子供の頃から社会人になるまで、17年くらい書道をやっていた過去があることもあり、文字を手書きするのは好きだ。
 だが、ただ文字を書くという用途だけで上記の沼にハマっていたとしたら、そろそろ沼から足を洗うか、増えすぎた沼製品に困り、フリマなどで手放し始める頃合いだろうと思う。
 だがしかし。
 私には「絵を描く」という他の使い方があったのである。

「見つけた!」。インクはKWZ INKのグレイラックスそのほか。
紙はニーモシネ。
「神殿の占い師」。
インクはKXZのグレープラムとゆらめくインクの狐日和ほか。
これも中位のお女郎さんのイメージ。
首の右側は最初は形が狂い過ぎていたので、暈して修正している。
 紙はクロッキー帳。
インクはローラー&クライナーのオールドボルドーそのほか。

 現在、私は仕事としては日本語教師をやっているが、大学は美術大学を出ている。しかしその後、自分の絵の才能に24歳で見切りをつけ、それからずっと筆を折ったきりだった。

「午後のお茶会」。インクはゆらめくインクの花心、
ファーバーカステルのストーングレイ、モンブランのオイスターグレーなど。


 その後、海外生活を経て、某大学内の日本語教師養成講座を修了した。毎回、最前列のど真ん中に陣取って授業を受け、質問をしまくったおかげか、修了後にその大学に非常勤講師に採用された。
 それからは、あちこち学校を移動しつつも、ずっと日本語教師をやって来た。その間に大学院へ社会人入学して言語教育学修士にもなり、仕事として成り立ったのは日本語教師の方だった。

「姐さん」。インクはゆらめくインク「花心」そのほか。
岩下志麻の極妻にするか、束髪の203高地にするかで悩んだので髪の流れが変。
着物の着付けや帯揚げなんかも、若い女性の着方になっちゃってます。
「私やっぱり、帰るわね?」。YouTubeで偶然、
山口百恵さんの「プレイバックPart2」を見たら、
彼女が
このポーズをしていて驚いたのでこのタイトルに。

  そうして年齢を重ねて、数年前から各種の沼にハマってしまったわけだ。
 私の場合、最初はガラスペンだった。
 これはその頃、人生の後半に入ったことを自覚し、年齢を重ねて図々しくなり、やっと自分のヘタクソな絵を見ても凹まなくなったからだった。
 再び細々と絵を描き始め、それにカラーインクとガラスペンを使うようになったのだ。
 それ以降の絵は下にリンクするpixivで公開しているので、興味のある方は見てやってほしい。

 ここまでも、ここから下も、文の間に「万年筆クロッキー」の「楽描き」を入れているが、全部は入れられないので、他のも見てくださるという方は、↓ のリンクからどうぞよろしく。

2.「楽描き」としてクロッキーを描き始めた件


 そのうち、Instagramで万年筆で線画を描き、それを暈して作品を描いておられる方を見つけた。それを見て始めたのが、私の「楽描き」だ。
 セーラーの「ゆらめくインク」シリーズなどを使って線画を描き、それを水筆で暈し、乾いたら強調したいところをまた万年筆で描き込む、という描き方だ。これは短時間で描けるし、鉛筆だけでのクロッキーと比べ、数は限られるとはいえ色が使えて楽しかった。

「花育む少女のトロフィー」。
壁に飾る獲物のトロフィー的な。
インクはファーバーカステルのミッドナイトブルー他。

 私の場合は、この「楽描き」(万年筆クロッキー)は下書きなしでいきなり描き始めている。この緊張感が気持ちいい。そして、水筆で暈して生まれる色彩がまた美しくも儚く楽しい。
 昔取ったナントカで、暈しのやり方や塩梅やらは若い頃に散々修行したから、今でも身に付いているようだ。

「狸憑き娘」。インクはファーバーカステルのヘーゼルナッツブラウン。
背景はコピック。
染料インクはコピックでは滲まないので、
併用すると面白い。

 絵は数年前からiPad Proなどでも描いていた。
 だが、厚塗り系はiPadで快適に描けるが、水彩系のツールの暈しがアナログで描く時と同じようには使えなかった。
 他にも問題はあって、デジタルで描いていると何度でもアンドゥが効くので緊張感がなく、どうしても描き方が雑になってしまうのだ。

「陽気な下女」。
なんとなくミュージカルなイメージ。
インクはKWZ INKグレープラム……と、ブラウンピンクだったかな?

 デジタルで便利になったのに、一筆一筆の緊張感が希薄になり、描くのが雑になってしまう。そして何度も描き直す。私だけなのかもしれないが、無駄が多くて自分でも納得がいかないことが多かった。 

「薔薇の渦巻き」。紙はクロッキー帳。
インクはゆらめくインク「心隈」とモンブランのオイスターグレー。

 それに、細かい描写になると老眼の目にはiPadの方が拡大できて優しいが、描く線の精密度はやはりアナログで描く方がシャキッと決まるのだ。コンマミリ単位の描写も、眼科で処方してもらった近々両用室内用メガネならちゃんと見える。

「小さな王冠を頂く王妃」。
インクは定番のペリカンのロイヤルブルーそのほか。
紙はニーモシネ。紙の皺が集中線みたいな効果を出していて面白い。

 そんなわけで、私は「アナログ絵習作シリーズ」でアンドゥの効かない絵の集中力を訓練し、万年筆と染料インクでの「楽描き」クロッキーで、アイデア出しと、一筆一筆の緊張感を体に呼び起こしている最中である。

「菖蒲を生ける」。インクはゆらめくインク「花心」。
紙はグラフィーロ。この紙は色の出方がちょっと違う。

3.「万年筆一発書き」の「楽描き」たち。その他

「アームレスリング」。
インクはゆらめくインク「心隈」と「狐日和」そのほか。
「そちらのお品物が見たいわ」。
インクはゆらめくインク「花心」「狐日和」そのほか。
紙はクロッキー帳。
「モダンガール初出勤」。
インクはゆらめくインク「花心」そのほか。


「夏のパーティ」。前の記事で書いたモンブランの
リミテッドエディション「グリム兄弟」で描いたもの。
インクはファーバーカステルのディープシーグリーン。

 キリがないので、「楽描き」は以上で終わります。
 他はpixivか「X」を見てやってください。よろしくお願い致します。

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