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20230616 LAMY safariとの出会いと「漢字ニブ」

 今回は短くまとめたいと思います。(結果的には……)
 前回前々回と「ガラスペン沼」にハマっている昨今の話題で書きました。
 私の場合は「インク沼」よりも絵に使うことを考えて、ガラスペン沼の方に先にハマったのですが。
 それが最近では、とうとう万年筆沼にもハマりつつあります。
 なので今回はその話。その中でも最初に買ったLAMYの万年筆つながりで、限定品の「漢字ニブ」のお話です。

1. 手書きと私

LAMY safari。上が「漢字ニブ」のある紅白ヴァージョン。下はスケルトンのEFニブ。今はFerris Wheel Pressのラメインクが入っておりますが、詰まることなく使えています。

 最初に自分と万年筆、手書きの歴史から書いていきましょう。この頃では手書きで文字を書くのは仕事中のメモくらいですが、9歳から26歳まで書道を習っていた私は元々は手書き文字大好き派です。
 随分前から無駄な努力と盛んに論議されている、あの履歴書手書きも全然苦にならず、嬉々として書いてました。下書きなしで。だから時間はかからなかったんです。
 提出後の面接で「これ手書きですよね? すごい字がお上手ですね」なんて言われたりすると「えへへへへ」と気味がわるい笑顔になっていたものです。
 長年書道をやっていると、目分量でも限られた範囲にピッタリと下書きなしで文字が入れられるのです。これは今でも出来ます。
 私の場合には学生時代にデッサンなんかでも「この範囲内ピッタリに、大きすぎず小さすぎず、左右上下ピッタリに石膏像を入れる」ことなんかを修行したからでもありますね、きっと。アナログで目分量で測って描くものですから、慣れが必要なんです。

2. 世代としての人生初めての万年筆

話がずれました。万年筆というと、私の世代では入学祝いとか就職祝いで、やや高級な金ペンをもらった人が多いでしょう。
 バブリーな時代でしたから、私は叔父にパーカーのK18金ペンをもらった記憶があります。あれ、外見も渋いオレンジ色で凝った作りだったなあ。樹脂でも金属でもなかったです。当時でも何万円というものでしたが、今買ったらいくらくらいするものなんでしょう。
 今のところ「回帰した万年筆沼」の中ではパーカーとかモンブランとかペリカンとかの高級な海外製には手を出してないので、値段はわかりません。日本製とはかなりお値段が違うようです。

 そのパーカー、それなりに大切に使っていました。メールも携帯もない時代、最初のうちは手紙を書いたりするのに使っていましたが、何度かインク詰まりを起こして、27歳で青年海外協力隊に行った時にはもう手元になかった気がします。捨てたはずはないので、実家のどこかにまだあることはあると思うのですが。

3. 万年筆沼へ突入するにあたっての言い訳と経過

 話を現在に戻しましょう。万年筆沼に入っていった最初の時の「言い訳」です。
 単純に万年筆購買欲にとらわれた自分に「まあ、万年筆の1、2本くらいなら、買っても雑記帳に行書ぐずぐず文字の縦書きならいくらでも書けらあ! だから使わなくなる心配はないぜ!」と言い訳し、最初に沼の始まりとして話題のLAMY safariの万年筆、それもスケルトンのから「入門」したのです。
 こちらはドイツ製ですが、初めて万年筆を持つお子さん向けにグリップに工夫が凝らされている、初心者向けの万年筆です。

上が漢字ニブの限定色。下は普通のスケルトンのEFニブ。キャップを取るとこんな感じ。
インク沼の住人なので、コンバーター使用。
漢字ニブのインクはROHRER&KLINGNERの古典インク。

 ラミーサファリののスケルトン、字幅は外国物は太めと聞いたので、一番細いEFをAmazonで3000円弱で購入しました。
 さすがドイツ製。このデザインは日本の会社には出来ないデザインですよ。全然、安っぽさを感じさせない。鉄ペン(ステンレスのペン先)ですが、聞いていた通り書き味もいいです。
 昔の万年筆は結構な頻度でインク漏れしてた気がするのですが、最近のはしないですね。あまり持ち運ばないこともあるんでしょうけど。

4. 由無し事を書きつくるツールとして

 私はこのスケルトンくんと一緒に、ツバメノートの縦書きを購入し、雑記帳として毎日の由無し事を書きつくることにしました。
 日本語の漢字もかなも、横書きより、慣れれば縦書きの方が運筆が自然なので、書道をかじっていて字がくずせる人には書きやすいのです。万年筆って筆圧をかけずに作家なんかがスラスラ書くための筆記具ですしね。
 今では漢字圏でも縦書きは日本と台湾だけに残った文化のようですが。
 ダイヤリーに主に備忘のためのメモを取っているので、それと被る場合もありますが、ツバメノートの方は頭に浮かんだことをそのまま縦書きでニュルニュルと書いています。まさに「由無し事」です。
 蛇ののたくったような縦書きだとキーボードで日本語を打ち込むよりずっと早く書けますしね。人に見せるものでもないので、他人が読めなくとも構わないのです。

 ところで、ちょっと長い文を久しぶりに手書きで書いていると、「漢字が思い出せない」ことが多くて脂汗が出ます。
 キーボードで打ち込んでると、漢字の形が思い出せなくても選べれば良いですから。手書きすると脳トレになって良いかもです。
 さて、そんなこんなでしばらくはこのLAMYと某フリマで手に入れた、これはかなり沼の深いところ向けの、セーラーの「長刀研ぎ」の「ふでdeまんねん」で書いておりました。セーラーの「長刀研ぎ」についてはまた今度。
 LAMYからいきなりそっち行くか? とは自分でも思います。使用用途として、行書の縦書きで考えているからでしょう。

5. 漢字ニブを知る

漢字ニブはペン先の形がユニーク。パイロットのエラボー? に似ている?

 そんなある日、ぼーっとYouTubeを見ていて知ったのが、LAMYの限定品「漢字ニブ」の存在でした。漢字圏の消費者向けに発売された限定品です。もう発売から約一年が経っている製品でした。
 漢字の止めはらいなどがうまく書けるというので、早速、ダメ元でググると一箇所だけ定価で売っているところを発見。
 それ以外の場所、フリマなどでは倍以上の価格(1諭吉以上)でしか出てないのです。
 某文具店の渋い色と銅色のクリップの限定色の方は、どこ探しても出て来なかったので、この白赤限定色(普通のニブのもあります)の漢字ニブをサクッと定価購入致しました。
 私はすぐに物を汚すので、服も持ち物も、通常は絶対に「白いものは買わない」んです。でもこれは縁起良く紅白で良いんでない? と思いました

漢字ニブのペン先アップ。よく見ると繁体字の「漢」です。

 YouTubeで見て知ってましたがこの漢字ニブ、ペン先にでっかく「漢」の文字が……。よくみると旧字体の「漢」ですね。中国語市場向けなのでしょう。それも字体から言えば台湾になりますね。中国は簡体字で「汉」ですから。 
 さて、最後に書き味のお話。
 筆ペンみたいに書けるわけでも、それほどニブがしなるわけでもないですが、縦書きで書いてみると多少違いますね。

でっかい画像ご容赦。字も手が震えてて上手くない。漢字ニブの方は古典インク(没骨子インク)なのもあり、インクの濃淡がよく出ています。紙はWACCAの印刷できる和紙。


 上の画像では楷書で頑張って書きましたが、縦書きでニョロニョロと行書で「書きつくる」と、間違いなく普通のニブより書きやすいです。
 最初に「今回は短く」とか書いてますが、私は文がどんどん長くなる人なので、今回も長かったですね。ダメだな〜。

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