そのひとはたぶん死ぬ

ホームページの時代からずっとネットで書き続けているひとがいて、私もずっと読み続けている。変わらず更新しているひともいれば、季節に一度程度のひともいる。偉くなったひともいれば、死んだひともいるが、「死んだひとのほうが多い」と言いたくなる重たさが後者にはある。

近いうちにきっと死ぬんだろうというひともいる。私はコメントを寄せたこともない薄情な読者だが、読むのをやめられない。  

あるひとの最新エントリは数ヶ月前のもので、音楽への愛と、それから安倍政権と家庭環境、自分の病気と医者を含む周囲の無理解、それらにたいする呪詛で構成されていて、書けば書くほど愛から遠ざかり、死が近づいてくるような代物だ。しかし日記が唯一の存在証明であり自己表現だからと、そんなエントリを何年も書き続けている。そのひとはいまだブログに移行せず、ホームページのままだ。

次女が鼻をたらして咳をしている。また風邪が家の中で流行りそう。来週の旅行までにおさまるといいけど。前日キャンセルで半額、当日キャンセルなら全額か…

日曜が妻の誕生日なので、なんとなく浮ついた雰囲気が家の中にある。カニが食べたい、とのことだったので、いそいそと御徒町へ。妻の誕生日という名目を得て、財布が空っぽになるまで買い物ができると思うとうれしい。のんびり走る都営バスがもどかしい。早く着かないかな。

吉池で、まあこのぐらいだろうというサイズのタラバガニと、もう一回りデカいタラバガニとを持ち比べてみて、勇気を出してデカイのを買った。それから松坂屋のアンテノールでショートケーキ、モンブラン、プリン、レモンのタルト。右手に傘さして、左手にカニとケーキ持って、御徒町を歩いた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?