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インサイドセールス導入の2つの落とし穴

こんにちは、グローバルインサイトの水嶋玲以仁(みずしま れいに)です。

私のnoteでは、MicrosoftやGoogleでのインサイドセールスマネジメントの経験や、様々な企業の営業・インサイドセールスの支援の経験をもとに、営業やインサイドセールスの皆様にお役立ていただけそうな情報を発信しています。

本日は、マネージャーの立場の方々に向け、企業がインサイドセールスを導入する際の「落とし穴」とその対策について語ります。

インサイドセールス導入の2つの失敗

私が見てきた限り、インサイドセールス導入の段階で失敗してしまう企業は少なくないようです。

なおここで言う失敗は、「目標が達成しなかった」ことではなく、「活動そのものがうまく回らなかった」「ほとんどPDCAが回らなかった」ことを指します。社内から必要ないと言われて終了したという意味での失敗です。

そして私の経験上、失敗は大きく以下の2つに分けられます。

  • 戦略レベル、もしくは導入計画レベルでの失敗

  • 実行レベルでの失敗

これら2つについて詳細を見ていきましょう。

戦略レベル、もしくは導入計画レベルでの失敗

戦略レベル・導入計画レベルというのは、実行に移る以前の計画段階での失敗を指します。

ここで多いのは、そもそも導入の目的が不明瞭であること。またプロセスが不明瞭なため、現場の担当の人たちがどうして良いかわからず実行できない / 役割・目標が不明瞭で、どうにか実行したとしても、実行後の評価ができないケースも多いようです。

あるいは、目的の合意が、マーケティング部門、フィールドセールス部門間で取れてないこともあります。そのため違う目的や期待を抱いていた他部門から正当な成果を評価してもらえなく、中断することもあります。

この段階でつまづく企業は、経営層、もしくは営業やマーケの責任者が、「競合でインサイドセールスを行っているから、自社も導入すべきだ」等の動機だけで、部下に丸投げしている傾向があります。読者の皆さんの中では、そんなことあるのかと思う方もいるかもしれませんが、結構そういう会社は多いのです。

実行レベルでの失敗

実行レベルでの失敗は、主に実行する人のモチベーションや人員配置に起因することが多いようです。

例えば、これまでフィールドセールス(いわゆる営業)だった方をインサイドセールスにコンバートするとモチベーションがダウンしてしまうことがあります。

またインサイドセールスのマネージャーは普通の営業マネージャーと同じと考え、営業マネージャーをアサインするものの、専門的な知識がないためにうまくマネジメントができないケースもあります。

その結果、適切な活動ができないために成果も上がらないので、方法がダメなのだと結論づけ、「これは、やめよう」という話になってしまうわけです。

この様に落とし穴となるのは、その活動方法自体よりも、人や実行にまつわるケースが多いです。

大枠の戦略が正しかったとしても、実行のレベルでうまくいかないため、計画通りに行かないことはよくあるのです。

どう回避すべきか?

「なんのためにやるのか?」を明確にする

戦略・計画段階での失敗は、前述のように「何のために導入するのかが不明瞭」なことが原因になる場合が多いです。

まずは、自社の事業やサービス、現状の営業プロセスにおける課題をしっかり把握・分析すること。その上で「本当にインサイドセールスをやるべきか?」「やるとすれば、何の課題を解決し、どんな数値目標の達成を目指すべきか?」を明文化した上で、マーケティング部門やフィールドセールス部門と合意して、取り組みを始めること。それである程度戦略上の失敗を回避できるはずです。

自社メンバーのマインドセットをしっかり把握する

自社メンバー、特に営業メンバーがインサイドセールスの導入やコンバートに対してどのような印象を持っているか、どのようなマインドセットをもって営業に取り組んでいるかの把握も大事です。

やり方は1on1やオフサイトミーティング、普段の雑談等様々ですが、メンバーのモチベーションやマインドを把握し、それを踏まえた戦略・計画を行うことが、実行レベルにおける「人」に起因する問題の予測・対策になります。

「全く新しく組織をつくる」くらいの気持ちが必要

個人的な経験では、インサイドセールスの導入を含めた大幅な変化には、これまでの人とは全く異なるチームを作って実行する、つまり、全く新しく組織を作るくらいでなければ、うまくいかないのではと思うことがよくあります。

その理由を端的に記載すると、「人が変わることは極めて難しい。」ということです。

よほどのショックがなければ、変わろうと思っても変われない、不満だけ募り、「こんなやり方ではうまくいかない。前の方がよほど良かった」と言って、元に戻ろうとします。これは、組織文化や本能的なものから来ているため、極めてやっかいです。それを認識して取り組むことが重要です。

もちろん解決方法はいろいろありますが、企業文化や所属している人によって異なりますので、個別性が高く、一般的な正解はありません。

重要なことは、そこには落とし穴があり、人の問題、文化の問題が大きく絡む、そしてすぐには成功しないので腰を据え、地道に変化させていく理解と気概が必要になります。戦略やプランは大事ですが、そこで終わらないようにすることが大事なのです。



我々グローバルインサイトは、営業のデジタル化やインサイドセールス等のコンサルティング・人材育成などの支援を行っております。お気軽にご相談ください。


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