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本音の置き場所 - 今月のBOOK REVIEW |REING Library vol.2

📕REING Library

REINGから皆さんへ、本の贈り物です。

小説だったり、ノンフィクションだったり…ジェンダーに関するものだけでなく、背中を押してくれた本、辛い時寄り添ってくれた言葉などなど、毎月1〜2冊、REINGのメンバーがお気に入りの本をピックアップします。

REINGが主催するコミュニティの中でも、「ジェンダーについて知りたいけど何から始めたらいいかわからない」「アカデミックな本はたくさんあるけど、どんな本を読むのが自分に合うのかわからない」という声を聞きます。REINGを運営する私たちも日々学びながらジェンダーイシューに取り組んでいるところです。わたしたちに影響を与えた本をシェアすることで、みなさんと二人三脚で一緒に歩んでいくヒントを見つけることができたなら…そんな思いを込めて本を紹介していきます。

本って、わたしたちの世界を少しだけ広げてくれたりする。

ぜひ、わたしたちの頭の中を覗きに来てください🌷


📕今月の本📕

「本音の置き場所」バービー

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講談社の運営するFRaU webにて2019年12月よりスタートした連載『本音の置き場所』。「本音を話したっていいことなどない」と考えていたお笑いコンビ「フォーリンラブ」のバービーさんが、自虐やセクハラをネタにしたお笑いとの向き合い方、差別やジェンダーなどの社会問題に対する思いを綴っている。


”こんなこと、芸能人なのに言っちゃうんだ…!!” 今まで芸能界は彼女のようなフェミニスト的な発言をタブー視するだろうと考えていたこともあり、連載一本目のタイトルを目にした時にわたしは一瞬でバービーさんのファンになっていた。

ちょうどこの記事を知った時、わたし自身女性と料理の関係に関して悩んでいた。わたしは料理がすごく好きだ。頑張って作った料理はInstagramに載せたいし、褒めてほしい。でも女子力アピールだと思われるのは嫌。ただ自分は料理が好きなだけなのに、女であるが故に”家庭的なイメージ”と勝手に結び付けられてしまうのだ。彼女の文章と出会ったのはそんな社会に辟易していた時だった。彼女の言葉は、中学生の頃から晴れることのなかったわたしのもやもやを言語化する助けになったし、何よりも芸能人という立場でリスクを顧みずにはっきりと自分の「好き」をジャッジしてくる社会に異議を唱える姿勢にすごく救われた気がした。

この社会で生きていく中でちょっとした違和感を感じている人は少なくないと思う。同時にそのもやもやを言語化できずにいる人もたくさんいるんじゃないだろうか。

「料理は好き。でも『男の胃袋』を掴んでたまるか。」

闘っているのはわたしだけじゃない、それだけでまた明日も頑張れる気がする。22歳のわたしを救ってくれたこの本が、また誰かの支えになりますように。

(バービー/ 講談社 / ¥1,300)



Recommender: Ai O'Higgins

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