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「今だったら100%の自分で発信できるかな」 時間が形にする自分らしさ - Seigo&Brenインタビュー <後編>

2年ぶりに母親や家族と再会し、切れかけた関係性が元に戻り始めたことを感じたと話すSeigoさん。親戚たちは彼らの関係をどのように受け止めたのでしょうか?インタビューの続きをお届けします。

- ブレンを家族に合わせた時の話を聞いてもいい?

Seigo : 実際ブレンを連れて行ったらその日から家族が一緒にご飯を食べて、お酒も汲んでくれて。一緒に話して「今日からブレンも家族だね」って。すっごい優しくて、びっくりしちゃった。

Bren : もう、すっごいよかった。あったかい感じで、本当に行ってよかった。僕も緊張してたけど、それも溶けて…

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Seigo : 結婚して、初めてご祝儀もらって。お父さんの兄弟全員ひとりひとりからご祝儀もらって、感動したね。今までもらったことなくて、初めて。
周りの兄弟もみんな結婚してるんですけど、それと同じ感じで渡してくれて。最初は悩んだみたいなんですよ。「渡すべきかな」とか。家族で「どうする?」って話し合ったらしいんですけど、「結婚めでたいじゃん」って。お祝いだから渡さなきゃいけないよねって話してくれたみたいで。

Bren : 鹿児島行った時、「どんどん質問して」って言ってたくさん質問してもらったんだよね。アメリカだったらみんなわかってるようなことなんだけど、「どっちが女の子なの?」とか「心は女の子なの?」とか「どっちが料理するの?」とかそういう質問。鹿児島のそこにいる家族はまだこれからなんだよね、と思って、何も知らないところからスタートしてる感じで、基準がアメリカと違うと思った。もしアメリカでその質問されたら傷つくと思うんだけど、みんなほんとにわかんないだけで、これから学ぼうとしてくれてるから、全然大丈夫。

Seigo : 鹿児島でもおじさんが「オカマ」って言葉を使ってたんですよ。でもたぶんLGBTって言ったら「オカマ」って言葉しか知らない。そういうことなんだろうなって思ったから、別に傷つかなかった。意図的に使ってるわけじゃないし、傷つけるために言ってるわけじゃないから。その背景が大事だなって。

- 家族と話すと体力いると思うんだけど、向き合うのってつらくない?

Seigo : それはほんとに、最初は大変でしたね。2日目には「家族」って言ってもらえたから自由にね、友達みたいな感じでみんなと話せたけど、初日はもうドア開ける時の緊張が。「なんて言われるかなあ」とか。

Bren : でもその夜から家族みたいな感じだったよね。

Seigo : うん。だからほんとにもう嬉しかった。

Bren : おじいちゃんの家に木の柱があって、みんなそこに身長とか書いてるんだけど、そこに僕たちのを書いてくれたりとか。

Seigo : 「ブレンもここに書かなきゃ!」とか言って(笑)。

ただ、血の繋がってないおばあちゃんを紹介されたりもして、結婚してるよって話したら、「でも結婚って男の子と女の子がするものでしょ?どっちがどっちなの?」って言われて。
やっぱり結婚って男の子と女の子の間でしかできないものって考える人は、田舎に限らず多いのかも。

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- 制度がなかったら、新しい形を考えるのは難しいよね。国が制度を設定したら、それに当てはまらない人はいないことにされちゃう。それはやっぱり確実に制度が必要ってことだし、おばあちゃん達のせいじゃないなって思っちゃう。

Bren : うん、男の子と女の子以外の結婚とか考えたことないと思う。

Seigo : 子供のための結婚って考えてる人もいますもんね。でも、さっきのおばあちゃんに「アメリカとかでは結婚できるんだよ!」「今は少しずつ変わってきているんだよ」と説明したら、おばあちゃんが両手を上げて「ばんざーい!ばんざーい!」って喜んでくれたんです。おばあちゃん世代や田舎の人って理解が難しいって勝手に思い込みがちですが、それもちゃんと話せば解ってくれる人もいる。

- 夫婦になってから4年経って、二人の関係の変化とか感じたりする?

Bren : 自分たちでは気づいてないかもしれない。二人とも変わっていってるから。

Seigo : でも「家族」って感じが深まった感はあるよね。まだ子供とかは全然考えてないし、たまにお互い「養子かな」とか「代理母出産かな」とか、可能性はあるからそういう話はするけど。

Bren : それも将来的にどこに住むかもわからない状態だと、ちょっと難しい。

Seigo:今は日本に帰ってきても僕たちは制度的に赤の他人になっちゃう。そこはね、認めて欲しいね。オリンピック明けたらかなあ。

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- 家族になってきたっていうのは、どんな時にそう思うの?

Seigo : 最近だと自分の家族に紹介できたから、「やっとみんなに認められてる、認められた家族だな」っていう感じがありますね。今までモヤモヤしていたものが全部取れたっていう感じで、今度は日本に帰ってきて堂々と実家にも帰れるし。

Bren : 前は結婚して、名字をセイゴの名前にして、「勝手に取っちゃったかな」とか「でも認めてもらえないんだろうなあ」って思ったりもした。こないだ帰った時は「もう永田だもんね」ってみんなが言ってくれて、嬉しかった。

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- 1年後また、次帰ってくるタイミングで話したいね。今までとは全然違う話が聞けるかもしれない。

Seigo : 僕も全然違うことを発信できそうって気がします。家族との関係もうまくいってなかったから、それでみんなにシェアするのは罪悪感じゃないけど、自分もうまくいってないのにこんなこと発信していいんだろうかって気持ちが、今思うとちょっとはあったかなって思うんです。だけど今だったら100%の自分で発信できるのかなって、思います。

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2年前は結婚についての考えを語ってくれた二人。今回は二人で作りつつある「家族」の話を中心にしてくれたのが印象的でした。

「自分の家族に紹介できたから、やっとみんなに認められてる、認められた家族だなっていう感じがある」
この言葉を口にするまでに、様々な出来事や苦楽を経験してきたであろう二人。歩み寄って学ぼうとする家族の姿勢や、「傷つけるために言ってるわけじゃない」という言葉の背景を知り得た今、やっと認められていることを実感できたのだと知って、「理解すること」と同じくらい「理解しようとする態度」が大切だと教えられました。

今、心に引っかかることがあったとしても、無理に解決を焦る必要はないのかも。それは時間が解決するかもしれないし、しないかもしれない。誰にも未来はわからない中で私たちにできるのは、「今」という時間を、自分が自分を好きでいられるように過ごすことではないでしょうか。Seigoさんのお母さんが「自分が信じた道を進みなさい」と伝え直したように、信じる道を進む自分であり続ければ、大切な誰かがきっとその背中を押してくれる気がします。

少なくとも、私たちREINGはそういった誰かの思いを精一杯まっすぐに受け止め、背中を押す一助であれることを願っています。



Interview : Asuka Otani / Edo Oliver
Writing : Maki Kinoshita
Editing&Photo:Yuri Abo

REINGは「自分との関係性を、大切に築く人」が集まる場をつくっています。好きなものを、自信を持って“好き“と表現できる場所。インタビューでは、自分自身と向き合いながら関係性を紡ぐ人たちの生き方を通じて、自分らしい“好き“を見つけるヒントをお届けしています。

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