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何やっても溝が深まるサロンの改善例

今回はもうほんと、タイトルまんまです。
ですのでスタイリストと経営層がうまくいっているサロンの場合、「俺のサロンはそれでうまくいったけどな」と、以下とはかみ合わない話も出てきます。ただ実際にあったことをぼかしてお話しするだけです。あくまでも参考程度でお願いします。

【ダメな雰囲気は意識の溝から生まれる】
化粧品代理店のセミナーとかメーカーの営業から耳タコだとは思うのですが、「客単価×客数=売上」は売上の基本として教えられます。
例えば店舗売上として技術売上630万+店販65万/月のサロンがあったとします。昔は便利なポスシステムなども高額なものだったため、取り入れてないサロンだとこういった全体的な数字だけで展開を決めてしまうことが良くありました。
そんな感じでサロンが決める施策は以下のようなものでした。

【新規が減ってます】
→新規呼び込み頑張ろう!/紹介カード作ろう!
 新規を月間20名増やそう

【再来率が減ってます】
→リピート率あげるためになるべく次回予約とろう。
 来店したお客様に提案しよう。

【飽きられてます】
→サロン特典考えよう!
 次回予約時にスパプレゼントしよう。

【トリートメント率が5%です】
→トリートメント比率を上げよう!
 価格をOFFして10%目指そう。

【店販はまだ伸びる余地があります】
→セールをして30%店販売上を伸ばそう!

目標値だけ設定されてますが、実際のところ「ただ頑張るぞ!」な施策と思いませんか?これを繰り返して結果が付いてこないと
「またやらされるのか」
「意味がない」
「分かってない」
といった経営者や管理職と、その他大勢との埋められない溝が生まれてきます。溝があるということは意識がバラバラです。

経営陣も退職リスクに怯えながら売上を伸ばしたい、分かってくれない。なぜ売上意識が低いんだ…と落ち込んできます。

ではサロン売上って何で構成されているか、今一度見てみましょう。
売上=
技術売上(各メニューの出ている数量×価格)

店販売上(各商品の出ている数量×価格)

α

Twitter上で視認できる限りはこの+αで既に動いている方も多いです。まず、この売上を構成する中身を頭にいれましょう。
自社のスタイリストの数字構成に統一性があるかがポイントです。

【今までの施策を異業種で客観視】
例えば、こんなアパレルショップをどう思いますか?
「売上が足りない!以下の施策を実行します」
・販売スキルが低い人は安売りOK、スキル改善なく3回目から定価。
・高級店だがBさんが得意なのでワーク系を推す。
・普段売れないバッグを絶対おすすめしろ。
・2,980円につられた客に2,000円の洗剤も売れ
・VIP特典で、個室入れてその分高く売ろう。
・売るスキルがある人もいるが、売れない人に合わせ値下げ。
何かもうやってることがバラバラで、販売員さんの立場だとげんなりですよね。いずれかに近いことやってきてたサロンはいくつも実在します。
上手く廻っていれば、それでいいと思います。お客様もスタイリストも「なぜ?」が解決されているのでしょうね。
色々試してダメになるサロンの特徴は、そのサロンで目指すスタイリストの姿を提示できていないことにあります。
その場合は「あれをやれ」「これをやれ」に疑問符が付いて回りますよね。

【理想のスタイリスト像の提示】
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■コンセプトと直結する理想のスタイリスト像
・他との違いを感じていただくポイントは○○。※髪の艶など
・関連するメニューがなぜ良いかを提案できる。
・関連する商品でホームケアを提案できる。
勧めるメニューには必ず○○の施術を入れる。
効果を感じていただけるメニュー単価から「理想の客単価は9,800円、価値を感じての再来率は80%以上」
■施策も関連付けていく
・新規集客は○○でお悩みの方に相談料0円に
・新規メニューでは確実に良さに気づくもの
・次回予約は○○を理由にし誘導
・スキルの高低差は気にせず、価格は統一
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内容は実際の時とは異なってますので細かいことは無視してくださいね。それよりこうなってくると何を施策にしても目標と目的を関連付けることができ、スタイリストもお客様も納得度が高いと思いませんか?
つまり施策と、スタイリスト以下総員の思考の導線を紐づけてすっきりさせることができているのです。

【理想決定は個々の改善点がより明確に】
さて次に今となっては殆どのサロンではやってることとして次に自社のスタイリスト売上の構成比を分けてみましょう。
昔は便利なポスシステムなども高額なものだったため、取り入れてないサロンだと全体的な数字だけで展開を決めてしまうことがありました。ですが、最近は違いますね?その内訳がどうなっているか以下の通りだったとします。※簡素化のためカラー比率、トリートメント比率などは除きます。

技術売上630万+店販65万/月のサロン個人内訳例
■スタイリスト
・Aさん技術売上200万+店販20万
 新規10% 指名90% 客単価10,000円 客数200
・Bさん技術売上120万+店販40万
 新規30% 指名70% 客単価10,000円 客数120
・Cさん技術売上100万+店販1万
 新規50% 指名50% 客単価 7,000円 客数143
・Dさん技術売上80万+ 店販3万
 新規30% 指名70% 客単価10,000円 客数80
・Cさん技術売上80万+ 店販1万
 新規80% 指名20% 客単価 5,000円 客数160
・Eさん技術売上50万+ 店販0
 新規100% 指名0% 客単価 5,000円 客数100
■アシスタントorレセプション
・Fさん技術売上0+店販0
・Gさん技術売上0+店販0
・Hさん技術売上0+店販0
こうやって見ると個々に抱える課題が明らかに違います。まずこれではっきりするのは「個々のやりやすい方法優先」、つまりサロンコンセプトに向けた目標設定はありません。組織が一体化していない原因はお客様とスタッフの両方に「何を良いと感じてもらうのかが明確ではない」事かな、と感じます。理想のスタイリスト像さえ決まっていれば、どの数字が不足しているかを基準にして目標はシンプルになります。

【改善は信頼関係構築より、まず価値共有】
とはいえ、今まで好き勝手やってきたスタイリストが、溝のできた経営層の提案する新しいコンセプトを受け入れるのは相当に困難です。まるっきり造り変えるつもりがない限りはまずどれぐらい売上がほしいか、どんな技術を提供したいか本人の理想像も把握する必要があります。ハイカラーに強いサロンがやりたくても、合う合わないはあります。合わせることができないこともあります。
7,000円で売ってたのを急に9,800円にできないスタイリストも出てきます。
仲良くなることを目指すのではなく、地道に価値の共有をしていく努力が必要です。
どんな店舗ビジネスでもコントロールできない組織の改善案は通常2つです。1.人を入れ替える、2.ごく少数のためのメニューを無くす、工程を統一するなどです。そうやってめちゃくちゃになったものをコントロールしていくことが多く見受けられます。

上記の改善策で、美容室、エステで業績が向上した店舗があります。とはいえ、辞める方もでましたし楽ではなかった。とだけ付け加えておきます。


実体験をたまーに書きますので、あまりアラートされず負担にならないはずです。サポートして頂けたら髪の毛が一本生えるエコ活動に繋がります。