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老人がeスポーツ嫌いって誰が決めた?

先日、
#1億3000万人のためのeスポーツ入門 』の
発売前イベントにお邪魔しました。
本自体は思ったよりずっと濃い内容で、
中でもRUSH GAMINGの西谷麗氏の
寄稿は個人的に必見レベルでした。

本の内容はぜひ手に取って読んでみてください。
入門書としては完璧だと思われます。
発売日は2019年6月4日。

私イベント内で一つの質問をしたんです。
内容はこれ。

この時大阪からの移動で、イベント始まって
10分くらい遅れてついた関係で
最後尾におりまして、質問で手を挙げても
当たらんだろうなあと思ってたんですが、
お気遣いいただき機会を得ました。

但木氏のアンサーとしては、
世代に限定しないコンテンツ作りは重要
といった趣旨のものをいただき、
回答いただいた中ではやはり西谷氏の
このご回答が一番しっくりきました。

『人としての当たり前を当たり前にこなし、
実績を積み上げれば必ず振り向いてくれる』

なるほど、真っ当で、それでいて本質ですね。
ひたむきな姿はどんな人でも胸を打たれます。
自分の中である種の納得を得た気分でありました。

翻って、当著の寄稿者の一人である謎部えむ氏の
お考えは異なるものでした。
裏打ちのない無責任な発言は絶対にされない
お立場なので、確かにこれも真っ当であります。
謎部えむ氏のお考えはこちらのnoteでご覧
いただけます。

肝心のご意見はまとめるとこのようなものです。
『現在ゲームやeスポーツに関心のない人を
取り込むこと自体が難しいのだ』

まさにおっしゃる通りなんですが、
ちょっと待ってほしいのです。
本当にシニア世代は興味がないんですか?
データとしては以下のものがあります。

統計としては少しクセがありまして、
(全体的に母数が少ない)
(回答層そのものに偏りがある恐れ)
目に見える数字を単純に追っていいもの
ではないですが、それでも一つの指標に
なるかと思われます。

50代60代のポジティブイメージが20%とかなら
絶望したかもしれません。でも倍もいるんですよ。
そもそも上記URLに記載されているeスポーツの
認知度は36%といったところで、つまりジジババは
eスポーツがどういうものかを分かってない。
そして、『興味がない』で言えばほぼすべての
世代で幅広く見られる意見に思われるのですが。

客観資料としてはこういうのもあります。

エビデンスとしてはとことん嫌われる
とぅげったーですが、これは実際に放送された
もので、実際多くの老人養護施設で
こういった筐体が導入されています。
PCは囲碁将棋麻雀はもちろん、
グンペイやテトリスといったパズルゲームも
プレイ可能で、熱中するものがあると
職員の手がかからなくなることもあり、
老人養護施設でのゲーム需要は高まっています。

eスポーツとゲームは確かに別物ですが、
ゲームがeスポーツのゲートウェイになっている
ことは明らかであり、多くの老人は
eスポーツファンとなりうる素質を備えています。

もちろん、無関心から関心への転換を
促すことは非常に多くの苦労があり、
多くの人生の時間を歩み、特に趣味を
追加する必要のない老人の関心を引くのは
並大抵ではないでしょう。
しかし、多くの大企業において決裁権を
持っているのは老人とされる方たちで
あることは確かです。
つまり、経済的発展を望むのであれば
壮年層は避けて通れない道です。
BtoBとBtoCは違うって、
それは正直言い訳です。
Bの構成要素はCです。
eスポーツ関係者も元は一プレイヤーのはずで、
好きだからこそこんな金にならないことを
真剣にやっているはずです。
つまり、お偉方を説得するには巻き込むことです。
古今、スポーツ興行とされるものは
全てこれを攻略法として発展してきました。

それから私、去年大阪商工会の
起業スタートアップ講習会に出まして。
そこで、eスポーツ施設での起業をテーマに
発表しました。そこで「おもしろい」の
感想をいただけたのは、同年代でも
40代のおじさまでもありません。
60代の男性女性、講師の60代の男性2名、
老人養護施設の開設を企画されていた
60代後半のご夫婦は、ゲーミングPCの導入
に非常に高い関心を示されていました。
オタクを標ぼうする30代の男性はピンと
来ないご様子。40代の経営者の方は
見向きもせず、エステ経営を目指す女性に
夢中でした。私の見聞きしてた内容と、
老人がeスポーツに関心がないって、
まるで一致しないんです。

なんだろう?この乖離は。私の周りが
特殊だっただけですか?それかデータが
間違えてる??
原因はおそらく対話不足ではないかと。
データだけ見ていれば確かにご老人は
eスポーツに関心は無いでしょう。
でも、実際はきっちりお話すれば、
しっかり「商売」として考えていることが
伝われば、少なくとも邪険にあしらうことは
無いと思いますよ。

私の業界でもそうですが、
例えば100%子会社のIT部門とかで、
親会社から全部お金降ってくるんで
営業部門置いてないところあるんですよ。
いやいやあかんよ。それは、
『当たり前のこと』ではないです。
合理化に見せかけた怠慢です。
営業の力をなめてはいけない。
営業は、膝を突き合わせてお話するのが
お仕事です。eスポーツが成功するカギは
営業にあり、他興行も全て営業部門が尽力
しているのです。若者相手だったら
営業が必要ないでしょ?ってそんなわけもなく。
ご老人相手ならなおのこと。
大きな企業に営業無しで出資を勝ち取ると?
いやいやいやいや。
意味わかんない事言わないでくださいよ。

別に謎部えむさんを揶揄するつもりはありませんが、
正直『1億3000万人のためのeスポーツ入門』と
標ぼうしておきながら、老人は後回し、なんて、
それをメディアの立場で言うのはいかがかなあ?と。
この論調の方は非常に多いのは知ってますが、
正直これを口にしてしまえば
なお溝ができます。ああ、自分たちには
関係ないんだなと。じゃあ勝手にやってなさい。
となりませんか?確かに老人って怖いです。
すぐ怒るし理屈っぽいし簡単に否定する。
でも、何がそう思わせているのか、
どうして理解してもらえないのか、
そこを、営業的目線で解きほぐしていかんと、
このままだとeスポーツ業界どんどん
しぼんでいく気がしてなりません。


主要ターゲットはとても大事です。
ですが、そこから外れたからとて
門戸を閉ざしては、それはもはや
ファッションと変わりません。
eスポーツはファッションとして
発展させたいんですか?ならもう
私は黙っておきます。
それから多分そのファッション流行らないと
思うので、がんばってください。

私の兄は50代ですが、兄弟のブーイングを
尻目にずっとゲーム機を独占していました。
私の姉は50代ですが、FF7にドはまりし、
RPGツクールでドット打ち込んでFF7キャラ
作ってました。うちの兄は40代ですが、
全然へたくそなのにモンハン夜中まで
ずっとやってました。バーチャストライカーは
私全く勝てなかったです。
私はもうすぐ40代になりますが、30代の後半で
LoLを始め、プロシーンを楽しんで視聴しています。

こっちみろ。仲間はずれにすんな。
つまんねえぞそういうの。

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