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おでガリ♪インド見聞録②ハイデラバードの食と災害対策〜しぜんのかがくep.37(3/15) ぼうさい豆知識〜マグニチュードと震度の違い

024年1月末から2月初めに、インドのハイデラバード(テランガーナ州ハイデラバード県の都市)に行ってきました。今回はそこで感じた①「IT産業都市と伝統文化」②「生活(食など)と災害対策」③「インドの動植物と神話(災害)」などについてお伝えしています。

今回はその2回目。インドの食とインドの災害対策についてお伝えします。

南インドの食

インドの食というとカレーですね!本当に朝昼晩毎食カレーでした。インドカレーというと?日本ではナンとスパイスの効いたカレーですよね。北インドのこってりしたカレーです。
南インドカレーは、北インドカレーと比べると水分が多く、あっさりスープ状なのが大きな特徴です。なぜかというと、気候によるんですね。

インドは南北の端から端まで、約3,214km。「気候」がまったくちがいます。1年を通して暑い南インドに比べ、北インドでは冬期は5~8度も気温が低いのです。そのため、北インドでは脂肪分の多いこってりしたカレーで体を暖め、反対に南インドでは水分の多いあっさりしたカレーで暑さをしのいでいるんですね。
南インドは米(インディカ米)が主食。パンの種類も多く、カレーの種類も様々なので飽きることがありません。

ランチに南インド料理で地元に人気があるchutneysという店に行きました。
平日に行ったのですが、昼は満席。土日は予約がないと入れないそうです。


chutneys店内の南インド料理(南インド ハイデラバード)

南インドのパンなど主食はとても種類が多いんです。

①「プーリ」…小麦粉(全粒粉)を水で練って揚げたもの。油で揚げるときに風船のように膨らむ。
②「ワダ」…ウラドダール(豆:ケツルアズキ、ブラックマッペ※日本ではもやし豆として知られている)を水に浸し、石臼で挽き、ドーナツ状に整形して揚げたもの。スパイスが入ることもある。もっちりして美味しい甘くないドーナツ。
③「イドゥリ」…お米とウラドダールの粉を使ったパン。それぞれの粉を水に浸してペーストにし、発酵させて、専用の蒸し器で蒸したパン。酸味があり朝食によく食べられている。チャツネなどをつけて食べる。
④「ドーサ」…イドゥリ同様にウラドダールと米を水に浸して石臼で挽き、発酵させた生地にフェヌグリーク(豆科のハーブ、香辛料。甘い香りと苦味がある。古代エジプトでも使われていた)を入れたり、チャナダール(ブラックチャナ(黒ひよこ豆)の皮をむいて半分に割った豆)を入れて、クレープ状に薄焼きにしたもの。マッシュポテトのスパイス炒めを入れたマサラドーサが美味しいです。

ドーサ

⑤「ビリヤーニ」…南インドで一番有名な料理。インディカ米(バスマティライス)など長細い香り米を使って作る。粘りはなくパラパラとした食感で肉や野菜の具材を混ぜたりマサラスパイスやミントなどハーブが混ざっているものもあります。特にハイデラバードはスパイスが効いて辛いです。

⑥「チャパティ」…小麦粉(全粒粉)を水で練って焼いたもの。

ヒンドゥー教の考え方だと、左手は不浄の手とされているため、必ず右手で食べます。右手をスプーンのように使います。最近ではスプーンを使って食べる人も多いそうです。
また、バナナの葉の上に乗っているのは意味があります。ヒンドゥー教では他人の唾液を不浄として避けるため、洗って使う食器より、使い捨てのバナナの葉のほうが良いそうです。バナナの葉はツルッとしていて水や油を弾き、適度に凹凸がありカレーを食べるのに好都合です。

南インドのこれらのパンは古代から食べられているもので、チャパティは紀元前4000年前のメソポタミアの時代から食べられているようです。イドゥリも10世紀ごろの古代インド文献にあるようで、昔ながらの食のスタイルが今にもつながっているとは驚きです。

食後はチャイ(紅茶+ミルクティー)が絶品ですね。紅茶はアッサムティー。チャイの茶葉は細かく発酵が深いので香りがありコクがあります。ミルクが合いますね!これらのチャイにはスパイス(カルダモン、シナモン、クローブなど)が入っています。
スイーツは写真にあるような甘いココナッツミルクにフルーツが入ってたものもありますが、先ほどのワダがバジルシード入りのココナッツミルクに入っていたものもありました。

今回インドの方のお家の夕食に招かれ、家庭料理をいただきました。

甘くないバナナですが、小麦粉とスパイスの衣をつけて揚げると一気に甘いスイーツに。
なんとインディカ米も炊ける炊飯器があるとか(日本製)ルパタという植物は茎を残して中身の豆を食べる。

インドの災害対策

インドは、北インドではユーラシア大陸とインドプレートがぶつかったヒマラヤ山脈がありそのプレートの境目のネパールでは地震が起こります(2015年、2023年にはネパール地震がありました)。ネパールに近い場所のインドの首都ニューデリーではその際地震を感じることがあったようですが、大きな被害にはなっていません。南インドはあまり地震がないようです。
ハイデラバードには大規模な洪水が2020年10月にありました(30人死亡)
地震の備えはほぼやっていないそうですが、大切だと思うと話していました。学校では高校で火災時の避難について学ぶそうです。

特に防災の備えはしていないそうですが、インドは水道水の水質が良くないので、自宅には2400リットルの浄水タンクが屋上にありました。これが水の備えになりそうですね。また、太陽光で温水を作る装置もありました。

ニームツリー(祈りの木、神聖の木)がありました。アユールウェーダの薬木です。お釈迦様が瞑想した木。

インドは過去大きな地震災害(2001年インド西部地震,死者2万人以上,インドプレート内陸型地震)もあったため、インド内務省は国として、日本(内閣府)と共同で災害対策を進める取り組みも、2017年9月より継続しているようです。

ぼうさい豆知識~マグニチュードと震度の違い

2024年1月1日能登半島地震の地震の規模は、マグニチュード(M)「7.6」、最大震度は「7」でした。
※M7.3相当の2つの地震が12秒差で発生し、エネルギーが2倍のM7.6になったと京都大防災研究所のチームの解析結果が2月11日に発表されました。

それでは、マグニチュード(M)と震度の違いはなんでしょうか?

1.マグニチュード(M)は、地震の規模を表す大きさの単位です。起こった地震に対し、1つの数字しかありません。
地震は、陸や海のプレートに力が加わり、境目(断層)の岩盤がずれて発生します。地震の強いゆれを観測した地点の範囲が広いほど、地震の規模が大きくなります。この地震の規模を表すのが「マグニチュード」です。

地震の揺れ始めの震源地は点ですが、地震の規模が大きいと震源地は点ではなく面になります。断層の面積や岩盤がずれた面積が広いほどマグニチュードは大きくなります。

東日本大震災はM9クラスの地震でした。破壊断層は長さ400キロ、幅200キロの広範囲で、滑り量は最大約20メートルにも達するそうです。

東日本大震災のM9.0の大きさは1952年のカムチャッカ地震(ソビエト連邦)と同じ。これは、日本国内観測史上最大規模、アメリカ地質調査所(USGS)の情報によれば1900年以降、世界でも4番目の規模の地震だそうです。世界で一番大きなマグニチュードはM9.5。1960年のチリ地震です。チリ地震の際には津波が太平洋を越えて日本にも到達しています。

※カムチャッカ地震では、15 - 18メートル規模の津波が3度にわたり発生しカムチャッカ地方から千島列島にかけての沿岸を襲来。
※チリ地震では、日本にも津波が届いた。地震発生から約22時間半後に最大で6.1mの津波が三陸海岸沿岸を中心に襲来し、141名の死者行方不明者となりました。
※正確には、マグニチュードは2種類あります。気象庁マグニチュード(Mj)とモーメントマグニチュード(Mw)です。Mjの方が地震の波形からすぐに求められるので緊急地震速報などに使われます。Mwは断層の面積と断層の滑り量の積で求められ物理的に意味が明確。巨大地震の規模を求めることが可能です。

2.次に震度について紹介します。携帯の緊急地震速報などで震度4とか震度5とかが届いたのを見たことがいると思います。
「震度」は震源からの距離によって、ゆれの大きさが違います。震源に近いほど大きな震度、震源から離れるほど震度が低くなります。
日本は、震度0から震度7 まで10 階級あり、震度計で観測します。ゆれの大きさによってその感じ方や地震によって起こる被害が違います。
※外国は震源地のみマグニチュードで表現することが多く、正式な震度は表さないことも多い。外国はMM震度階(モディファイド・メルカリ・スケール(改正メルカリ震度階)として、12階級が多い。体感と被害の状況で決定)
震度ゼロは人が感じないくらい(地震計では観測可能)。震度1~3は揺れを感じる程度。震度4からものが落ちたり倒れたりして、人の周りに影響が出てくる。震度6以上7になると立っていられなくなり建物が倒壊する可能性があるほど大きな揺れになり被害も大きくなります。

どのように震度は観測しているのか?は次のぼうさい豆知識で紹介しますね。

⭐️Podcast本編はこちら↓宜しければお聴きください♪
神田沙織 がりれでぃ スピンオフ
ナチュラル・サイエンス・ラボ
しぜんのかがく




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