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バズりましてからの学び

バズりました!!!
記事をアップしてから約10日間、通知が止まらない日々でした。4月22日現在で15万PV。すごかったー!!

バズったのはこちらの記事。私なりにマスク以外の補償を調べてまとめた記事です。

ありがたいことに、本当にたくさんの方がシェアしてくださって、たくさんのコメントを寄せてくださいました。
そのコメントから学ばせてもらったこともとても多く、その学びが面白い日々でもありました。なので、たくさんの方々の反応とそこからの学びをご紹介します。

わかりやすい。読みやすい。

一番多かったコメントはこちら。
表も絵も概念図も何もない、ただの文章、しかも結構な分量なのに、わかりやすいというコメントがとても多かったことに、実はとても驚いています。

この「わかりやすい」というのは何なんだろう?と。
不思議に思って私の師匠にこの話をしてみたところ、「わかりやすさには2種類あるんだよ」とのこと。
一つは「難しいことは知らなくていいから、これだけ知ってて」と渡される情報のわかりやすさと、もう一つが「事実そのままを、中学生以下でもわかる言葉で伝えた」情報のわかりやすさと。

私、この前者のわかりやすさ、大嫌いです。
あなたには判断する力がないから、と言われている感じがして、主体を奪われているような感覚を覚えます。「わかりやすく伝えることで判断できるのになぁ」ということは、社会の子どもへの接し方にも通じる部分があり、もっとどうにかできないのかなと強く感じているところでもあったります。
なので、できるだけ後者のわかりやすさを目指しているというところはあるのかなと思います。

そういえば、池上彰さんが「わかりやすさの罠」という本を出してるとか。まだ読んでいませんが、読んでみたいなと思います。
https://www.amazon.co.jp/dp/4087210669

これだけ社会の情報化が進んだ今、「難しいことは知らなくていいから~~」というのはもう成立しないんじゃないかと思います。
かと言って、情弱という言葉も好きではない。なので、今回そこの懸け橋になることができていたのであれば、嬉しい限りだなと思っています。

申請するのがしんどいわ!

ここについては、一律給付金が決定しても感じています。
そして、本当にたくさんの方が共感してくださって、さらには「とはいえ、日本は申請主義だからなぁ」とコメントしてくださった方も複数いらっしゃって、申請主義という言葉があるんだということを始めて知りました。

申請主義とは、「行政サービスを受けるためには、自主的に申請する必要がある」ということを指す言葉で、対極にある言葉としては、職権主義「職務権限によって、強制的に執行する」というものがあるようです。
今回の補償で言うと、マスクと子育て世帯への臨時特別給付金(児童手当への上乗せ)が職権主義による給付で、それ以外は全て申請主義による給付となっています。

※申請主義の課題については、こちらの記事がわかりやすかったです。
https://outreacher.ova-japan.org/registration-upon-application-1/
https://note.com/wish0517/n/n291757213be9

また、今回予算案の組み替えの原因となった、生活支援臨時給付金(困窮世帯に30万円給付)については、福祉のパラドックスという現象もあてはまります。
福祉のパラドックスとは、「本当に困っている人だけを助けようとすると、結果的に本当に困っている人を救えなくなる」という現象をさす言葉です。
生活保護等でこの矛盾が指摘されることもあるようですが、まだまだ広く知られる概念ではなく、こちらも申請主義と並んで福祉の課題として挙げられているようです。

そんな中、千葉市は事業者向けに給付金申請の支援を、市として行うことを発表しました。
https://www.city.chiba.jp/keizainosei/keizai/kikaku/covid19-jigyousya_madoguchi.html

申請主義だけでは救えない人をどう救うのか。単に情報の周知徹底だけではなく、こういった一歩踏み込んだ支援も、今後求められていくんだと感じています。
そして、そういった申請手続きをサポートする専門職(社会福祉士・行政書士・中小企業診断士等)につながりやすい社会になっていく必要性も感じさせられます。

貸すのかよ!いや、貸すだろ!

私は、これまでわりと小規模の会社勤めや自営の経験しかなく、ものすごい大きな額を扱ったことはないので、ここの感覚はあまりわからないところではあるのですが、特に事業者支援としては、貸す仕組みの方が、本当に必要な額を渡せるという利点があるようです。

例えば、今回中小事業主に一律給付となった事業化給付金は、売上が半減する月があれば100万円もしくは200万円上限で給付されますが、それでは全く足りない事業体もたくさんあるわけです。
ただ、そういった事業体を全て救う一律給付額というのは存在しないわけで、支援の額の幅を持たせるには貸付の方がいいんだという意見もいただきました。

また、事業体というもの自体が、元手を活かして利益を生みだしながら社会活動を行うものである以上、貸付という前提に立つのが基本なのではないかという意見もありました。

とはいえ、これはどちらかというと余裕のある事業体の考え方であって、日々自転車操業でなんとか回している事業体において、今回のような突然の休業要請といったものにどういった補償がふさわしいのか、というのはこれからも考えていかないといけないのかもしれません。

自粛要請と給付の関係性

今回、なぜ私がこういったまとめを作成したかというと、もちろん私の頭の中の整理というのが大きかったのですが、もっと正直なところは「補償もなけりゃ自粛もできなくね?」と思ったのも大きいです。

自粛要請という謎の言葉が当然のように使われていますが、自粛って本来は自ら行うことなわけで、自ら外出自粛したくなるような施策がとられることが何より大切だと思っています。
それには、危機感を煽るのももちろん大切ですが、やはり給付。多くの人はお金の事情で自粛ができないというのが実情だと思います。

うちの夫は、給付金の話を聞いて、「それって売上をわざと減らして給付もらおうとする人いるんじゃない?」と言ってたけれど、多分それをズルとは呼ばないんじゃないかなぁと。売上減らすために仕事を減らす=自粛するとなり、それが本来の自粛要請なんじゃないかなぁと思ったりしています。

「コロナで生活がしんどいならお金をあげるよ」ではなく、「お金は補償するから家にいてください」というのが、国民の総意であり税金の正しい使われ方だとするなら、こういった緊急事態下において政府のあり方ってどういうものなんだろう。そこも改めて考えさせられています。

緊急事態と「個人」と独裁政治

そして、こちらは数はあまり多くはなかったのですが、「申請がしんどい・手続きが遅いっていうけど、マイナンバーカード拒否したのは野党やん」というようなコメントも、ありました。

マイナンバーカードについては、「個人情報を国に預けることになり、監視社会になる」という視点から、野党が猛烈に反対をして、現在も普及率が14%と言われています。
「マイナンバーカードがもっと普及していたら、もっと早急に給付できるのに」というのは、マイナンバーカードを普及したい政府側の主張ではありますが、実際問題としてそういった面はなくはないんだろうとも思います。

ただ、私たちが求める社会は、強制力を持った強い政府が治める社会なのか、個人の自由が尊重される社会なのか、そして緊急事態下においてどのような社会がいいのか、改めて考えてないといけないなぁとも思っています。

自民党は、ここにきて憲法の中に「緊急事態条項」を入れる改憲案をまたチラつかせています。この緊急事態条項は、緊急事態宣言とはまったく別の話で、緊急事態下における独裁政治が容認されてしまうという可能性を指摘されており、単純に「やっぱ緊急事態には備えておかないとね!」と言えるようなものでもないなぁとも思っています。
(ちなみにこの緊急事態条項の緊急事態は、疫病等に関わらず震災、テロ、他国からの武力攻撃といったものも含まれます)

これまでの政治の場面で行われてきている与野党間の交渉が、緊急事態下において、実感を伴うものとして私たちの目の前の問題として表れてきているように感じます。そこに対してどう考えていくのか。
もっと自分なりに考えていかないといけないなぁと感じています。

ツッコミに癒される

そういえば、このコメントもたくさんいただきました。
ありがたい限りです。本当に、私のつぶやきにたくさん共感してもらって、私の方も癒されました。正直、その快感がたまらず、エゴサが止まりませんでした(笑)
さらにありがたいことには、「ツッコミが核心をついている。秀逸!」というコメントも複数いただきました。

そして、今回おもしろいなと思ったのが、同じ記事を読んで、
「ほら、国も頑張ってるよ!マスクだけじゃないよ!」
「ほら、こんなに国の補償は問題だらけでしょ!」

という両方の反応があったことです。

私としては、この両方の気持ちがわかります。
記事を作成した4月3日の時点でも、補償されていたのはマスクだけじゃなかったし、本当に苦しい人を救済したいという意図は感じられました。申請主義に阻まれてしまっているところはあったけれど、苦しい人を支えるための仕事を日々行ってる行政の職員の方々が、苦労して施策をまとめているんだろうということも、充分に想像ができる感じではありました。
一方で、私の頭に浮かぶいろんな友人たちが、これで本当に救われるのかということには疑問しかなかった。ブラック企業で働く友人、とにかく書類を作成できない友人、事情はなんであれ水商売で働く友人、フリーランスでパツパツの日々に追われる友人、確定申告できないようなお金で生活している友人、非正規雇用で働き続ける友人、そういった一人一人の顔を思い浮かべると、彼らは本当に明日もわからない状況に追い詰められていて、そういった彼らの声を代弁するような「誰かを責める言葉」が、ネット上にはあふれかえっていました。

政権批判も大切だと思うし、こういう時だからしっかりと声を挙げていくことの大切さもわかります。私もあげられる声はあげていきたい。
でも、それ以上にまずは現状をちゃんと知ることから始めたいと思っていたし、そのためにはこの誰かを「責めたい」という感情を置いておかないと、冷静に知ることはできない。かといって、この「責めたい」という気持ちをなかったものとして、制度だけを理解しようと思っても、本質に触れることはできない。
そんな私の気持ちが、「というツッコミはさておき」になったんだと思います。

ま、今でも、日々更新される情報にツッコミは止まらないんですが。

メディアの役割

最後に一つだけ。
「これこそが、メディアが伝えるべき情報だ!」というコメントをくれた方もたくさんいて、ありがたいなと思う一方で、私の第一情報入手先は、ほとんどそのメディアだったりもします。しかも、調べていくと、一歩踏み込んで知りたい情報もちゃんと取材してまとめてくれていたりする。それらをもとに、最終的に原典にあたって確認するというやり方がほとんどです。

ただ、そういう真面目な記事はバズらない。おもしろくないわけです。なので、広まらない。
実際、アベノマスクが海外の補償と比較されているようなおもしろい記事は私もついついクリックしてしまうし、そういった極端なわかりやすい敵がいる記事は、ついつい心の支えにしたくなってしまいます。
ついメディアが腐ってるなんて言ってしまうけれど、私たちがそういった腐った情報を求めているのも事実なわけだよなーと、自戒含めて思わされます。

私自身、東日本大震災以降、ガセネタへの対応力は大分鍛えられました。そして、今回も同じ学びを得ている感じでもあります。
必ず情報の原典にあたる、一歩引いて冷静に考えてみる、自分の中心の声を聞く。そして、とにかく不安に煽られない。必要以上に疑わない。その上で、適切に気を付ける。
そういったことが大切だな~と、改めてとても感じています。

まとめ

というわけで、本当にたくさんの人に読んでいただき、たくさんのコメントをいただきました!
日々更新されていくPV数に、わけがわからなくなり、「バズる 基準」と検索してみたり、家族に「バズった!バズった!!!」と大騒ぎしたり、私的には大変なお祭り状態でした(笑)

最初は知り合いベースで広がっていたものが、あるところから誰の知り合いなのかがさっぱりわからない方のシェアがポツポツと現れ、その後まったく知り合いでもない方が記事を紹介してくれているツイートが1000RTを超えてバズっていて、これこそが経路不明!大規模クラスター!オーバーシュートだ!!と、新型コロナになぞらえて爆発的増殖を体感した日々でもありました。

ですが、その中でたくさんの方がコメントつけて紹介してくださっていて、それが学びにつながりまくっていて、本当に楽しい日々でした。

そして、ということは、まだまだ続くコロナの日々からも、きっとたくさん学べることがたくさんあるんだろうなと思えるようにもなり、そのことが何よりもありがたく思っていたりします。

改めて。様々なSNSでシェアをしてくださった方々、スキ!を押してくださった方、なんならサポートまでしてくださった方、そして何よりも読んでくださった延べ15万人の方々、本当にありがとうございました!

そして、まだ地味に更新を続けているので、よかったらぜひ再度読んでください!

◆マスク以外に何が補償されるのか調べてみた
https://note.com/reiko_222/n/nafa89ae5e455

子どもの学びも止めたくないけど、大人の学びも止めないぞ!

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