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俺の聖書



将来の自分と現代に生きる全ての人達へ


『頭の大きな小人さん』
芸術と人生 Ⅱ  より





【目次】


プロローグ


俺の聖書 Ⅰ

初恋ブルース
人が生きていくということ
天命
喪失を超えて
人の美醜を考える
猫の視点で見てみると
集団ゆでガエル
戦う勇気と逃げる勇気
夢を叶えるために
人生は悲劇か、それとも喜劇か
親子の鎖
ZERO Gravity


俺の聖書 Ⅱ

陽の光と雨の日に歌う歌
人を許すために必要なこと
有意義と無意味の境目
君っていい人?
芸術と人生 Ⅰ
難しい愛情論
大人は喧嘩しないって思っていたのに
周りの人と自分が違うことに気が付いたら
憂鬱退屈夢うつつ


俺の聖書 Ⅲ

嵐の下、青空を目指す
零戦を見たあの日
幸せに必要なもの
芸術と人生 Ⅱ
夢を失ったときにじっくり考えること
反芻世界がぐるぐるまわる
二十二世紀へ向けて


エピローグ



この記事は、下記の「俺の聖書」という書籍のプロローグ部分です。



プロローグ


「俺の聖書」を手に取って頂き、ありがとうございます。

この本は冒頭にもありますように、著者である私から、将来の自分と現代に生きる全ての人達へ宛てられた本になります。

  いわゆる、マイバイブルというものです。

 いきなり読み始める前に、この本がどういう内容なのかを先に理解しておいた方が読みやすいと思うので、軽く説明します。



・俺の聖書の内容について


現代は「こころの時代」と表現されることが多くなっています。

「多様性の時代」「高度文明社会」「人生百年時代」といろいろな特徴を現代の社会は持っていますが、まとめると、物質的な豊かさは担保されており、自分の人生の選択は比較的多く取れて、長く生きることができる、そういう時代だと思います。

生きることそのものには問題がなくなり、「どう生きるのか」という問題に直面していることが、現代に生きる人達の最大の特徴だと思います。

世界中を見ると、まだまだ命の危険がそこら中に転がっている危険な地域はありますが、比較的多くの人達が豊かな暮らしを送ることができるようになっていると思います。


ただ、私は凄く疑問に思っていることがあるのです。

文明が発展していって、治せる病気の数も増えて、食事も安定して食べることができるようになって、長く健康に生きていくことができるようになっているのになぜ、自ら死を選んだり、死を選ぶほど追い詰められる人達がいたりするのか。

文明は発展していっているのに、自殺をする人が増えていたり、精神疾患に罹る人が多くなっていたりすることにとてつもない疑問を感じてしまうのです。

人が人を殺めてしまうこともある。

本当に、絶望を通り越して力が入らなくなってしまいます。


人間はもともとご飯を食べて栄養を摂取し、安全な場所で眠り、子孫を増やしていくという、本能にプログラムされた通りに動く単なる生物であったはずです。

しかし、人は知恵を手に入れて高度な生活ができるようになりました。

要するに、生きるために生きるのではなく、何か別の目的のために生きることができるようになったということです。

しかし、そうやって生活を豊かにするために自らが築き上げてきた文明社会に押しつぶされて、本来健全であるはずの生きるという選択肢を捨て、自殺する人が出てきている。

そして、その数が年々増えていっている。

僕は疑問で仕方がないのです。

「どうしてこんなことが起こってしまうのか?」「人間は結局何がしたいの?」と考え出すと止まらなくなります。


人はお互いに自分の得意なことで人に貢献して、その対価としてお金を得ています。

お互いに貢献しあってお金をやり取りし、社会を回します。

その渦の中で、人類は少しずつ発展し、今日の文明を築いてきたのです。

ただ、発展したはずなのに、その副作用からなのか、地獄に堕ちてしまう人達が出てきています。結局、人はどこへ向かっているのでしょうか?


その強烈な問いに答えるために、「俺の聖書」の内容は、今日の社会や人生についてなど、私が疑問に思ったことについて徹底的に考え抜こうとして、書かれたものになっています。


明るいことも沢山書きましたし、暗いことも沢山書きました。

それは、僕が社会や人生について思ったことをそのまま言語化したからです。

変に無理やりポジティブなことを書いたり、自分の中にあるネガティブな考えを隠そうとすることなく、ありのままで文章を書くということに臨んだつもりです。

本当に深く自分の人生や、社会や人について向き合ったときにお綺麗なことだけが浮かんでくるはずがないと思います。

この本の中には、自分が葛藤していたこと、社会に対して不満に思うこと、疑うべき常識に対する自分なりの意見、こうすれば幸せに生きることが出来る、こうすれば楽しいことが増えるといった自分なりの経験や知識に基づいた話が約三十個入っています。

重たい内容も多いですが、中には息抜きのほっこりしたストーリーもあります。「生きづらい」と悩む人達に向けた現代版聖書、自分と皆の生きる経典になればいいなと思って書いています。




それぞれの文章は独立しているので、目次を見たうえで好きなように読み進めて頂いて構いませんし、全てを読む必要もないと思います。


それでは、「俺の聖書」の始まりです。




下記のマガジンにて、「俺の聖書」に収録されている文章を部分的に無料で読めますので、購入される前に少し覗いてみてください!

全て無料で読める記事も沢山あります👌



※おまけ

・どうして書き始めたのか


私はこの本の制作に取り組み始めたとき、大きな危機に直面していました。

自分の人生のことを考えたときに、どこに向かって進んでいけばいいのか、何を目指して生きていけばいいのか分からなくなったのです。

どういういきさつで本を書き始めたのかと言うと、事の発端は、私が大学に体が入らなくなったことがきっかけです。

大学でのモラトリアム期間で自分がどのような人生を歩むのか真剣に考えれば考えるほど、深い沼のようなものに飲み込まれていく感覚がしました。

全ての物事が無駄に思えて、何もかもを放り投げてしまいそうになっていました。

自分が通っている大学に体が入らなくなり、やるべきことをしようとすると、胸の内側に真空空間ができたように、胸をぎゅっと締め付けられるような感覚がしました。

そしてついに、文字が読めなくなったり、全ての物事をネガティブに捉えるようになったりと、抑うつ症状まで出始めました。

なので、一旦あらゆるものを放り出して、あらゆるものから逃げて、次に何をしようかとじたばたともがきながら探しました。

そんな暗闇の中、何をしようかと考えた中で、「そうだ、本を書いてみよう」と思いました。


私は昔、今回と同じように自分の人生に希望を持てなくなったことが一度だけあります。

そのときに、一冊の本に救われた経験があったので、「自分もやってみよう」と思ったのです。

それに、自分の好きなアーティストが出版しているエッセイ集を読んで、「これ、俺もやってみたいかも」と思ったのも一つのきっかけです。

何かを表現したい、という青年期特有なのか分かりませんが、元からそういう欲求が強くあったので、すんなりと取り組み始めることができました。

本を書き始めた詳しい理由や、最終的に何を目指しているのかについては「夢を叶えるために」という文章で書いているのでこれ以上詳しくは説明しませんが、とにかく自分の人生お先真っ暗になったときに、唯一やってみようかなと思ったのが「本を書く」ということだったのです。





私は、将来やりたいことを考えるときに、その職業のやっていることの本質を考えます。

「結局この仕事は何をしているのだろう?」ということを深く考えるんです。

私は自分がやりたいことを成し遂げるためには無数のやり方があると思っています。

例えば、「カウンセラーになりたい」と思っている人のやりたいことの本質が「傷ついた人の心を癒したい」というものであれば、カウンセラー以外にも沢山方法があると思います。


例えば、作家になって人の傷ついた心を癒すような物語を書いたり、有名になって自分が励まされた作品や考え方について発信したり、もちろんカウンセラーになって沢山の人の治療に当たったりと、自分がやりたいことの本質を捉えていればやり方はいくらでもあると思うのです。

もっと身近に言えば、辛そうにしている人がいたら声をかけるようにするとか、職業ではなくても、生き方として日々の生活に取り入れることもできます。

私はカウンセラーの先生に凄くお世話になったことがあるので、決してカウンセラーの先生を卑下しているわけではありませんが、カウンセラーになっても、救える人の数に上限があると思います。その点、作家になって傷ついた人の心を癒すような物語を書くという方法は、カウンセラーになって長期に渡って直接カウンセリングするよりはその人に与える影響は薄くなってしまいますが、その代わりに影響を与えられる人の数や範囲はかなり広くなると思います。

文字にして残しておけば、それが価値あるものであった場合、時代も超えて人にポジティブな影響を与え続けることができると思うのです。


要するに、将来自分が何をしたいのかを考えるときは、自分のやりたいことの本質を分かったうえで、一番自分がやりやすい方法や、結果が出やすい方法、やっていて楽しい方法でアプローチすればいいと思うのです。

もちろん自分の将来やりたいことがお金を稼ぐことだけで、それ以外に特にこだわりが無いなら、自分の特技の中から一番稼げそうな仕事を探してやればいいと思います。





まぁこうして、お先真っ暗になっていた中で、自分なりに前に進むために、自分がやりたいことの本質を捉え、自分が思いつく限りの選択肢を出し、それらを自分の中で自然淘汰させていって、最終的に残ったものが「本を書く」という作業だったのです。


大学に行けなくなった当初は、自分が社会のレールから外れていく感覚がして気が狂いそうになっていました。しかし、本を書き始める頃には療養の甲斐もあってかそういった恐怖心も麻痺してきていました。

なので、一時的にゆっくり大学へ復帰しようとしていたものの、大学と並行で進めていた本制作に熱が入って来たので、改めて積極的に大学を休んで本を書くことにしました。


二十歳になって成人する前に、自分の人生のバイブルになるようなものを作れたらいいなと思って作り始め、自分の中にあるものをすべて吐き出すつもりで書きました。

 自分の人生に、軸が欲しかった。

突き通すべき筋みたいなものが欲しかったのです。いざというときに、帰ってくる場所が、欲しかったのです。

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