見出し画像

“#しょこたんを応援しよう”を継続していこう

9月8日にタレントの中川翔子さんはツイッターでこう発信した。
「もう、常軌を逸した誹謗中傷、命の危険を感じさせる書き込みには、警察に相談してしかるべき対処をしていこうと思います。 何書いてもいいわけじゃない、 調子に乗ると大変なことになると理解してほしい。」
「被害者が泣き寝入り、加害者に甘かったりなにもなく、という例がありすぎると思う。世の中。 そんなことにならないために 抑止のためにも 警察に相談します。 そして書いた心あたりあるならもう遅いです。」
「匿名だと思って大丈夫だと思ってやってるんだと思うけれど。 そんなことはありませんからね。 なにかあってからでは遅い。」

中川さんは「自殺しろ」、「硫酸をかけてやる」といった誹謗中傷や殺害予告とも取れる脅迫を受けていたらしく、そのことを警察に相談する決意をしたことを報告していたのだ。

この時“#しょこたんを応援しよう”というタグを作ったのがお笑い芸人のスマイリーキクチさんだった。
タグと同時にキクチさんはこうツイートしている。

皆さんもご存じの通り、キクチさんはかつてネット上で殺人犯に仕立て上げられ、誹謗中傷の被害に遭っていた。
日本テレビ系の『ザ!世界仰天ニュース』という番組で彼が被害に遭った中傷事件のことが特集されたことがあったのだが、番組によると当初は彼が警察に自身が受けている被害のことを相談しても「有名税」と言われたり「削除依頼をしていただければ……」というくらいの対応しかしてもらえなかったのだそうだ。
しかしその後、真摯にこの事件に向き合おうとしてくれる警察官が現れ、「まずは(キクチさんのブログに)こう書きましょう。“これ以上中傷が続くようでしたら警察に相談します”と」と、アドバイスしたのだそうだ。
そしてその警告を無視して尚もキクチさんへの誹謗中傷を続けた加害者を警察はより悪質と判断し、逮捕したのだそうだ。
しかし残念ながらその後キクチさんに謝った加害者はいなかったという。

キクチさんが“#しょこたんを応援しよう”のタグを作った背景には恐らくそういった自身の経験もあったのだろう。

僕はこのタグを見た時、すぐに拡散しようと考えた。
その理由として、以下のようなことが挙げられる。

テレビのワイドショーの類いもそうだが、SNSでも正義の暴走が煽られることはしばしばある。
とあるハラスメント根絶運動ではハイヒールを履くことを強要することが問題なのにハイヒール自体が悪いかのような言い方をする人がいたようだし、ある市でセクハラの被害にあったと訴えた市議へのリコールが成立し、セクハラが実際にあったのかどうかの調査が終了する前だったにも関わらず市議が失職した際にはリコールとは無関係な市民を含む多くの人に迷惑をかけることが明らかなタグがツイッターで拡散されていた。
また、割と最近ある政治家の無礼行為があった際にも被害者の意思を無視した正義の暴走があったようだ。この政治家は無礼行為以前にも問題を起こしていたこともあったためか、被害者の意思を尊重するよりも政治家に対する憤りの方が先走ってしまったのかもしれない。まずは被害者の気持ちを尊重するということを大切にしなければならないから、僕はこの例に関して自戒の念を込めておこうと思う。

逆に被害者の泣き寝入りを「大人の対応」、誹謗中傷に対するブロックや違反報告、法的措置を取る行為を「大人げない」、「余裕がない」等と言ってしまうようなコメンテーターやSNSの利用者を見かけることもしばしばだ。
到底被害者の意思に寄り添っているとは思えないし、果たして他意や悪意がないのかどうか怪しいものだ。

キクチさんが作った“#しょこたんを応援しよう”のタグの拡散であればあくまでも今回の被害者である中川翔子さんの意思を尊重して応援しようという姿勢でいられる人が多いだろうし、自身の正義を暴走させてしまう人が出る危険性も低いと思ったのだ。

その後、警視庁が中川さんに誹謗中傷をした男を書類送検したという記事が出た際には中川さんは「ため息しか出ない」とツイートしていたのだが……

その後中川さんにとって泣き面に蜂とも言えるような出来事があったようだ。

ツイッターのシステムに問題があることは否めないが、ツイッターの利用者である僕等1人1人もこういった形で人を傷つけてしまわないように気を付けなければならない。いつかの事件で報道関係者に「被害者をこれ以上傷つけるな」というような批判をしておきながら自分達もまた犯罪被害者の傷口に塩を塗るようなことをしていてはお話にならないからだ。

また、誹謗中傷に関して中川さんに原因があるかのような発言をして更なる誹謗中傷を煽ろうとする者もネット上にはいるようだ。
以前タレントの春名風花さんが「いじめはされる方に原因があるから起きるわけじゃない。いじめをする方がいじめを正当化するためにいじめられる側の原因を見出そうとするから起きる」(……だったと思うけど違ったらごめんなさい!)と言っていたことがあるのだがまさにそれだった。

ちなみに春名さん自身もそういった手口の誹謗中傷の被害にあったことがあり、加害者は「バカ娘」だの「干されろ」だのと誹謗中傷を繰り返して他者のツイートもヘイトのために悪用しており、こちらが注意してもやめようとせずに結局アカウントが凍結されて自分がツイッターから干されたという笑えないオチを披露していた。

中川さんへの誹謗中傷を正当化しようとする者は恐らくSNSの利用者の全体数からすれば極僅かだろうとは思う。
この手の連中は明らかにおかしいことを言っているし、数は少ないようなのだが悪目立ちすることによって被害者の炎上を煽るようだ。
それを防ぐためには僕等1人1人の注意が必要だ。
以前の記事で書いた通り、ツイッターやSNS上で何かがあったとき、対応の仕方をミスれば僕等“1人1人が加害者となり得る”のだ。

ツイッターだと違反報告することによって対応してもらえることもあるため、僕は極力違反報告はするようにしている。
ツイッターで違反報告した時のメリットとして、対応してもらえた時はどういった違反に当てはまるから対応したのかを書いて頂けることがあるのだ。
トップの画像がそれだ。
これは非常にありがたい。
それを見れば主にどんなツイートを違反報告すればいいかが分かるし、何よりも自分がそういったマナー違反をしないように気を付けようと自戒の念を持つことが出来るからだ。
そして間もなく行われる衆院選で確実に投票に行き、SNSの無法地帯化を改善しようとする候補者に投票したい。
もちろんそれだけでは十分ではないだろうから他にも出来ることはないか考えておきたい。

そしてこれも重要なことだが、あくまでも今回の被害者は中川翔子さんだ。
第3者に過ぎない僕等はこちらの記事で書いたように加害者に対する私刑はしないように自重し、やり直す機会を奪わないようにすること、そして批判するにしてもやり直すことを手伝うための建設的な批判をすることを心がけておかなければならない。

中川さんは今回の事件に関して自身の気持ちをこう綴っており、容疑者が特定されたことにひとまず安心したようだ。

”誹謗中傷自体を無くしたい”
“今後の抑止になればと心から願っています”

中川さんのこの思いに応えるため、僕等1人1人が加害者となってしまうことがないように、僕はこれからも“#しょこたんを応援しよう”を継続していきたいと思う。

最後に、被害者に寄り添い被害者の意思を尊重して応援する“#しょこたんを応援しよう”のタグを考えて下さったスマイリーキクチさんに心から感謝したい。

追記

一部URLを貼れていなかった箇所がありましたので修正しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?