年間休日数が増えたら……

僕は年間休日数105日の職場で仕事をしているので、「120日に増えればなあ」と思うことは多々ある。……ということを前回の記事で書かせて頂いているのだが……

場合によっては「やっぱり105日でいいです」と言わざるを得なくなるかも知れない。
 
その理由を話す前にまず前回の記事でも触れた『幸せのちから』でウィル・スミスが演じたクリス・ガードナーがやっていたことを振り返ってみよう。
 
彼は証券会社の養成コースで半年間研修を受けていた際、保育園に息子さんを迎えに行くために他の研修生が18時までに終わらせている仕事を16時までに終わらせて帰っていた。すなわち彼は他の研修生と同じ時間に出社して他の研修生よりも早く帰ってはいたが、勤務時間が違ってもこなした仕事量は他の研修生と変わらなかったのだ。
 
映画だと研修期間中は無給だった(←いくら研修期間中とはいえブラックすぐる……)ということが明かされているのだが、もし研修生にも給料が支払われるシステムだったとしたらどうだろう?
 
他の研修生と同じ時間に出社して他の研修生よりも早く帰ってはいたが、勤務時間が違ってもこなした仕事量は他の研修生と変わらなかったクリス・ガードナーに支払われる給料は他の社員と同じになるというシステムなら、彼のように保育園に子どもを迎えに行かなければならない人も安心して研修を受ける、あるいは研修生ではなく正社員なら勤務することが出来るかも知れない。(←ただし、クリス・ガードナーはトイレに行く時間が勿体ないのでトイレを我慢するために水を飲まないという無茶をやっていたようだから、それは真似しないように)
 
しかし、そういったシステム(出来高制?)が取り入れられていない、あるいは取り入れることが困難な職業であった場合は基本的に勤務時間によって決まった額の給料が支払われることになるだろう。(例えば時刻表のある電車やバスの運転手さんや工場が稼働している間機械を動かす役割の人なんかだと、そうなるはずだ。)
 
そういったこともあってか、日本だと最低賃金は時給で定められている。
 
よく「ここまで上げるべきじゃないか?」と言われるのが時給1500円だから、これを元に年給、月給を算出してみよう。
 
1日8時間勤務で年間休日数が105日で時給1500円の企業で働いた場合の年収は1500×8×260=312万円ということになる。(←ただしそれは基本給だから手取りになると300万円に達しない可能性が高い)
 
そして月給は312万÷12=26万円。(こちらも手取りは21~22万くらいまで下がる可能性が高いだろう。1500円は決して高い時給ではないということがお分かり頂けるのではないだろうか?)
 
では、年間休日数が増えるとどうなるだろうか?
 
年間休日数を120日に増やしたと仮定して考えてみると年収は1500×8×245=294万円、月収は294万÷12=24万5000円だ。(手取りはそれより低いであろうことは言うまでもない)
 
従って年間休日数が120日に増えれば年収は18万円、月収は1万5000円くらい下がるということになる。
 
……「年間休日数が増えればなあ」と思うことは多々ある一方で、もらえる給料が下がるのは痛いので「年間休日数は増えなくていいです」とならざるを得ない。
 
皆さんもそう思うことはあるのではないだろうか?
 
ちなみに僕の月収から算出される時給は1500円には遠く及ばない。何せ、最低賃金が低いために愛知の不正リコールが行われた場所を提供することになってしまった佐賀県に住む労働者なもんでね(汗)

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