年間休日数は何日欲しい?

どうやら30日あったら「いいなあ」という人がいるようだ。
 
え?だってそれまで年中無休だったバイリンガールちかさんが2016年に1ヶ月活動を休止したら「YouTuberはいいよなあ」なんて言ってたよね?……ってことは年間休日数が30日の人が羨ましいってことじゃないの?
 
……いきなり嫌な言い方になってしまって申し訳ないが、これはきちんと理解しておかなければならないことだ。
 
2014年の3月末にNHKの『人生デザイン U-29』という番組でYouTuber(オンライン動画クリエイター)としてちかさんの特集が組まれていたから知っている方も多いとは思うのだが、YouTubeを本業としてから間もない当時のちかさんは8時間労働どころか1日の時間の大半を動画の撮影や編集という労働のために当てておられた。
 
そしてこちらの『YouTubeお休みのお知らせ / Taking a break』の動画が投稿されたのが2016年の9月4日で、その中でちかさんは「YouTubeを始めてから5年経つんですけど、本業としてやってから3年。この3年間動画をUPしていない週は殆どなくて、最近は週3本とか結構いろいろとシェアしていたんですけれど……(It’s been 5 years since I started YouTube. 3 years since I’ve started doing it full time, and these past 3 years I don’t think these’s been a week that I didn’t upload a video. Lately, I’ve been uploading about 3 times a week sharing lots of things with you,)」と語っておられるため、ちかさんは2年間コンサルタントの仕事とYouTubeの二刀流をやって3年間YouTubeを休まず、そしてやっと1ヶ月休むことになったということがお分かり頂けるのではないだろうか?

 だからちかさんが1ヶ月休んだことに対して「いいよなあ」なんて言うのなら、年間休日数30日どころか下手をすれば5年間で休日が30日の仕事をやることが羨ましいということになるのだ。
 
自分で休む日を決められることに対して「いいよなあ」と言っているのだと仮定してもそれは自営業の人なら当てはまることだし、自分で休む日を決めて休んだ場合はちかさんが言われていたように「1ヶ月経って忘れられたらどうしよう?」というリスクも出るわけだ。
 
さらに言えば6ヶ月以上勤務している会社員には「10日経って忘れられたらどうしよう?」というリスクなく自分で休む日を決められる有給休暇が与えられるはずだ。(もし与えられていなかったり、申請した時に拒否されるようなことがあったとしたらそれは違法行為だ)
 
従ってちかさんの1ヶ月間のお休みは決して羨ましがられるようなことではないということはきちんと理解しておかなければならない。
 
その上でお聞きしたいのだが、皆さんは年間休日数は何日欲しいだろうか?
 
まず押さえておきたいこととして、有給休暇や特別休暇を除く年間休日数が105日を下回っていたら、その企業はブラック企業である可能性が非常に高い。
 
……というのも1日8時間、週40時間を超える労働は時間外労働に当たる。従って1日8時間の労働を行っている場合は年間休日数は104~105日(正確には104+2/7日、閏年であれば104+4/7日)必要ということになるため、年間休日数が105日を下回った場合は時間外労働を日常的に行わせているということになるのだ。
 
また、年間休日数が105日を下回っている企業で「うちは8時間労働はさせていないから時間外労働はなく問題なし」みたいな所だったら極端な時短を求められたり労働時間は8時間に満たないとか言いながら実質的な労働時間は8時間だったりということが割とガチであるから尚更要注意ということになるだろう。
 
実質的な労働時間が本当に8時間に満たなかったとしても注意が必要だ。例えば労働時間が1日6時間半だったとしたら、週6日働いて年間休日数が52~53日しかなかったとしても労働時間は39時間で40時間以内に収まってしまうことになるのだ。(週完全5日制が取り入れられて尚も法定の休日は毎週1日かもしくは4週4日以上ということになってしまっているからあろうことかこれはOKということになってしまう)
 
2006年に公開された『幸せのちから』でウィル・スミスが演じる主人公のクリス・ガードナーがやったように周りの社員(映画では研修生)が18時までに終わらせている仕事を16時までに終わらせてその後は息子さんを迎えに行くために早く帰るということが出来て且つ年間休日数が105日を下回ることがない企業でなければその企業は要注意だと思うようにした方が良いかもしれない。
 
休みの規定については厚生労働省のホームページを見て頂けると分かりやすいだろう。

 また、105日は年間休日数としては決して多いとは言えないということも押さえておきたい。
 
以前の記事で僕は1年のうちの土日以外の約260日のことを平日と書いたが、260日が平日というのは正確ではない。……というより、重大な誤りを書いてしまいました。ごめんなさい!

 平日が260日だと言ってしまうと、例えば本年度は去年の4月から今年の3月までで土日が合計104日だから土日以外に休めるのは僅か1日だけということになってしまう。ゴールデンウィークもお盆もあったものじゃない。
 
年間休日数が105日の人は基本的にどうしているかというと……祝日や祭日の休みは諦めるかもしくは週44時間の勤務になってしまう労基法違反になりそうな状況でも受け入れて土曜日にかなりの高確率で半日(4時間)勤務してどうにか祝日や祭日の休みを確保しているかのどちらかなのではないだろうか?
 
本年度だと実際に平日といえるカレンダーの黒い日は土日と祝祭日を除いた246日だ。
 
すなわち、年間休日数は119日あれば……まだ少ないことになる。
 
お気づきになられた方も多いだろうが、カレンダーの黒い日を平日だと考えた場合は正月の1月3日(例年なら1月2日)から平日ということになってしまうし、本年度だと2月11日の建国記念日が土曜日だから実質的に休日数が本来より少ないということになってしまうのだ。
 
そうなってくると、本年度の場合は十分な年間休日数といえるのは122日ということになる。(大晦日をどうするかということも反映すると、例年なら123日必要になる可能性もあり)
 
これをきちんと反映してもらえれば土日祝日はしっかり休めることになるし、土日祝日に仕事がある人はきちんと代休をもらえるようになるはずなのだが……残念ながら上記のようなブラック企業が未だにのさばっている状況が続いている。
 
ちなみに僕は有給休暇や特別休暇を除いた年間休日数105日の職場で土曜日にかなりの高確率で半日勤務してどうにか祝日や祭日の休みを確保しているという立場だ。
 
122日や123日とは言わないが、せめて年間休日数が120日あればと思うことは多々ある。
 
皆さんは年間休日数は何日欲しいだろうか?
 
まさか30日休む人を見て羨ましいなんて、ましてや5年間働き詰めでたったの1ヶ月休んだ人が羨ましいなんて……言わないよね?(汗)

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