副業で年収300万円なんて稼げねェ

ギャグ的なタイトルにしてはいるが、実際問題として副業で300万円稼ぐことは非常に難しい。
 
例えば本業では1日8時間の仕事をしている人が1日3時間の副業を行ったとして、副業で稼げると考えられる金額を算出してみよう。
 
東京都の最低賃金は10月から1072円になったようなので、副業の時給はそれを上回る1100円と考えた場合、1日当たりの収入は3300円となる。
そうなると365日休まずに働いた場合でも収入は120万4500円という金額になるのだ。
 
副業の時給を高めにして「ここまで上げるべき」とよく言われる最低賃金の1500円程にし、且つ土日は8時間働いた場合でも1500×8×土日の約105日+1500×3×平日の約260日なので年収は243万円ということになる。
 
ついでに言わせて頂ければ僕は佐賀に住んでいるのだが、佐賀の最低賃金は今年の10月2日からやっとこさっとこ853円。……年収300万円に達するかどうかの計算はもはや馬鹿馬鹿しくてやってられない。
 
従って副業の年収が300万円を超えるケースは稀としか言いようがないのだ。
 
……どうしてそんな話をしているかをこれから説明させて頂きたい。
 
今年の8月、国税庁は「年300万円以下の副業収入は原則として雑所得」とする通達案を公表した。
 
そしてそれについて意見を公募していたのだが、寄せられた意見の大半は反対意見だったのだという。
 
これを受け、国税庁は通達案を見直すこととなったのだそうだ。
 
ちなみに「年300万円以下の副業収入は原則として雑所得」とする通達案を僕が知ったのは、VTuberの紫藤ナナさんの動画(ツイート)を見てからだ。

 この動画では「年300万円以下の副業収入は原則として雑所得」の案で何故大増税につながってしまうのかが分かりやすく説明されている。
 
また、意見公募のサイトのURLも下のツイートに付けて下さっているのでパブリックコメントに意見も送りやすくなっていた。
 
しかし当初、僕は明らかに問題点のある案に対してどう意見を送っていいかが分からなかった。
 
……我ながら情けないことだが、実を言うと僕は確定申告の度に毎回「すみません。ここはどう書けば……?」と聞いているくらいこういった話には疎い。
 
だから絶対に起業できないなと……。2019年にチュートリアルの徳井さんがずぼらで申告を忘れていたことが問題視されていたこともあったし、自分がそうなったらいけないなと……。
 
そして同時に僕は副業をやっておらず、現時点での自分には直接関係のない話でもあった。
 
……とはいえ、自分は疎いから、自分には直接関係がないからと言って「税金のことはよう分からんから無関心」ではいけない。
 
政治に対する無知や無関心は独裁者を生む。
 
従って税金のことに関しても無関心でいていつの間にか大増税時代を到来させてしまった場合は自分もまたその責任の一端を担っていることになると言えるからだ。
 
……そのため「年300万円以下の副業収入は原則として雑所得」という案の問題点を自分が分かる範囲で書き出してみようと思い、副業で300万円稼ぐことは非常に難しいということを計算で示せることに気付いたのだった。
 
計算で示せるとなれば、案の問題点を提示することができるから反対する理由も書きやすくなる。
 
僕は「年300万円以下の副業収入は原則として雑所得」という案への意見公募に対して上記の計算を書き込んだ。
 
そういったこともあって、「年300万円以下の副業収入は原則として雑所得」の案がどうなったのか気になっていたのだが、見直されたようで少しほっとしている所だ。
 
……とはいえ、こちらを見てみると副業による収入が年間300万円以下で帳簿がなかったり社会通念上の“事業”と認められなければ雑所得になってしまうようだから、あまり楽観視も出来ないようだが……

 ちなみに『事業所得 雑所得』、『青色申告』等のワードで検索するとこれらのサイトが出てくるので、今後国税庁から何らかの案が出て来た時には参考になるのではないだろうか?(僕のように疎ければ尚更……)

 ところで、「年300万円以下の副業収入は原則として雑所得」の案に対して寄せられた意見は通常の70倍の約7000件だったそうだ。
 
これは紫藤さんのファインプレイに感謝しなければと思う。
 
紫藤さんの動画がなければもしかしたら「年300万円以下の副業収入は原則として雑所得」の案は多くの人の目につくことなく通っていたかも知れない。
 
そして問題のある通達案を出したことに関してはともかくそれに対する国民の意見を募集する場所をきちんと用意し、民意をしっかりと反映してくれた国税庁に対する感謝も忘れてはならないだろう。
 
民主主義国家なのだからそれが当たり前のことではあるのだが、政治にしっかりと民意を反映してくれたことに対しては「そんなの当たり前じゃん」ではなく「民意を受け入れてくれてありがたい」を示すことが重要なのだ。
 
同時に僕等は政治や社会にきちんと目を向け、責任ある声を発信していこうという意識をより強く持たなくてはならないという良い教訓になったのではないだろうか?
 
先程も書いたとおり無関心はよくない。だが、関心を持ったときに上げる声が無責任であってもいけないのだ。何しろ無関心も無責任も全て政治や社会に反映されてしまうのだから。
 
紫藤さんは国税庁のパブリックコメントに意見を寄せる際に「ばかしねやめろ」等は言わないようにと注意されているからさすがに誹謗中傷を寄せた人はいないだろうとは思いたいが……
 
まあ、1人1人が自分の出した声、自分の行動をきちんと振り返り、反省すべきは反省していくことが出来れば大きな問題にはならないとは思う。
 
だからまず自分の反省点はないかを考えてみ……
 
え?紫藤さんの動画を8月の内に拡散していないのは僕の反省点じゃないかって?
 
……失礼しました(汗)

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