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自分のやりたいことではなく、心地よいこと、が大事なのかも

人って、いつも物足りなさとか、不満を抱えて生きていますよね。何かが違う、きっともっとよい未来があるに違いない、今の自分は本当の自分ではない……。

私も若いころからずっとそう思ってきましたし、今でもそう思うときがあります。でも、この歳になって、自分に出来ることもある程度はっきりしてきて、寿命も見えてくると、ちょっと見方が変わりました。

自分のやりたいことではなく、自分が心地よいことをすることの方が大事なのではないか、最近特にそう思うのです。

自分のやりたいことって、たいてい今の自分に出来ないことです。お金や時間や能力の制約で、やりたくてもできない。そこに理想と現実のギャップが生まれて、飢餓感が生まれる。物足りなさが生まれる。不満が生まれ、世の中を呪う人も出てくるでしょう。

ちょっと自分の人生を振り返ってみてください。自分が心地よかったとき、幸福感に包まれているときってどういうときだったでしょうか?

いま、私は敢えて過去形を使いました。そう、心地よかった、幸福だった、という記憶があると言うことは、それは、過去にもう一度経験したことなんです。ということは、決して手の届かないものではなく、今の自分が意識をちょっと変える、環境をちょっと変える、それだけで実現可能なものなのです。

私の場合、心地よかったことを書き出してみましょうか。

  • 美味しいものを食べたとき

  • フロムソフトウェアのゲームをプレイしたとき

  • 無理のない程度で運動をして心地よい疲れを味わったとき

  • 冬の寒い夜、熱いお風呂に入って手足を伸ばしたとき

  • 心地の良い寝床でぐっすり眠れたとき

  • 猫を撫でているとき

  • 妻とドライブしたとき

  • パソコンやガジェットを弄っているとき

  • プログラミングを勉強しているとき

  • などなど

一方、やりたいことはどんなものだったでしょう。

  • 小説家になりたい

  • 空手家になりたい

  • ボディビルダーになりたい

  • 漫画家になりたい

  • 外交官になりたい

  • などなど

どうでしょうか。心地よかったことって、やろうと思えば別に苦労なくできることが多いですね。むしろ日常の中にこそあることばかりです。それに比べて、やりたいことは、一生努力を続けてもできるかどうか分からないこと、今の自分で実現しようとするとどうして良いか分からないものばかりです。

人は、こういったやりたいことに意識を奪われて、心地よかったことを忘れがちです。そして常に自分の飢餓感と戦うことになります。そんな人生、送りたくありませんよね。

私は夢を持つな、と言っているわけではありません。夢は、若ければ若いほど持つことが大事です。そして、持つだけでなく、継続して実行していくことが大事です。継続ができれば、恐らく、その夢は実現します。たいていの人は、それを途中で諦めてしまうからやりたいことができないし、なりたいものになれないのです。

夢を持って実行することは大事。でも、日々の心地の良いことも大事だと思います。幸福感を失って日々を送ると、人は心も身体も荒んでしまいます。心地よいことを大事にしながら夢を追っていきましょう。しかもそれは、そんな難しいことではなく、ちょっといつもと意識を変えるだけで良いのですから。

とは言え、私は年齢的にもやりたいことを、実際自分が出来るかどうかがある程度見えるようになってきています。ですので、あまり大きな夢は持たないようにして、言い換えれば人生を飢餓感で過ごすのではなく日々の心地よいことを大事にし、むしろ意識して心地よいことを毎日やっていこうと思います。

一日24時間年間365日は等しく人に与えられた大事なリソースです。そのリソースをどのように優先順位を付けて活用していくのか。還暦を前にして、若いときよりもより戦略的に、効率的に、そして質を上げて生活していかなければならないと考えている今日この頃です。

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