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iPadの日本語入力で最適な方法は何か?

皆さんは、 iPadでどうやって日本語を入力していますでしょうか。一般に、iPadで日本語入力する方法としては、次のものが挙げられます。

- ソフトウェアキーボード
- ハードウェアキーボード
- 音声入力
- スクリブル

このうち、ソフトウェアキーボードには、ご存知の通り「ローマ字入力」と「かな入カ」があります。また、「かな入力」にも「通常のキーボードによるカナ入力」と「フリック入力」によるカナ入力とがあります。

私はiPhoneでは左手でフリック入力をしているので(利き手は右です)、iPadでも日本語入力がやりやすいのは、やはりフリック入力ではないかと思っていました。

もちろん、最近では音声入力の精度も上がってきていて、かなり実用性の高いものになっています。実際、仕事でスマホを使った文字入力のデモンストレーションを行う際には音声入力を使っています。音声入力に弱点があるとしたら周りに人がいるときにはちょっと恥ずかしくて使いにくいといった点くらいでしょうか。

さて、最近になって、実はもう1つ、iPadにおける有力な日本語入力方法が実装されました。それがスクリブルです。スクリブル自体はiPadOS 14のころから実装されていましたが、当初は日本語を扱えませんでした。それが、iPad OS 15になってから日本語にも対応するようになりました。

スクリブルとは、 Apple Pencilで手書入力した文字列をテキストに変換する機能です。変換するだけでなく、変換後のテキスト文字列をApple Pencilで選択したり削除したりすることもできます。テキストの挿入や結合、切り離しもできます。

これは一度使ってみるとわかりますが、Apple Pencilを備えたiPadとしては恐らく最高のソリューションであり、今までのコンピュータへの入力はキーボードで行うといった常識を大きく覆すものです。

今でも私はフリック入力のユーザインターフェイスの素晴らしさは認めていますが、スクリブルの直感的な入力インターフェイスも優劣が付け難いものであると感じています。唯一欠点があるとしたら、手書きの最中に漢字が書けないという人間様側の問題です。

この数十年、日本語入力ソフト(IME)に頼り切ってしまって、すっかり漢字能力が衰えてしまったことを思い知らされるのが、この入力方式のほぼ唯一の問題点です。そのくらい変換精度も高く、文字を書くこと、筆記に没頭できます。キーボードを使う時よりも非常に集中できるのもメリットだと思います。私は一日に数時間文章を書いていますが、iPadでスクリブル入力を始めてから、一度も執筆中にX(旧Twitter)を開いたことがありません。

敢えて、もう一つ弱点を挙げるとしたら、これは紙に文章を書くときと同じなのですが、その場で編集しながら文章を書くのが難しいことです。キーボードで入力しているときは、間違えばその場で修正します。しかし、手書きでそれをやっているととても生産性が悪いのです。そこで私は、手書きで文章を書くときは、紙と同じでその場で編集や修正をすることをやめました。漢字も含めて間違えたことが分かっても、そのまま書き進めます。間違いは、後でキーボードで修正すれば良いのです。

このようになかなか癖はありながらも使い勝手の良いスクリブルですが、さらに欲を言えば、書いている最中に漢字のサポートをしてくれたり、ハードウェアキーボードで使われている自動変換機能が実装されるとなお良いのに、と思います。今は、スクリブルで書いていると、その場で文字が確定してしまいます。一旦そこに未確定状態の文字列を表示し、IMEのように文字候補を選べるようになると良いのではないかなと思います。

最後に、このスクリブルはNotionとは相性が悪いようです。これは、Notionの文字列の扱いが特殊であるために(文字列を段落単位で管理しているため)、手書き変換まではできても、その文字列を選択したり編集したりできないようです。もちろん、標準のメモ帳では全く問題ありませんし、通常のテキストエディタでも問題はないのではないでしょうか。私が愛用しているUlyssesでも全く問題なく、スクリブルを使えました。

いずれにせよ、メインのデバイスをMacBook ProからiPad Proにしてから、文字を入力するにしてもさまざまな方法が提供されていて、文字を入力すること自体がとても楽しくなってきました。今しばらく、スクリブルで下書きをして、清書をキーボードで行う運用を続けてみたいと思います。

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