プライバシーテックがなぜ今激アツなのかを説明する
こんにちは、AcompanyのCOOの佐藤礼司(サトウレイジ)です。
以前、COO就任の記事を書きましたが、なぜプライバシーテックがとても熱いのか、ということをもう少ししっかり伝えたいと思いました。
今回は、”プライバシーテックにチャンレジするなら今”ということを書きたいと思います!
増え続けるデジタルデータは活用フェーズへ
ICTの発展によって様々なITサービスが登場しており、それに伴ってデジタルデータは増える一方です。ある調査では、2025年までにデータは2016年から10倍になり、163ゼタバイトという、全く想像もできない量になるようです。
そして、DXやAIのブームが到来してきていますが、これはデジタルデータが増えてきたので、それを活用して、新しい付加価値を創出する動きです。データの蓄積→活用の幅が広がる、のスパイラルが起こっている段階です。
強化されていくプライバシー保護規制
一方で、プライバシー保護のための規制が強化されてきています。2018年にEUで制定されたGDPR(一般データ保護規則)をはじめ、各国のプライバシー保護に関する規制は、確実に強まっています。
GDPRなどプライバシー規制の詳細を知りたい方はこちらをどうぞ!
なぜプライバシーの規制が強まっているのでしょうか?
それは、デジタルデータが増えて、個人の情報が把握されやすくなっており、それによって問題が生じているからです。
例えば有名な話だと、ケンブリッジ・アナリティカ事件があります。
Facebook上の心理テストアプリに答えた人、およびその友人の情報が、ケンブリッジアナリティカという選挙コンサルティング会社に渡り、そのデータが選挙活動に使われた、というものです。
フェイスブック&ケンブリッジ・アナリティカ事件の問題点と教訓 | クラウドサイン
それ以外でも、デジタルマーケティングを始め、様々な個人に関連するデータが集められ、分析されることが増えています。
これを受けて、AppleやGoogleも広告トラッキングを規制する動きを加速させてきています。
広告自体が悪い訳ではないですが、データが増え、自分が知らないところで自分に関わるデータが広がっているという状況が生まれているならば、個人としても不安になります。
このような流れから、グローバル全体でプライバシー保護に関する規制は強まっている傾向にあるのです。
データ活用 vs プライバシー保護規制
デジタルデータの集積や利活用が進むと、業務改善や新しいサービスが増えてきます。その中で、データ自体を販売したり、自社以外のデータを組み合わせて活用するケースも増えてきています。
最近だと、PwCがデータマネタイゼーションに関する調査報告を発表していました。多くの企業がマネタイゼーションに関心を持っています。
PwCコンサルティング「データマネタイゼーション実態調査2022」
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/2022/assets/pdf/data-monetization-survey2022.pdf
一方で、自社以外のデータと掛け合わせていくことを考えると、他社にデータを渡さなければいけません。
これが、機密情報やプライバシーデータになると、ビジネス面や法律面から難しいケースがたくさんあります。そのため、活用を正しく見つけることができず、諦めてしまうケースも多くあります。
つまり、データの利活用とプライバシー保護がトレードオフの関係になっているのが現在です。
無尽蔵に個人を特定して企業の利益を追う、ということは確かにダメですが、個人に関連する情報をうまく分析して、ユーザーや社会に還元すべき領域もあります。これらのバランスを見つけるのが、現在は難しいことが多いのです。
トレードオフを解決するプライバシーテック
これらのトレードオフを解決するのがプライバシーテックです。
例えば、その中のひとつである秘密計算という技術は、プライバシーデータを相手に開示することなく、計算だけを行うことが可能です。Acompanyで実証している例では、各病院のデータを秘匿したまま集計・分析し、地域医療リソースを可視化しています。
プライバシーテックは、まさにこれから社会実装が本格化していくフェーズといえます。ガートナーのハイプサイクルで見ると、Acompanyが手がけている秘密計算のSMPCは、幻滅期に入っています。
これは実は、2015年の機械学習とほぼ同じ段階です。そこから数年で今や様々な人が機械学習を使い始めたことを考えると、今プライバシーテックが置かれている状況をわかっていただけるのではないでしょうか。
プライバシーテックに関する人材市場
プライバシーテックの領域は、圧倒的に人材が不足しています。
市場フェーズがまだこれから普及していく段階、というのもありますが、それに加えて、プライバシーテックは技術、法律、データビジネスなど様々な要素が組み合わさってできています。
これらを理解し、社会的な課題を解決していける人材がとても不足しているのです。逆にこれは、個人のキャリアで見るととてもチャンスなのです。
なぜなら、
これから社会に必ず必要な技術・サービスであり、
現時点では市場に理解できるプレイヤーが少ない
という状態なので、現時点でこの市場に身をおくことで、これから広がる市場の先行者になることができるからです。実際弊社に対しても、法律・技術・データビジネスの知見を求めて相談いただくケースがここ半年で急増しています。
まとめ
以上をまとめると、こうなります。
デジタルデータの増大によって、データの利活用の幅が広がっている
世界中でプライバシー保護に関する規制が強まっている
データの利活用とプライバシー保護を両立するのがプライバシーテック
プライバシーテックはこれから社会実装が本格化する
プライバシーテックの市場は圧倒的な人材不足であり、今飛び込むのが最大の機会
ということで、プライバシーテックは今とても激アツである、ということです!
お決まりな感じですが、Acompanyでも人材を募集しています!一緒に市場を創っていくことに興味があれば、まずはお気軽にご連絡ください!
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