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瑠璃の部屋174

夜霧の忍び逢い

どう弾いても、そういう雰囲気にはならない。

スラーを入れてアレンジしてみたり
強弱を付けてみたりしても、忍ばない。

これは、編曲に問題があるのではないかと、元を調べていくうちに、
凄い情報を入手した。

元は「1人きりの浜辺」という題名で、映画とは全く関係がないらしく。

それをだ。

日本で公開するにあたり、ヒットしていた曲だからって、
勝手に、映画に取り入れてしまった。

しかも、他で流す時の、曲名まで変えるという大規模な工作を計ったという。

なんてことだ!

危うく、感性に対する鉄壁の自信が揺らぐところだった。

つまりだ、1人きりの浜辺をイメージして作曲したとすれば。

海が好き〜!」ってのもありだし、1人で波音を聴きながら、考え事をするのもありだろう。

少なくとも、背徳感に苛まれながら忍び逢うイメージではない。

全くない。

ということで、俺が目指す演奏はというと

みなさんに合わせます、はい。忍びですね。