オリコン1位とBillboard JAPAN1位の価値の違い

オリコンCDシングル1位に今やほとんど価値はありません。それに代わり、Billboard JAPAN Hot100の指標が広まりつつあります。

Billboard JAPAN Hot 100は、CD売上、ダウンロード、ストリーミング再生、ラジオでのオンエア等が考慮された複合チャートです。その中でも、ストリーミングの割合が大きいものとなっています。

ストリーミングチャートは、CDチャートと異なり、サブスクで音楽を聴くすべての人の意思が反映されるため、順位の入れ替わりが少なく、一度ヒットした曲は何十週にも渡って上位をキープします。

つまり、上位がヒット曲でひしめき合っている所に新曲が入り込む余地は少なく、ストリーミングで1位を取るということは、CD売上1位よりも大きな価値があるということです。

実際に、これまでストリーミングチャートで1位をとった楽曲を見ると、多くが紅白歌合戦で歌唱され、数億再生を突破し、一般的知名度も高い楽曲ばかりです。

総合チャートの"Billboard JAPAN Hot100"も同様にストリーミングの割合が大きいため、人気アーティストでも連続して首位を獲得することは難しく、CDチャートのように"連続初登場1位"も重視されません。

これは米国ビルボードチャートにおいても同様です。例えば、人気歌手のビリー・アイリッシュが新曲を出せば簡単にビルボード1位を取れるかというと、そうではありません。

アメリカのビルボード1位はとんでもない快挙であり、オリコン1位とは価値が大きく異なります。(日本とアメリカだから価値が違うのではなく、チャートの構造の話です)

今後、日本の音楽業界がBillboard JAPAN Hot100をメインに据えていくのであれば、米国ビルボードチャートと同様に、Hot100の1位はとんでもない快挙であり(CD売上主体の場合を除く)、米"トップ40"の概念にならって40位以内に入ればまずまずのヒット曲である、という認識に改める必要があるでしょう。

(2022/10/24:内容を一部更新しました)

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