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令知のひらめき

令知納豆の官下ですニカッ

オンラインサロンはクリエイティブなチャレンジャー達が自分のアイディアを常にアウトプットするチャンスを狙っていました。

相談と言うより方向性が決まったことに対して仲間を募ったり、アドバイスをもらったり。
そもそも迷いがある人間は存在が許されない空間でした。

わたしは優秀なのでサロンの主催者へ直接聞いてみることにしたのです。

直接やり取りと言ってもタダではなかった。

『教祖の鼻くそほじって食べるのをやめさせる権利』
『教祖のパンツをブリーフにする権利』
『自分の代わりに教祖に睡眠してもらう権利』
『教祖の風呂の残り湯を飲める権利』

さまざまな権利を購入降るするわけです。
本当に実行しているのかはわかりません。
この中に

『教祖にコンサルタントしてもらう権利』

というのがあって15分250000円でした。
これなら間違いない!わたしは権利を購入、日時の指定が記入されたメールが返信され購入を確認しました。

これで詐欺行為はできない!優秀なわたしはこのあたりもしっかり押さえておくわけです。

そして当日

画面の向こうにはおしゃれに整えた髭の生意気そうな教祖がふてくされた顔で現れました。

「今日はよろしくお願いいたします」
「・・・・」
「あれ?接続が悪い?今日はよろしくお願いします」
「・・・・」
「あれ?音声入りませんか?」
「・・・・あのさぁ」
「はい?」
「せっかくの15分だよ!?そんな普通の挨拶でいいの?もっと俺の心を鷲掴みにして引き付けなきゃダメだろ?普通にされたら俺も普通にしか対応できないわわけよ?わかる?」

教祖は優秀なわたしの出鼻を挫いた。
頭を金槌で殴られたような、バールのようなものでどつかれたような、テキーラ注いだ灰皿で一気強要されたような強い衝撃を受けた。


「で、資料読んだけど納豆で世界を救いたいわけね?」

「はい」

「ふぅん。金は?」
「銀行で融資を受けようかと」
「あーつまんねえな!マジつまんねえな!お前!お口ジッパーマンだわ」

教祖は立ち上がり画面から見切れながら熱く語り出す。

「金集めと広告を両立させる!これだよ、これ!仲間は金に集まる!金を集めるのは悪いことじゃない!夢を叶える第一歩だろ!みんなを幸せにしないでどうするよ!?」


優秀なわたしは今までの価値観をバラバラに粉砕された。

「よし、お前クラファンやれ」
「クラウドファンディングですか?」
「そうだ。その金で納豆専門店やれ。目玉は『生涯無料パス』だ。その金を元手に世界に出ればいいだろう」

「クラウドファンディングで注目集めることが可能ですか?」
「俺をある程度まで広告に使っていいぞ。もちろん料金は別途だが俺の名前を使えば間違いない。何せ世界一のクリエイターだからな!空気すら、いや無ですら俺の名前をつければ売れる!」


わたしは結局銀行から融資は受けた。
その金は教祖への謝礼金に消えた。
納豆専門店のための金はクラウドファンディングで集めることに決意しました。

優秀なわたしが圧倒されたカリスマ性、

これが空気に気圧されるってことなのですね





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