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ディベートする空芯菜とドーナツ

空芯菜
「それでは本日の議題、『我々の中心部分を有と捉えるか、無と捉えるか』について討論をしたいと思います」

ドーナツ
「よろしくお願い致します。では、僕は『有である』という立場からお話するので、空芯菜さんは『無である』でも良いでしょうか?」

空芯菜
「はい、大丈夫です。では早速。僕は僕の中心部分を何もない、と考えます。僕は、僕個人が料理されている時の観点から話します。料理人の方が僕を刻む時、肌部分では痛みを感じますが、中心部は痛みを感じません。

有であれば痛みを感じると考えた時 僕は僕の中心を無と捉えます」


ドーナツ
「ありがとうございます。僕の『有である』という主張。僕は、背理法的に思考しました。まず、ここに中心部に空洞のない丸い揚げものを用意します。そして『この空洞のない丸い揚げ物をドーナツである』と仮定します。そして次に中心部に空洞のある揚げものを用意します。しかし、先に決めたドーナツの定義に反するため、これはドーナツではないということになります。この時、ドーナツ店で販売されているドーナツに対し矛盾が生じます。空洞があるからこそその存在がドーナツをドーナツたらしめると僕は考えます。よって、リング型の揚げものをドーナツと呼ぶため、『空洞を有と捉える』という主張に行き着きます」

「私情を挟むと、僕ちゃんのアイデンティティってやつ///」

空芯菜
「それではドーナツさんに質問です。誰かがドーナツさんを食べ切った時、その人はまだ中心部の空洞を食べていない為『ドーナツはなくなっていない』と言うとお考えでしょうか?」

「僕は僕の中心には“何もない”と捉えています。そのため、僕を周りから齧り、食べ切った人は『空芯菜を食べ切って何もない』と言うでしょう」

ドーナツ
「ぼ、僕は永久不滅だもん///」


空芯菜
「ふふ、私の勝利ですね」

茨城県産 空芯菜
旬ですね♪
にんにくとパプリカとサッと炒めました

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