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北海道じゃがいも農家さん2週間住み込み日記②

昨日、無事に東京に帰還したれいちゃん。

あれれ、結構北海道にいたのね。な~んて思われた方もいるでしょう。
実は9/16(土)が帰還予定でした。ですが、飛行機が欠航になったり振替便がサーバーダウンで取れなかったり。気づけば2泊も北海道を延泊するという…!

うーむ。北海道はなかなかかまちょでした。
そんなかまちょ・北海道のじゃがいも農家さんの元で過ごした2週目の日記。お茶でも飲みながら、ゆるりと読んでいってくださいね。

熱を出したところで終わってしまった1週目。2週目はどうなることやら…。波乱万丈な珍道中をお楽しみください。

【9日目】
大事をとって今日もお休みにしました。

のんびりとミステリと言う勿れのドラマを見たり、日記を描いたり。次のイベントの画像をちょこちょこ考えてみたり。

あ、そうそう。留寿都はまだまだ卵が品不足で全然スーパーでも見かけない。朝、温かい月見うどんが食べたかったの。

東京だと“1人1パック”だったけど、それってまだ商品があるが故に
書き得る表記だよな〜。なんてぼんやり思った。まあ一人暮らしだし1パックで十分なんだけどね。

あるものでまかなう。
足るを知る。
無いなら、無いで、無いなりに。

れいちゃんの結構モットーとなっている考えだけど食べようと思っていた月見うどんをま、いっか。なんてきつねうどんに変更。出汁たっぷりの美味しいうどんが食べられました。まあ月見うどんもリベンジはしたいけどね。

明日は復帰してのんびりおじゃがを掘ったり選別して、少しずつペースを戻していけたらいいな。

ご自愛ご自愛だね。

ご自愛メロン
(1玉頂きました)

【10日目】

朝少し喉がまだ痛かったけれど数時間だけなら行けるかも?と8:30にしっかり出勤(出農場)した。

色々あって最初はお母ちゃんと2人の作業だった。道の駅用にジャガイモを詰めたり、玉ねぎのひげ根を切ったり。

『あんまり負担にならない作業なら出来そうか?』

と気遣ってくれた。

10:30の最初の休憩にサツドラ(北海道のドラッグストア)で薬を買いに行くのに付き合ってくれて。昼休憩の時に一旦、お家に戻るのだけれど(農場まで車で3分)薬を飲んで少し眠ったらだいぶマシに。

昼休憩後の勤務開始が、13:00からだから12:50くらいには外に出てお母ちゃんを待つのだけど『ギリギリまで休んでていいからな』と言ってくれた。

午後はのんびり。お父ちゃんとお母ちゃんとじゃがいもの選別をしたり、ふるさと納税用のじゃがいもとかぼちゃの梱包をした。帰りにお母ちゃんが坊ちゃんかぼちゃを3つもくれて。

『これで元気になってね』

と言ってくれて嬉しかった。

だけど、夕飯を食べてる時からやっぱり身体が重くて。すぐにベッドに入ったけどどんどん寒気が凄くて、農場長の兄ちゃんに

『大変恐縮なのですが、ローソンで体温計を買ってきていただくことって出来ますか...?』

と電話すると風の速さで自宅から体温計とゼリーやらヤクルトやらを持って来てくれた。

『うちの母さん(お母ちゃん)看護師だったし、作るのしんどかったらいつでも言ってね』『ゆっくり休んでね』と。

38.5度だった。熱出すの久しぶりだなあ。
しかも鼻血も1回出ると20分は止まらない。

なんか東京より10度寒い土地で慣れない農作業。
洗濯機がないから、1回1000円のコインランドリーを使いたくなくて。毎回作業着を手洗い。薬が苦手で飲まないようにしたり。

色々無理して自分のルールに
なんだかがんじがらめになっていたなあと。

ゆるーく農作業して。たまにコインランドリー使ってふわふわに仕上げて。辛い時は薬にも少し頼る。
(私の場合副作用というか、反動も強いから程々に...)

もう少し楽に楽に、ね。体温計あるだけですごい気持ちが楽だなあ。
寝て、起きてゆっくり動画見て。自分を癒してあげよう〜。

そうそう、オクラは上向きになります。

オクラに『君の頭どっち?』と聞くと
彼は抱え込めない頭を、抱え込んでしまいそうです。

しばらくお粥生活

【11日目】
朝起きたら37.4まで熱が下がっていた。薬のおかげなのかな?

とりあえず、徒歩1分のコインランドリーで洗濯だけしてあとは部屋でゆっくり過ごすことにした。

本当にのんびり過ごそうと思う。
ミステリと言う勿れを2話分見て眠った。
ひたすら寝た。

羊蹄山の頭

【13日目】
日曜日にしっかり休んで。昨日かられいちゃん復活いたしました!!まだまだ愛嬌止まない愛おし鼻声ボイスですが....だいぶ良くなっております。

メッセージやコメントをくださった皆さん。お返事遅くなってしまったけれど、本当にありがとうございます。温かい気持ちになったなあ。ぽっ。

今考えたら、休む前日のハーベスター(じゃがいもを掘る機械)に乗っている時の乗り物酔いと眩暈が

“作業に慣れてないからだろうなあ〜”

なんて思っていたけれど。多分具合悪かったんだろうな。と思えるくらい快適に乗れているので、もうじゃがいものプロです。

じゃがプロ。
JYP。
パクジニョン。

じゃがいも(キタアカリ/紅あかり/はるか)
雪下にんじん
玉ねぎ

収穫野菜が全部、カレー系すぎて。もうカレーだのシチューだの。肉じゃがだの。作り尽くしたくらい作って楽しんでいるれいちゃん。

北海道の地元スーパー『通称:セコマ』を覗いて、今日はどんな食材があるのかな〜なんて考える時間が楽しいです。

氷下魚を南蛮漬けにしたり
タコの頭(本州では足がメインよね)に驚いたり。
カレイを買って煮つけたり。

やっぱり住み込みって、日常と非日常のちょうど間でなんだか
胸がギュッとなるくらい残りの日々を数えると切なくなります。

下の写真は休憩の一コマ。大体、10:30と15:30にこうやって丸く座ってみんなでおしゃべりしたり。みんなはお菓子を食べている
(私は食べられないこと伝えてあるので「れいちゃんお茶飲み!」とお茶だけ渡して食べることを強要しないから安心して過ごせるの)

根掘り葉掘り聞かれることも。
聞き合うことも、誰かを悪く言うこともない

何者でもない自分でよくって
何者でもない自分が肯定される空間
私でいいんだ
そう思えるんだよなあ

#愛おし鼻声ボイス

とうきび食べるネコ様

【14日目】
あっという間に明々後日が最終日。ほんっとに早いなあ。

寝て起きたら新千歳空港で
もはや電車だった初日の飛行機。

何が何だかよくわからなかった
初日のじゃがいもの選別。

静かな休憩時間が絶妙に気まずかった最初の週。
今では落ち着く大好きな時間。

熱を出した先週。喉が痛くて、だけど休むのも、もどかしくて苦しかったな。きっと引っ越しと慣れない気候と作業で身体が悲鳴をあげて、疲労困憊だった。

沢山いただいた野菜で自炊を楽しんで。休みの日はチャリンコでセイコーマートに行ったり。近所のお豆腐屋さんとおにぎりのお店にお散歩に行ったり。晴れた日に見える羊蹄山に釘付けになったり。

最後まで満喫しよう、したい。そしてまた「ただいま」ってきっとここに帰ってきたい。北海道の留寿都に帰ってこよう。

そんなことを思いつつお母ちゃんがくれた坊ちゃんかぼちゃに、
自分で作ったシチューを入れて。お腹を壊すからあんまり得意じゃないけど
きっと相性ぴったしなベビーチーズを乗せてトースターでグラタン風をむしゃ。むしゃむしゃ。

ここの坊ちゃんかぼちゃ食べたら、もう他のところの食べれないや。
そういや最近なかなか面白いことが言えませんが、

専ら北海道に浸って黄昏ている最中です。
ご容赦くださいませ。

坊ちゃんかぼちゃのシチューグラタン
坊ちゃんかぼちゃとしめじの炊き込みご飯
ピーマンと手羽先の甘酢和え

【15日目】
いつも農場から帰る時はお母ちゃんか、
優しいパートのお姉さんが送ってくれます。

昨日の帰りはお母ちゃんで。
降りる時に気づいたら思わず言っていた言葉。

“お母ちゃん、帰る前日の金曜日の夜。一緒にご飯が食べたい”

びっくりしていたお母ちゃん。
何も聞かれたことも、言われてこともないけれど。
申し込む時に私が一緒に食事をしたり、食べられないものがあることが多いことはきっと知っています。

“どうしたんだい、何かあったんか?”
“ううん、私帰っちゃうから。その前に一緒にご飯食べたくて”
“でも、あれだろ?あんまり人と食べれないじゃないのかい?”
“お母ちゃんたちと一緒に食べたくって”
“そうか、にいちゃん(お母ちゃんの息子/農場長)とちょっと相談するな”

そう言って昨日はバイバイしました。
そうして今日。お父ちゃんとお母ちゃんが

“れいちゃん、お寿司はたべれるか?”
“それともお家がいい?”

と心配する農場長。心配と気遣いに溢れた提案に

“お魚!お寿司大好き”

そう答えた私。

“個室だから安心して大丈夫”
“明日は30分早くあがっちゃうか!”

なんてなんだかお母ちゃんウキウキして。寂しいけれど、楽しみで。

もちろん北海道のお寿司を満喫できちゃうのはもちろんだけれど。それ以上に一緒に食卓を囲めることがなんだかうっとりするくらい楽しみです。

写真のポテチは自家製でっす。「とよしろ」という皮がしっかり目の品種で作ってみました。

キタアカリようなホクホク感はないけれど、食感がしっかりしていて美味。
手作りで油控えめとはいえ、自分でポテチを作って食べる日がまさか来るなんて思ってもみなかったな。

品種『とよしろ』のポテトチップス
キタアカリのいももち

【一生分じゃがいもを見続けた2週間半の北海道農家住み込み生活 〜完〜】

新千歳空港の喧騒に若干疲れて人混みの少ない4階で観たかった「ミステリと言う勿れ」を観たれいちゃんです。

果たして北海道で最後にするべきことが、菅田将暉を大画面で観ることで良いのか...。空港内の映画館のオンライン発券機の前で少々悩んでいた小娘に

“チケットこちらで購入できまーす!”

と大きな声で声を掛けてきた係員さんに心押し出されるがままに。
気づけば

大画面・MASAKI

でした。

なかなか面白かったし人も少なくて、パニックにならずにも済んだのでまあ良いです。
と言うか大切なのはそこではないのです。

2週間半。2週間半あったら皆さんは何をしますか?

おうちでずっとゴロゴロ?
めちゃリラックスできそう!

あるいは自分の好きな仕事に没頭?
ずっと文章描いちゃうな〜

ちょっと遠出で旅や旅行をしちゃう?
大学の時みたいに青春18きっぷであちこち行っちゃうな。

私は大好きな野菜についてもっと知りたくて触れたくて。

北海道留寿都村の家族3人でやっている『キタアカリ』というじゃがいも農家さんのもとで住み込みで生活をしました。
(あんだけとうもろこし言っていましたが、メインはじゃがいもなの超おはず。だけどとうきびも多分10本は余裕で食べることができました)

澄み切った空気
天候と畑の状況と常に相談続きな日々
種を蒔けば全て綺麗に成長するわけではない作物
収穫期だろうとそうでなかろうと
やることは無限にある暇なしな日々
基本的な移動は全て車。ガソリン代の高騰は致命傷

野菜に関わって生きてきた小売の現場にいるだけでは、決して見えてこない世界線を知りました。それでもまだまだ知らないことだらけ。

世の中ってほんっとに
知らないことだらけで溢れているなあ

でも。だからこそ面白いなあ。

どれだけ泥にまみれても
どれだけ立ち仕事で疲れても
野菜が好き、もっと食材について知りたいその気持ちは枯れるどころかより一層増して強くなっていきました。

なんだか次の農家さんとの出会いも
近いような、そんな予感します。

ゴールがどこなのか、
わからない今。分かりたくない今。

ふわふわと、だけど着実に意志を持って浮遊しようと思います。

どこに辿り着くかな。
『れいちゃんのぼっち飯』

まだまだこれからもどうか、どうかよろしくお願いします。
皆さんとの会話や、過ごす時間。そしてご縁のいろはが力になります。

えーっと、じゃあ。
北海道、楽しかったです。

る・す・つ
と読みます
セイコーマート
『通称:セコマ』

【おまけ:飛行機結構につき2泊の足止めを食らった小娘の後付け日記】
無事。
無事。

新千歳から帰還いたしましたあああ!!
もう歓喜歓喜の歓喜です。

延泊によって予定外の出費。
いやあ、それでもこういう珍道中が
将来の笑い話になるもんですから不思議です。

ちなみに、欠航が決まった直後からの
れいちゃん小娘の足取りをダイジェストでお送りします。

~前座~
夜20:00過ぎの便だったため、
朝から新千歳空港で8時間ほど過ごす

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やっとこさ搭乗時間だ、と向かうも。搭乗カウンターの人だかりが尋常じゃないことに気づき、欠航を知る(20:00)

振替か払い戻しを選択できると知る。
しかし払い戻しはpeachポイントという

“今回は逃してあげる。でもまたpeach使いなさいヨ”

という無言の圧を感じ、翌日便に振り替えようと決める
この日は空港泊をして、翌日便にしよ〜っと呑気に考える

「空港内での宿泊はできません」

というアナウンスにやったことのないボクシング攻撃を
受けたかのようなダメージを食らう

千歳市のホテルを急遽予約し、向かう。
サーバーが繋がらず、便の予約がなかなかできない

ホテル着。倒れ込むようにベッドへ。
最後の気力で便を予約しようとすると、
翌日分は埋まり翌々日分しか残席無しに。

2泊の延泊にダメージ受けまくり小娘。
宿泊したホテルで連泊が出来そうになかったので、
別のお手頃なところを予約。

眠る。眠った。

朝ホテルを後にし、
その後宿泊するホテルに荷物を預けて札幌場外市場へ。
海鮮食べねえとやってらんねえ、と少々暴走

絶品の開きニシン定食に巡り合う。メニューで海鮮丼とニシンで悩み、
お店のおっちゃんに相談したら絶対ニシンと言われたので決定。
大当たりすぎて、おっちゃんありがとう。

いっちょ芸術にでも触れるか、と北海道近代美術館へ。
『蓬莱山図 | 冨田溪仙』が素晴らしすぎて発狂しそうでギリギリしなかった。

余韻に浸り、味のある喫茶店でコーヒーブレイク。
雨が降りそうだったのでホテルに行って部屋でゆっくりすることに。

スープカレーGARAKUというなかなか有名なお店でスープカレーをテイクアウト。そそくさとホテルへ行きゆっくりまったりのんびりスープカレーを味わう。

延泊も悪くない、となぜかpeachを許しそうになる。

アブナイ

目が覚めたら、いざ出陣とばかりに新千歳空港へ。

おむすびを買い、小説を読みながら食し、搭乗。

もし今回も欠航だったら北海道に住もうと思っていた。

アブナイ。

一番最後尾の列だったのでこの便もギリギリだったのかあたくしは...
と自らの運の良さを実感。

気づけばTokyo
あっという間にTokyo
人と車の音にTokyoを感じた。

そういえば北海道で地酒飲まなかったな、とTokyoで振り返る。

OH

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まあいいさ。

あ、下の写真のとうもろこしは『もちきび』という昔のとうきびの品種です。黒い見た目。そしてもちもちした不思議な食感が特徴的でっす。
農場でパートしてるおじちゃまがくれました。

おじちゃまはあたくしがpeachと格闘して2日も北海道に延泊した
事実を知らないだろうな...。

そんなことをTokyoで思っております。

夏でこんなに美味しかったら
冬はやばいんじゃ?と思った開きニシン定食
きっとここに行くための延泊
コーヒーブレイク
もちきび

いやあ、いかがだったでしょうか?
なかなか波乱万丈な2週間でした。気候も、生活リズムも関わる人も景色もまるで違う2週間半。目まぐるしかったです。

正直『しんどいなあ』と思う事も多々ありましたが…。
それでも、楽しくて楽しくて大好きな野菜に関われてこれ以上ないくらい大満喫な2週間半でした。また行きたいな。

新千歳空港で知る人ぞ知る立ち喰い寿司『五十七番寿司』で史上最高峰に美味しかったトロにしんと帆立と炙り銀鱈の写真で締めようと思います。人生最高だった…。炙り銀鱈は口に入れる前から既に美味しかった…。

20分近く待ち
ワクワクしながらお茶を飲んでしばし待つ
トロにしんのとろけ具合
帆立のぶりっぶり感
ガリも最高に美味かった
炙りの香りと柚子塩が最高…

〇れいちゃんのInstagram


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