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TOEFL の対策

本記事では、筆者が行った TOEFL iBT の対策をまとめてみました。
留学等で TOEFL のスコアが必要になる方のご参考になれば幸いです。


はじめに

英語圏への留学を考えている場合、たいてい、英語能力の証明として TOEFL や IELTS のスコアが求められます。IELTS はイギリス、TOEFL はアメリカのイメージが強いですが、現在では TOEFL、IELTS ともに受け入れていること大学も多いです。他にも Duolingo 等を採用しているところもあるので、志望大学がどのスコアを受け入れているか、事前に確認してください。(Duolingo は、TOEFL 等より点数がとりやすいと聞いたことがありますが、解いたことがないのでわかりません…。)
また、TOEFL は TOEFL でも Home Edition は受け入れられたり受け入れられなかったりといったように、細かなルールがあったりするので、そのあたりも要確認です。 
個人的には、TOEFL iBT または IELTS を会場で受験していれば、大きな問題なく、どこにでも出願できると思います。
また TOEFL や IELTS のスコアには有効期限があり、出願時からさかのぼって 2 年以内のものでないといけません。英語能力の証明が免除される特殊な場合を除いて、過去に良いスコアを取っていても、有効期限が切れている場合は使えないため注意が必要です。

目標スコアの設定

筆者は主にアメリカ留学を目指していたので、TOEFL を受験することとしました。受験すると決めたら、次に行うことは目標スコアの設定です。
PhD 留学を考えている場合、大学によっては minimum score を設定していることがあるため、そのあたりから目標スコアを設定すると良いでしょう。
※minimum score は、total score についてのみ言及している大学もあれば、各 section ごとに minimum score を設定しているところもあります。自分の志望大学の要件をよく確認してください。
筆者の場合は、色々な大学を見た結果、とりあえず合計で 100 あれば良いかなと考え、準備を始めました。
(今考えると、Speaking, Writing, Reading, Listening の各 section で 25 ずつ、合計 110 以上とを目標とするべきだったと思っています。というのも意外と、Speaking で 25 以上を求めてくる大学が多いからです。)

Harvard BBS の場合(https://bbsphd.hms.harvard.edu/apply)
Cambridge の一部のコースの場合(https://www.postgraduate.study.cam.ac.uk/courses/directory/pcchpdpch/requirements)

現状の把握

筆者は以前一度、TOEFL iBT を受けていたことがあったため、まずはその時のスコアを見直しました。

対策前のスコア

これによると、Listening, Speaking, Writing に改善の余地があるように思われたため、そのあたりを重点的に勉強するようにしました。

はじめに行った対策

これらは、出願の 1 年半前 ~ 1 年前までに行っていた対策です。

英単語

まずは Vocabulary を増やすべく、英単語を勉強しました。筆者が使用したのは、巷でよく使われている 「TOEFL テスト 英単語 3800」です。特にこだわりはありません。 

しかし本は、持ち歩くのが重く、また空き時間にサクッと開くことが難しいため、筆者は mikan という英単語学習アプリを使いました。mikan というと、高校生が使うイメージがありますが、音声もついており、クイズ形式で簡単に学習ができるほか、間違えた問題は記録されるなど、何かと効率よく勉強することができました。ただ、無料だと使える教材が限られているため、TOEFL テスト 英単語 3800 を使うためには有料プランへの加入が必要です。

英熟語については、TOEFL テスト 英熟語 700 という本を友人から譲り受けたものの、やる気が起きず、手が付けられませんでした(涙)

発音の練習

英語の発音矯正としては、ELSA Speak というアプリを、毎日、寝る前に 30 分ほど使っていました。こちらも有料プランへの加入が必要だったため、もとを取るべくして使っていました笑

ただ筆者が ELSA を使い始めたときには、有料プランにさえ入っていれば、IELTS の対策のようなセットがあったのですが、最近は、そうした学習セットを使うためにさらにお金を払わなければいけない仕組みになっている気がします…。
いずれにせよ、AI が相手だと、安心して発音に集中することができることがメリットです。ELSA である必要性はないと思います。

英語を聞けるようにする

英語を日常で聞く機会を作ろうと、ポッドキャストを聞くようにしていました。特に好きだったのは、StudyIn ネイティブ英会話 Podcast と Kevin's English Room です。もはや日本語感もありますが、この二つは抵抗なく始められると思います…。あ、たまには、TED Talks Daily も聞いていました。
また Netflix 等で、洋画も見るようにしていました。特に私が好きだったのは、Black Mirror という短編 SF で、朝の支度をしながら流し、できるだけ字幕を見ないように頑張っていました。(が、難しすぎて諦めてしまい、ただ楽しんでいました。ダメダメです。)

試験を見据えた対策

これらは出願 1 年前 ~ 10 か月前頃までに行った対策です。なお、英単語だけは継続して学習するようにしていました。

TPO

まずはじめに、筆者は、完全なる TPO 信者です。TPO 以外はほぼ使ったことがありません。また TOEFL 対策講座なども受けてはいません。
TPO とは?という方や TPO を使ってみたい、という方は、下記のリンクをご参照ください。

簡単に言うと、TPO とは、ETS が公式に認めている問題集です。しかも、基本的に無料で使うことができます。また問題セットも豊富です。もとは中国のものということですが、筆者の周りには中国系の方が多かったので、みなさん TPO を使われていた印象です。
筆者も TPO を使って、それぞれの問題に慣れるようにしました。

TPO Reading

TOEFL iBT は、PC ベースでの試験になるため、紙媒体で印刷したもので対策してもあまり意味がありません。特に、マーキングをすることができないことが、一番のストレスですが、これは慣れるしかありません。そういった意味で、本番さながら、オンライン上で問題を解くことのできる TPO は非常に有用です。また、Reading のネックは、時間配分ですが、こちらも TPO で時間をカウントしながら問題を解く練習ができるため、本番を意識して対策ができます。
2023 年 7 月より、新形式の TOEFL がはじまりましたが、基本的には、一つの大問を 16 分以内に解くようにします。(現在 Reading は、35 分で、大問 2 つとなっています。各大問には、10 の問いがあります。)
はじめは、なかなか時間が厳しいと思いますが、慣れてくると、読めるようになってきます。

TPO Listening

Listening は、まず普通に問題を解きます。このとき、メモを取りながら、解くようにします。TOEFL では、本番もメモを取ることが許されているため、できるだけ効率よく、わかりやすいメモを取る練習が大切です。略語を使ったり、表を作ったり、色々な工夫ができるかと思います。
筆者は問題を解き終えたら、Shadowing をするようにしました。TPO では、一文一文、隠しながら Shadowing をすることができるため、こちらを使うと良いと思います。
(余談ですが、TPO の良いところは、納得がいかない解答などに関して、多くのユーザのコメントが見られるところです笑 結構怒っている人たちを見ると、自分だけじゃないと思って頑張る気が起きます。)

TPO Speaking

Speaking では、まずテンプレートを作成しました。これは、少し調べていただければ、色々な例を見つけられると思いますが、このテンプレートにあてはめるように、答えを作るようににしていきました。テンプレートを作ると、無駄に考えなくても言葉が出てくるようになるため、時間短縮につながります。
また、speaking では、限られた時間の中で、メモを取ったり、話すアイディアを整理したりと、しなければいけないことが多く本当に大変ですが、このあたりも、練習で対策するようにします。
TPO では、自分の音声が録音されるため、問題を解き終えたら、一度聞き返してみると良いと思います(筆者にとっては苦痛な時間でした…笑)。また、TPO 内の「採点」で High Score を出した方の音声も聞くことができるため、自分の答えと比較することができます。
さて実はこの「採点」、有料ですが、Wechat Pay 等を使えば、我々日本人も利用することができます。そしてこの「採点」では、なんと ETS で使われている Speech Rater という AI が使われています。(本番では AI だけでなく、人間による採点もありますが。)
この「採点」のメリットは、値段が安いところ(筆者が使ったときは、1 セットで 20 元、各設問 5 元でした)、結果が早く届くところ、細かなフィードバックが得られるところ、本番に近い点数が出るところです。

Speech Rater による採点結果

結果は中国語で表記されますが、ページ全体に Google Translation 等を使ってしまえば問題はありません。
筆者は、一度 ETS の TOEFL iBT® Test Practice Online を購入したこともあるのですが、こちらと比べても TPO は、差し障りのない結果でした。

TPO Writing

Writing も、Task 1 に関してはある程度テンプレートを作成することができると思うので、Reading や Listening で聞いた内容をそこにあてはめていく形になります。Task 2 は、テンプレートを用意する感じではないと思いますが、論点と主張に気を付けて、具体例を入れるなどすれば、良いような気がします。すみません…。
タイピングに関しては、Writing では筆者は、使い慣れたキーボードではなく、QWERTY Keyboard のキーボードを購入し、練習するようにしていました。これは少しでも本番に近い環境にするためです。特に、「'」のような記号がどこにあるか、使い慣れないキーボードだと焦ってしまうことがあるため、事前に使い慣れておくことが大切かと思いました。
問題を解き終えたら、TPO 上で High Score の人の解答と自分の解答を見比べてみると良いでしょう。また、Grammarly に自分の解答を copy&paste し、文法のミスやより良い表現がないかを確認するようにします。
必要であれば、こちらも「採点」機能を購入することができます。ただこちらに関しては、筆者は試してみたことがありません。
また周囲にネイティブの友人や英語が得意な友人等がいれば、採点をお願いしてみると良いと思います。

最終結果

ざっくりと書いてしまいましたが、このような感じで対策をし、出願の 10 か月ほど前には、下のような点数をそろえることができました。この点数では、足りないところもたくさんあり、苦労もしましたが、最低基準は満たすことができたかな、といった感想です。Speaking や Writing が 25 に達しなかったことが一番痛いのですが、ここには大きな壁があると感じます…。

最終的なスコア

さて、出願準備にあたっては、英語ばかりに時間をかけることができないため、出願の 8 か月くらい前までには目標スコアを達成しておくことを強くお勧めします。
リアルな数字しか出すことができませんが、みなさまのお役に少しでも立てれば幸いです。

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