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映画【Arc】「死」のエンタメ化ってどう思う?
【#5】20210705
人生は物語。
どうも横山黎です。
このチャンネルは本、音楽、ドラマ、映画など、あらゆるものを題材に思ったこと、考えたことについて物語っていきます。
是非、最後まで読んでいってください。
ということで、今回は、映画『Arc』から考える「死のエンタメ化ってどう思う?」というテーマで話していこうと思います。
Arcって?
そもそも、どんな映画なのかっていうのを共有しておくと、
一言でいえば、不老不死の命を手に入れた女性の物語です。
放浪生活を送っていた主人公のリナは、19歳のときエマという女性と出逢い、彼女の元で「ボディワークス」をつくるという仕事を始めます。
ボディワークスとは、遺体を生きていた姿のまま保存できるように施術する仕事のことです。
普通なら、亡くなった人の身体って言うのはどんどん腐っていきますよね。
腐る前に処置をして、そして、ポーズを決めて保存するわけです。
そんななかですね、エマの弟、天音と出会います。
彼は、この技術を応用して、不老不死を実現しようと夢見ているんです。
10年の時が流れ、リナはエマの後を継ぐことになります。
ボディワークスが人々の認知を得て、毎日忙しく仕事をしています。
そんなある日、天音と再会を果たし、彼から話を聞いて、不老不死の実現まであと一歩であることを知ります。
リナは、やがて天音と恋に落ち、最愛の人と永遠に生き続けるために、天音が開発した不老不死の手術を受けます。
そんな風にして、30歳の身体のまま、永遠の人生を生きていくことになりますが……。
という物語になっています。
神秘的なボディワークス
個人的な感想ですけれども、この映画は全体的に美しいんですよね。
先ほどボディワークスという話がありましたけれども、完成した作品はどれも神秘的。
作品という呼び名が正しいかは置いておいて、とにかく美しいんですよ。
それにしたって既に亡くなっているわけですから、畏れみたいなものも感じるんですけれども、それも全部ひっくるめて、美しいものだなあと思いました。
だからこそ、ボディワークスを望む人っていうのが少なくなかったんだと思います。
様々な事情を抱えたたくさんの人が、エマやリナの元へと訪れました。
さらに、リナが責任者になってからは、美術館みたいに、ボディワークスを一般公開したりするんですよ。
大人だけじゃなくて、学校の社会科見学みたいな感じで、子どももボディワークスを観賞する機会があったりとか、遺体を作品として鑑賞する文化っていうのが、物語の中盤くらいで描かれるんです。
僕は、このシーンを目にしたときに、いろいろ思うことがあって、、、。
さっきも言ったとおり、「美しいなあ」とも感じていたんですが、
同時に、違和感も覚えていたんです。
人の死を、エンタメ化するのっていいんだっけ?
そんな風に思ってしまったんです。
「死」のエンタメ化
基本的に人は、「死」ってマイナスなイメージを持っていると思うんですよ。
誰かが亡くなった訃報を聞いて、「やったあ!嬉しい!」って思う人はなかなかいませんよね。
でも、僕等っていうのは、人の死をエンターテイメント化した本とか、映画とか、音楽とかを楽しむことをします。
さっきも言った通り、ボディワークスの一般公開のシーンっていうのは、人の死を、見て楽しむ「作品」として描かれているんですよ。
で、鑑賞している人たちは、特別悲しい表情しているわけではなくって、むしろ穏やかな雰囲気なんですよね。
「美しいね」「綺麗だね」
そんな風に口々に言っていて、楽しんでいます。
ここではちゃんとエンターテインメントが成立しているわけなんですよ。
人の死って悲しいものだし、悼むべきものだし、ないがしろに扱ったら周りから批難される、本当にデリケートなもの。
だけど、フィクションでは、「人の死」をエンタメ化したコンテンツに需要があるんですよね。
この矛盾に僕は違和感を覚えたんです。
僕も小説とか書いていて、ミステリーを書くこともあるんですけど、そうなるとやっぱり殺人事件とかを描かなきゃいけないわけですよ。
でね、最近は特に思うんですけど、
「あれ、殺人をエンタメ化してるのっていいんだっけ?」
って思い始めてきちゃったんですよ。
何を今さらとか思われるかもしれませんが、なんか、違和感を拭いきれないんですよね。
まあ、具体的な解決策はありませんが、ちょっとずつこの問題と向き合って、これからも自分が納得したものを作っていけたらなあと思いました。
みなさんは「人の死」のエンタメ化についてどう思うでしょうか?
最後まで読んでくださりありがとうございました。
横山黎でした。
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