映画「哀愁しんでれら」を見て体感温度-5℃になって劇場を後にした話

少し前に映画「哀愁しんでれら」を拝見しました。

個人的にTCP(ツタヤクリエイターズプログラム)で映像化された作品には強い興味があり、以前に観た映画「嘘を愛する女」もとても面白かったし、今回もどんな映画が出てくるのかとワクワクしながら観に行きました。

その結果...

観終わって劇場を後にするときには体感温度-5℃くらいになってて、とにかく近くのカフェに駆け込んで温かくて甘い飲み物が欲しい...ってなりました。

小さな歪みが徐々に大きくなり、最終的には倫理観をも崩落させていく様が妙にリアルで、というかもはやリアルすぎて、ラストの方ではちょっと寒気を感じてました。

この映画は


小春の生い立ちゆえの責任感が悪い方に作用して、

自分の倫理観のアンテナをあえて鈍らせていき、

最後はアンテナ自体を自分自身でへし折る物語


だと私は解釈しているのですが、何が一番リアルかと言えば、大悟の絶妙なモラハラ具合。

遠くから見ている分には圧倒的に”王子様”なのですが、近づいてよく見ると圧倒的に”学歴至上主義のモラハラ男”というのが何ともリアルすぎて、そしてそれを圧倒的に心根が優しそうで好感度120%な田中圭さんが演じているのが何より最高のキャスティング過ぎて、もはや感服するしかなかったです。

プリンセス系のストーリーはどれも結婚がゴールに据えられがちですが、シンデレラ自身はお城に入るまでの時間より、お城に入ってから過ごす時間の方が圧倒的に長いんですよね。

だからこそ、お城の中にいるのが息苦しいと思ったら、早々にガラスの靴から草履に履き替えて、すぐにでもお城から脱出して空気が綺麗で自然豊かな田舎町に帰れるようにしておくのが重要ですね。

甘くて温かいホットチョコレートを飲んで体感温度を回復させながら、そんなことを思う帰り道でした。


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