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【新人理学療法士向け】エビデンスにこだわり過ぎない方がいい理由

今回は、新人理学療法士がエビデンスに囚われてがんじがらめにならないように注意すべきことをお伝えします。

 

この記事で一番重要なのは、エビデンスを蔑ろにするのではなく、

 

自分で考えたことを信じる”ということです。

 

結論から述べると以下の通りです。

・患者のバックグラウンドを細かく把握する
・理学療法士であるあなたが考えた治療はそれだけでエビデンスに基づいているはず
・「運動学」「解剖学」「生理学」に基づいて治療プログラムを考案する

エビデンスが見つからないから治療プログラムが立てられないという悩みは、これで解決できるはずです。

 

以下に解説していきます。


実習や新人はエビデンスを聞かれる場面が多い

 

理学療法士が学生の頃は、実習先でレジュメやレポート作成に追われていたかと思います。

 

私も色々な文献を深夜まで読みあさり、自分が書いた文章の根拠を示そうともがいていました。

 

それはやはり、学生はまだ理学療法のアマチュアであり、エビデンスをしっかり学ばないといけない時期だからだと思います。

 

もちろんエビデンスに基づいた医療というのはすごく大事です。

 

ただ、目の前の患者の反応を置き去りにしないようにしましょう。

 

エビデンスはあくまで”一般的にこういう傾向がありそう”みたいなニュアンスです。

 

目の前の患者には当てはまらないことだってもちろんあります。

 

自分の仮説や治療が文献で見つからないこともあります。

 

まずエビデンスから考えるのではなく、目の前の患者の反応やバックグランドから考えて治療プログラムを立案していきます。


そのために重要な学問がありますそれは、


「運動学」「解剖学」「生理学」です。

 

そもそもエビデンスもこの3つを基本として派生していっています。


あなたが理学療法士の免許を取ったならば、運動、解剖、生理学から自分で考えて治療プログラムを考えることができるはずです。

 

患者の最適な治療法は担当にしかわからない

 

ここで極端な例を話します。

 

新人であるあなたが、患者に立ち上がり練習10回行うプログラムを考案したとします。

 

あなたの先輩PTから「立ち上がりのエビデンスは?」とか聞かれたとします。

 

ここであなたは立ち上がりに関するエビデンスを調べてくるわけです。

 

このやりとり、新人には勉強になると思いますが、こういうのをいちいち調べていたら治療が全く進まず、最悪の場合、エビデンスが見つからなかったから何したらいいかわからないとかってなってしまいます。

 

ちなみに「立ち上がり エビデンス」でググると、最初の方に脳卒中のリハビリに効果あると書かれている文献が見つかります。

 

ただ今ここで重要なのは、この患者のバックグラウンドをどこまで考えて治療プログラムを考えているかということじゃないでしょうか?

 

患者のバックグラウンドが把握できていれば、より細かい立ち上がり練習の設定ができます。

 

例えば、

 

片麻痺で重心移動が困難となり、離臀での重心移動目的にて立ち上がり練習を行う。

 

高さ設定は自宅で過ごしている椅子の高さに設定し、回数は10回程度でボルグスケール13となるため。

 

上記の例では、「立ち上がりの高さを〜cmにしたエビデンスは?」とか「回数は10回にしたエビデンスは?」とかそんなもの調べても出てこないですよね?

 

だって目の前の患者に対して理学療法のプロであるあなたが考え出したオリジナルの治療プログラムなのだから。

 

エビデンスに基づいていないのはまずいんじゃないかって?

 

ただこの治療プログラムはオリジナルだけど、全くの素人が考えたものではありません。

 

上記でも話しましたが、新人であろうとプロの理学療法士が、運動学、解剖学、生理学など、現在の科学でわかっていることを踏まえて考案したプログラムなんです。

 

つまり、間接的にエビデンスに基づいた治療プログラムなんです。


まとめ


最後にもう一度おさらいです。

・患者のバックグラウンドを細かく把握する
・理学療法士であるあなたが考えた治療はそれだけでエビデンスに基づいているはず
・「運動学」「解剖学」「生理学」に基づいて治療プログラムを考案する

特に新人のうちは上司からの教育で、とやかく指導で言われるかもしれませんが、一番重要なのはエビデンスではなく、患者の反応をみた自分の評価を信じることです。

 

エビデンスに囚われ過ぎず、目の前の患者の反応を大事にしましょう。

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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