CSCS × 理学療法士 = リスクを取れるトレーナーだと思うその訳
今回はCSCSというスポーツ系の資格と、理学療法士という医療系の資格2つを使いこなした時のメリットについてお話しします。
CSCSってなんだ?ってという方はこちらの記事をお読みください。
https://note.com/rehakaburakko/n/n618283c8f1b4
資格自体必須ではないが、知識はあった方が良い
最近は副業が流行っていて、本業とは全く違うようなことを仕事にしている人もいるかと思います。
そしてお互いの知識が思わぬ形で相乗効果をもたらす場合もあり得ます。
反面、似たような業種の中で活動されている人もいるでしょう。
同じような職業もまた、お互い良い刺激となり得ることもあります。
理学療法士にも似たような業種を学ぶことで相乗効果は生じると思います。
理学療法士という職業は病院勤務の割合が高いです。
そして特に急性期病院では術後の患者など、まだ状態が安定していない人を理学療法士はリハビリを行います。
リハビリの内容にもよると思いますが、トレーニングをしているのと同義だと思います。
運動中に急変する可能性のある人に対して理学療法士はトレーニングを行っている訳です。
一方CSCSを所持しているようなトレーナーという職業は、スポーツジムに所属していたり、トレーニング関係の運営会社やチーム専属のトレーナーをしているという人もいるでしょう。
トレーナーはクライアントに対し、目的別(筋力を付けたい、試合で勝ちたい、ダイエットしたいetc...)にトレーニングプランを提供します。
トレーナーはスポーツレベルに近い筋出力向上、筋力増強を求められてトレーニングを提供している訳です。
この二つの資格、今の説明だけで話すと、それぞれ長所と短所がありますよね。
理学療法士はリスク管理は行えるが、日常生活レベル程度の筋出力向上、筋力増強までしか実践したことない人が多い。
トレーナーはスポーツレベルでの筋出力向上、筋力増強までトレーニング内容を組み立てられるが、医学的なリスク管理までは業務範囲外である。
それぞれ経験したことのない部分を経験、あるいは勉強することで相乗効果が生まれます。
理学療法士は病院で働いている以上、スポーツレベルの知識はいらないんじゃないの?
とか、
トレーナーはそこまでハイリスクな人をトレーニングすることは稀だよ、
とかあると思いますが、勉強しておくメリットがあることを次にお話しします。
理学療法士は意外と知らないトレーニングメカニズム
例えば、入院中によくやる「立ち上がり練習」について。
立ち上がり方など細かい姿勢修正が行えるのが理学療法士の得意なところです。
ではこの「立ち上がり練習」、どれくらいの負荷で、何回、何セット、何秒休憩しますか?
この問いは理学療法士よりもCSCSを持つトレーナーの方が得意かもしれません。
なぜなら、急性期病院でのリハビリではここまで考えなくても「退院できるレベル」まで状態がよくなればいいからです。
ADL練習にて回復していき、退院されていきます。
問題は外来リハビリに移行した時です。
やはり術部周囲の筋萎縮が生じていることが多いです。
代償運動を少なくし、日常生活で筋萎縮してしまった部分も使えるように調整します。
同時にその部分のトレーニングも考える必要があります。
術直後ほどのリスクはありませんので、しっかり鍛えていきたいところですが、上記の問いを理解していないと、筋力向上は難しく、自主トレ指導も曖昧になるでしょう。
トレーナーが医学的リスクを知るメリット
トレーナーは上記の問いに得意なはずです。
なぜなら、クライアントの目的が筋力向上なので、上記の問いの根拠を元に仕事の中で繰り返し行なっていることでしょう。
1RMを測定し、持久系トレーニングか瞬発系トレーニングかまたはミックスかで負荷量、回数、頻度、休憩時間など全然変わってきます。
しかし、トレーナーは医学的知識が必須ではないためリスク管理が難しいかと思います。
例えば、最近は高齢者もジムへ行かれる人が増えてきたかと思います。
トレーニング中は力を入れるので高血圧になりやすいです。
そのときに起こりうる症状や発症する可能性のある疾患などいくつ思い浮かぶでしょうか?
この問いはトレーナーよりも理学療法士の方が得意かもしれません。
もちろんCSCSの教科書にはあまり詳しく書かれていません。
もちろん高齢者だけでなく、トレーニング中にケガが発生しないよう、トレーニング姿勢の修正、疲労感、脈、血圧などからトレーニングを中止にする判断など医学的知識があった方が良い場面もあるでしょう。
二つの資格の知識が合わされば、どちらの職場でも重宝される人材となり得るでしょう。
まとめ
今回の話を要約すると、
・CSCSのような資格を持つトレーナーと理学療法士の知識は相乗効果あり
・理学療法士は医学的リスク管理は得意だが、筋力向上に特化したスキルが乏しい
・トレーナーは筋力向上に特化したスキルを持つが医学的リスク管理の知識が乏しい
・二つの知識があれば、医療現場でもスポーツ現場でも、根拠のあるトレーニングメニューの提案、高度なリスク管理が行えるようになる
細かい強みの部分はそれぞれ記事にて紹介していこうかと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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