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これで上腕二頭筋長頭腱炎は怖くない!

こんにちは.
リハビリ研究室です!

本日は上腕二頭筋長頭腱炎についてお話ししていきます.
上腕二頭筋長頭腱炎は肩痛の方によくみられる病態です.

特に腱板機能が弱化したり,姿勢不良から上腕骨頭が前方化することで上腕前面を走行している長頭腱に負担がかかり痛みが出ることが多いです.

上腕二頭筋長頭腱炎はポイントを抑えないと,
疼痛が遷延化する恐れもあるので今日はしっかり覚えて明日からの臨床に生かしてください!!

1,上腕二頭筋長頭腱炎へのリハビリの考え方


 上腕二頭筋長頭腱”炎”と言われているくらいなので,
炎症が起こっていることをまずは把握してください!
 そのため,最初は炎症の沈静化が大事です!
 炎症を抑えるには,基本的に活動量を抑えるが一番です!しかし人それぞれ生活スタイルが違うため患者さんに合わせた活動量管理をしましょう!

炎症が治ったら,考えなければいけないことは,
「摩擦を減らす」「負担を減らす」ことです.
基本的には上記の2つのストレスが慢性的にかかることで,炎症が起こります.外傷で起こることもありますが,多くは外傷後に腱板機能などが低下し,結果的に上腕二頭筋腱に負担がかかります.

2,特に摩擦ストレスには注意!!


 まず,上腕二頭筋の解剖についておさらいします.

 起始・停止
 長頭
 起始;肩甲骨関節上結節 停止;橈骨粗面及び上腕二頭筋腱膜
 作用;肘関節屈曲,前腕回外
 支配神経;筋皮神経
 血液供給;上腕静脈

 短頭
 起始;鳥口突起 停止;橈骨粗面
 作用;長頭と同様
 支配神経;筋皮神経
 血液供給;上腕静脈


上腕二頭筋 長頭
@visiblebodyに感謝します
上腕二頭筋 短頭
@@visiblebodyに感謝します


 上の図からも分かる通り,
 上腕二頭筋長頭腱は結節間溝部を通るため摩擦ストレスを受けます.
 この繰り返しの摩擦ストレスが上腕二頭筋長頭腱炎の主な原因です!

 そのため,この摩擦ストレスを減らすようにリハビリを進めないといけません.

3,上腕二頭筋腱のdepressor機能について


 上腕二頭筋長頭は上腕骨頭を引き下げるdepressor機能を有しています.
 また,上腕骨頭を引き下げる機能としてよく知られているのが,回旋筋腱板です!
 そもそも上腕骨頭は挙上動作などにおいて,下方に引き下がらないと肩峰下インピンジメントを起こすことがあります.
 なので,肩関節において,上腕骨頭のdepressor機能はとても重要です!
 しかし,腱板機能が低下すると上腕骨頭を下げる機能として,上腕二頭筋長頭が担う負担が大きくなり,負荷が増大し,結果的に炎症が起こります!


 ですので,上腕二頭筋長頭腱炎患者さんに対しての腱板機能の評価は非常に重要です!!

*おまけ
 上腕二頭筋長頭のdepressor機能に対して,三角筋は上腕骨頭を引き上げるので三角筋の緊張が高い時は注意しましょう!

4,拮抗筋作用について


 上腕二頭筋の拮抗筋である上腕三頭筋は,長頭腱炎後,過緊張に陥りやすいので注意が必要です!
 炎症沈静化後は,上腕三頭筋の機能評価もして,必要があれば機能改善が必要です!!

まとめ

上腕二頭筋長頭腱炎のリハビリのポイントについて紹介しました.
まずは,炎症を鎮静化させることが重要ですので,
生活指導などで,負担がかかる動きをしない,特に膝関節屈曲位で重い荷物を持ち上げるリフト動作などには十分に注意が必要です!
 日常生活で負担がかかる動きを取り除かないと炎症も治らないので,患者教育しながらリハビリを進めてみてください!

本日は以上です.
参考になれば幸いです!
他にも運動器に関わることについて発信してますので是非覗いてみてください!


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