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『Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~ <OCEAN STAGE>名古屋公演』はひたすらに「大好き」は、「伝わる」の証明だった。

こんにちは、レです。

前回の記事、

「『Aqours EXTRA LoveLive!〜DREAMY CONCERT 2021〜』は「再会」と共に、「ここに、今、確かにAqoursがいた」証を残すタイムカプセル的ライブだった。」

に続きまして、
2022年2月12日、13日に愛知県名古屋、バンテリンドームで行われた『Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~ <OCEAN STAGE>』の感想を書いて行きたいと思います。

1.はじめに

『Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~ <OCEAN STAGE>』
Aqoursとしては2019年6月以来の「ナンバリングライブ」かつ、Aqours史上初の関東以外の「ドーム級」の会場。
今回の名古屋公演が<OCEAN STAGE>、3月に開催される埼玉公演が<SUNNY STAGE>とサブタイトルがついており、それぞれ違うコンセプトで行われることが予告されておりました。

そして、2020年9月に開催される予定であった
5周年の5大ドームツアー、『Aqours 6th LoveLive! DOME TOUR 2020』も同会場、バンテリンドーム(旧:ナゴヤドーム)から開幕する予定でした。

Aqoursにとってはリベンジマッチとも言える「夢の続き」、
そんな様々な想いが詰まった6thライブツアー、名古屋公演を今回紐解いて行きたいと思います。

2.セットリスト

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『Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~ <OCEAN STAGE>
2022/02/12 Day1 セットリスト

01. KU-RU-KU-RU Cruller!
02. Hop? Stop? Nonstop!
03. DREAMY COLOR
04. 夢で夜空を照らしたい/高海千歌、桜内梨子、渡辺 曜、津島善子、国木田花丸、黒澤ルビィ
05. MY "LIST" to You!/国木田花丸、津島善子、黒澤ルビィ

06. 涙が雪になる前に/松浦果南、小原鞠莉
07. キモチもユメも一緒だね!/国木田花丸、黒澤ルビィ
08. Misty Frosty Love/桜内梨子、渡辺 曜
09. Party! Party! PaPaPaParty!/高海千歌、黒澤ダイヤ、津島善子

10. Aqours Pirates Desire
11. Daydream Warrior
12. 君の瞳を巡る冒険
13. 恋になりたいAQUARIUM
14. WATER BLUE NEW WORLD

15. 青空Jumping Heart
16. 冒険Type A, B, C!!
17. Step!ZERO to ONE
18. 涙×
19. MIRAI TICKET

EN:01. not ALONE not HITORI
EN:02. SUKI for you, DREAM for you!

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『Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~ <OCEAN STAGE>
2022/02/13 Day2 セットリスト 

01. KU-RU-KU-RU Cruller!
02. Hop? Stop? Nonstop!
03. DREAMY COLOR
04. 夢で夜空を照らしたい/高海千歌、桜内梨子、渡辺 曜、津島善子、国木田花丸、黒澤ルビィ
05. 少女以上の恋がしたい/高海千歌、桜内梨子、渡辺曜

06. 涙が雪になる前に/松浦果南、小原鞠莉
07. キモチもユメも一緒だね!/国木田花丸、黒澤ルビィ
08. Misty Frosty Love/桜内梨子、渡辺 曜
09. Party! Party! PaPaPaParty!/高海千歌、黒澤ダイヤ、津島善子

10. Aqours Pirates Desire
11. Daydream Warrior
12. 君の瞳を巡る冒険
13. 恋になりたいAQUARIUM
14. WATER BLUE NEW WORLD

15. 青空Jumping Heart
16. 冒険Type A, B, C!!
17. Aqours☆HEROES
18. 涙×
19. MIRAI TICKET

EN:01. not ALONE not HITORI
EN:02. SUKI for you, DREAM for you!

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今回も各セクションごとに感想を書き殴っていきます。

01. KU-RU-KU-RU Cruller!
02. Hop? Stop? Nonstop!

開幕一曲目は、今回の表題曲でもある「KU-RU-KU-RU Cruller!」
人気ゲーム「モンスターストライク」とのタイアップソングとしてリリースされ、新規MVも制作。
そのクオリティにリリース前の時点から話題沸騰だったこの曲からスタートです。
「脱シンクロパフォーマンス」とも言われて久しいAqoursではありますが、この曲では基本中の基本を大切に「アニメキャラクターとの動きのシンクロ」が表情、画角、全てにおいて最大級に追求されています。

@lovelive_official

3/5・6に埼玉メットライフドーム(3/1よりベルーナドーム)でAqours 6thライブ<SUNNY STAGE>が開催!チケット発売中!#lovelive #Aqours

♬ KU-RU-KU-RU Cruller! - Aqours

前回のライブ、「DREAMY COLOR」における「smile smile ship Start!」と同じく、ラブライブ!公式TikTokにてシンクロパフォーマンスに重点を置いたムービーも公開中。
初心であり、基本中の基本であるシンクロの部分を欠かさない、進化し続けるAqoursが詰まったパフォーマンスです。

「信じているんだ君には伝わると
大好きが伝わると」
「大好き!」
KU-RU-KU-RU Cruller!

開幕一曲目にして、このライブ全体を通して、伝えられるメッセージである「大好き」「伝える」というワードが出てきます。

この、『Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~ <OCEAN STAGE>』、そして『Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~ <SUNNY STAGE>』にかけても一貫してテーマとしてあるものが、この「大好き」「伝える」ということだと思っています。

「大好き」「伝わる」ことをひたすらに証明していくライブ、これがAqoursの6th LoveLive!であった、と考えています。

続いてスクリーンに映されるのは、渡辺月ちゃん。
月ちゃんのカメラのアップから始まる「Hop!Stop?Nonstop!」。

今回、有料同時生配信も行われていたこのライブ、開幕曲の「KU-RU-KU-RU Cruller!」のMVも描かれるオンラインライブの世界観と合わせて、月ちゃんカメラの視点から映されるこの曲は「配信組」ならでは臨場感も高まります。

「コトバを歌に乗せた時に
伝わってくこの想い ずっと忘れない」
Hop!Stop?Nonstop!

海<OCEAN>を超えて、名古屋の会場のみならず、全世界の配信で見てる観客まで伝わっていくこの想いは、2曲目の「Hop!Stop?Nonstop!」により、ますます強く広がっていきます。

03:DREAMY COLOR
04:夢で夜空を照らしたい

挨拶を挟んで、歌われるのは、初の実写MVで話題にもなった「DREAMY COLOR」
前回の「DREAMY CONCERT」ではアンコール後の最終幕、そして年末の「COUNTDOWN LoveLive! 2021→2022」では選手宣誓のように開幕から放ってきたAqoursの新たなる挑戦にして現環境最終奥義。

「DREAMY COLOR…!?!?こんな序盤で!?!!?」と思わず叫びたくなるような、まさかの3曲目披露。

この曲が序盤に披露されるということの"伏線"
6th追加公演前最終公演である、ベルーナドーム、<SUNNY STAGE>の2日目に回収されることになるんですが、
現環境最終奥義を序盤に繰り出しても弾が尽きない、そんなAqoursの攻めたセトリに楽しみの気持ちが増していきます。

「DREAMY COLOR」で花道を駆け抜け、メンバーはバックステージへ、
そこで歌われるのはナンバリングライブでは、なんと1stライブ以来、5年ぶりの披露となる「夢で夜空を照らしたい」。

これ、めちゃくちゃ聴きたかった…。

「DREAMY COLOR」からのランタンの連想で、セットリストとしての流れも良かったですし、

ランタン色(みかん色)に染まる会場を眺めながら、

「消えない 消えない 消えないのは
今まで自分を育てた景色」
夢で夜空を照らしたい

この歌詞を歌う伊波杏樹さんの姿には、何度も消えてしまった数々の公演を踏まえて、
「それでも消えない!」と歌う気高さ、美しさを感じて、心を打たれました。
千歌ちゃんにとっての「消えない景色」は沼津や内浦の景色だったり、もしかしたら浦の星女学院の景色だったりするのかもしれません。
この日の伊波杏樹さんの瞳には今日この場所、「バンテリンドームの景色」が映っていて、それを気持ちに込めて歌っているように思えて、また違った「夢で夜空を照らしたい」を感じました。


05. MY "LIST" to You!/国木田花丸、津島善子、黒澤ルビィ
⇄05.少女以上の恋がしたい/高海千歌、桜内梨子、渡辺曜

ここは日替わり&まさかの学年別9人曲カバーセクション。
そして、2/12、2/13の日付にもちなんで「バレンタイン要素」のパートでもありました。
「大好き」を「伝える」、バレンタインってそういう日ですよね。
全体に通る軸に、バレンタイン要素も絡めるあたりがなんともアイドルチックであり、
「恋の歌」に焦がれていたAqoursらしくもあり、
素敵な要素でした。

06. 涙が雪になる前に/松浦果南、小原鞠莉
07. キモチもユメも一緒だね!/国木田花丸、黒澤ルビィ
08. Misty Frosty Love/桜内梨子、渡辺 曜
09. Party! Party! PaPaPaParty!/高海千歌、黒澤ダイヤ、津島善子

「冬デュオトリオ」セクション。
前セクションの「夢で夜空を照らしたい」や、後に歌われる「MIRAI TICKET」含め、
全体的にTVアニメ1期の雰囲気を持っていたこの<OCEAN STAGE>。
そこの要素を補強したのが、この「TVアニメ一期時点の人間関係」を描いた「冬デュオトリオ」

当初はおそらく、2020年12月26日、12月27日に福岡・PayPayドームにて開催される予定であった『Aqours 6th LoveLive! DOME TOUR 2020 〜WHITE CHRISTMAS PARTY 』で披露されるはずだったであろう「冬デュオトリオ」。

それをオンライン&初の年越しカウントダウンとして再構成した2020年12月30日、12月31日の「WHITE ISLAND」にて初のライブ披露。

そして初の有観客披露は、<OCEAN STAGE>の2022年の2月12日、2月13日。

クリスマス→大晦日→バレンタインと披露されるシーズンが変わってきたこの曲群。

特に「Party!Party!PaPaPaParty!」は歌詞にクリスマスとあるわけですし、ちょっと愉快なことになってしまう懸念もありました。

でもそもそも「Party!Party!PaPaPaParty!」の歌詞の本当の本質は、
「集まる理由、楽しむ理由なんて雪、桜、花火、十五夜、なんでもあり!!」
というところなので、

クリスマス、年末、バレンタイン、そうやってシーズンを渡ってきた冬デュオトリオでしたけど、
この曲の懐の深さにそれもまた、
「ありだよ!!!」と背中を押されてる感じもして、とっても好きでした。
バレンタインにクリスマス???
滑稽???いやいや!"あり"だよ!!!😳

最後にバレンタインチョコを後ろから取ってくる時のぐ〜りんぱの3人のドナルドダックのようなもこもこヒップがあまりにも可愛らしく、思わず狂ってしまいました。

10. Aqours Pirates Desire
11. Daydream Warrior
12. 君の瞳を巡る冒険

次のセクションはおそらくAqoursのライブ史上最高に「攻め」の姿勢を見せたセクション。
衣装はキャストオリジナル衣装の私服風、韓流アイドル風とも言える通称「Pink × Black」。(BL◯CKP◯NKって頑なに言わないあたりのギリギリ感が好きです。)

こういうアプローチのオリジナル衣装は、5thライブの「SKY JOURNEY」セクションの黒ジャケット衣装以来でしょうか。
衣装として既製品の洋服を組み込むのはGuilty Kissのコワレヤスキ衣装のVIVETTAのつけ襟など、細かく言うと過去にもありましたが、ここまでがっつり、既製品の洋服をそのままにアイドル衣装として落とし込んだことは過去にもなかったので、
この攻めこんだオリジナル衣装に圧倒されてしまいました。

キャスト当人たちの「ファッション」へのアンテナの高さは各々のソロ活動でも伝わってきますし、
ラブライブ!サンシャイン!!としてもいくつかのファッション雑誌に掲載されたりしてきた歴史があります。
そんなAqoursの一面の集大成と言っていい、この「Pink × Black」で披露されるのは、
「Aqours Pirates Desire」「Daydream Warrior」「君の瞳を巡る冒険」
Aqoursのクール属性の楽曲がラッシュで続きます。

特に有観客初披露の「Aqours Pirates Desire」のドーム級の会場での迫力は只者ではありませんでした。
「赤い自由の旗 風切って走るよ」でドーム中が赤色のライティングになり、自身のメンバーカラーに照らされる小宮有紗さんの美しさはもはやゾクっと来るものがありましたし、
自身よりも大きな旗を花道中央で振り回す斉藤朱夏さんの「末っ子エース」感はやはり健在。

「どんなコトでもするよ欲しいと
感じた時 身体が動くよ!」
「どんなモノも私のものだよ
だったら今手にしてみようか!」
「どんなコトでもするよ欲しいと
感じたならココロは止まらない!」
「奪うんだ!!!」
Aqours Pirates Desire

海賊モチーフのダーティな歌詞ですが、
根っこの部分は「がむしゃら」で「諦めない!」なAqoursらしさが溢れる楽曲。

特にこの一度奪われたドームの舞台で、
「奪うんだ!!!」と夢を取り返すAqoursは、Pink × Blackの衣装も相まって、震えるほどかっこよかったです。

13. 恋になりたいAQUARIUM
14. WATER BLUE NEW WORLD

クール属性の楽曲ラッシュから一転、ほがらかなMCのあとは「いつものAqours」「恋になりたいAQUARIUM」
衣装はPink × Blackのままなので、かっこいい×かわいいの強烈なギャップを感じながらも、
私服に近い衣装で「いつもの恋アク」を歌うAqoursは、何年か後の未来の千歌たちAqoursが、「"恋アク"なら合わせられるよね?!」って私服のまま即興で踊った恋アクのようにも感じれて、
前回のDREAMY CONCERTで提示された「未来のAqours」のエッセンスもちょっぴり感じました。

そして今セクション最終楽曲は「WATER BLUE NEW WORLD」。
年末の「COUNTDOWN LoveLive!2021→2022」にて、3rdライブぶりにTVアニメと同じく「フルフォーメーション」で披露された楽曲ですが、今回は完全オリジナル衣装での披露です。

「イマ」を重ね「ミライ」へ向かうこの曲が、魅せ方として、千歌たちのアキバドームの「再現」に拘らず、新しい形を見せ続けてくれるのは、この楽曲の本質にリンクしているのかもしれません。


15. 青空Jumping Heart
16. 冒険Type A, B, C!!
17. Step!ZERO to ONE⇄Aqours☆HEROES

Aqours史上最高に"攻めた"、前セクションからの、「青空Jumping Heart」から始まるこのセクションは「ザ・王道」
「新・青ジャン衣装(通称:キラジャン)」に身を包み、人気曲を披露するAqoursは、まさに「王道」
「これを待ってた!!!!」というファンも多かったかもしれません。

「青空Jumping Heart」の疾走感をそのままに人気楽曲「冒険Type A,B,C!!」
そして、初期衝動の憧れやドキドキ、ワクワクを歌う日替わり楽曲、「Step!ZERO to ONE」「Aqours☆HEROES」も楽しく、
まさに「Aqours」!!!と言わんばかりのセクション。
「Aqours☆HEROES、いつぶりだっけ?2020年のオンラインのカウントダウンぶり??」と思い出を振り返る逢田梨香子さんも印象的でした。(あってる!!!)

18. 涙×
19. MIRAI TICKET

新・青ジャン衣装を見に纏ったまま、ライブは最終局面に入ります。
センターステージで歌われるのは、ベストアルバムに収録された名バラード、「涙×(じゃない)」
「キセキヒカル」もですけど、この9人、バラードでの表現力はどのグループにも負けないくらいすげぇんだ。
女優組の伊波杏樹さん、小宮有紗さんは別格級に。他のメンバーもその表現力を吸収し、切磋琢磨してきた6年間で、2人に負けないどころか時には上回るような表現力を出す瞬間もあり、もう、「ミュージカル」のようなステージ。
1stライブでは、「MIRAI TICKET」前の寸劇を再現する演出がありましたが、
「涙×(じゃない)」は、その寸劇の表現をそのまま、歌に乗せてパフォーマンスするような、そんな表現力に圧倒されました。

そして、終盤、センターに立つ伊波杏樹さんが一人ひとり、メンバーに想いを送り、受け取るようなシーンが繰り返し行われます。
その光景には、前回のDREAMY CONCERTの「9人でなければAqoursじゃない、9人でなければAqoursである意味がない」と自分に言い聞かせるように反芻していた伊波杏樹さんの姿も思い出されます。

伊波杏樹さん、「高海千歌として生きる」ステージの上で、本当にいろいろな表情を魅せてくれますけど、私が一番好きな、この人の表情って、
「メンバーを慈しむように眺める」時の表情で。

例えば、「HAPPY PARTY TRAIN」、真ん中で落ちサビのソロパートを歌う諏訪ななかさんを見上げる時の伊波杏樹さん。

例えば、「未体験HORIZON」、一人ひとりのソロパートを繋ぎ、自身の「動き出したミライへ…」で締めた後にこの曲の主人公:高槻かなこさんにバトンを渡す時の伊波杏樹さん。

その時の、自分以外のメンバーに向けられる、この人の慈しみの表情が、なによりも美しくて、輝いてて。

そんな伊波杏樹さんの表情を、この「涙×(じゃない)」では、見ることができました。

センターステージ、360°、様々な角度から、想いを伝え、受け止め合うメンバーが見れた「涙×(じゃない)」でしたが、

お互いの想いを込めた表情と感情を、真正面から受け止めることができる景色は、伊波杏樹さんだけの、特等席

「9人のAqours」のために、おそらく、誰よりも苦心し、迷って、もがいてくれた、伊波杏樹さんだけの特等席が、そこにあったことが、なによりも嬉しかったです。

そして、本編最後の曲となるのがTVアニメ一期最終話挿入歌、「MIRAI TICKET」。
この曲がここで歌われることに関しては、どこか確信めいた予感がありましたが、「涙×(じゃない)」からの流れで歌われる「MIRAI TICKET」のイントロが流れた際には、いろいろな感情が込み上げて、感極まる想いでした。

<OCEAN STAGE>で歌われる「MIRAI TICKET」には様々な意味を内包していて。

・TVアニメのラブライブ!東海地区予選会場である「名古屋」で歌われた曲であること。

・2020年9月に行われる予定だった『Aqours 6th LoveLive! DOME TOUR 2020 』の名古屋公演のサブタイトルは、『MIRAI TICKET』であったこと。

・今ライブでも歌われた「冬デュオトリオ」で提示された「アニメ一期時点での人間関係」の一つのゴール地点としてのTVアニメ一期最終話挿入歌、「MIRAI TICKET」であったこと。

「涙×(じゃない)」の後の楽曲は、それぞれ、
<OCEAN STAGE>では、TVアニメ一期最終話挿入歌「MIRAI TICKET」
<SUNNY STAGE>では、TVアニメ二期最終話挿入歌「WONDERFUL STORIES」になっていたのもあって、この辺りは<OCEAN STAGE>、<SUNNY STAGE>で分かりやすく対比となっていた箇所のひとつでしょう。

特に冬デュオトリオ、「Misty Frosty Love」ですれ違ったまま終わったようりこコンビが、
「MIRAI TICKET」の千歌の「みんな!一緒に輝こう!!!」の後に二人で顔を見合わせて微笑み合うシーンがお馴染みに挿入されたこともあり、
「アニメ一期時点でのひとつの大きなゴール」として、「MIRAI TICKET」がこの日に披露されたことは、すごく大きな意味があったと思っています。

ちなみに、前セクションでの「WATER BLUE NEW WORLD」「MIRAI TICKET」が同日のライブで披露されるのは、今回の<OCEAN STAGE>が初めてでした。
4th東京ドームやラブライブ!フェス、「WATER BLUE NEW WORLD」「MIRAI TICKET」は対になるイメージが多かった曲なので、これもまた挑戦的なセットリストだったと思いました。

埼玉公演、<SUNNY STAGE>は、曲同士のシナジーや、「場所」に染み込んだ思い出などの強さが目立ったセットリストだったと思いますが、
<OCEAN STAGE>は、一曲一曲の単純な強さが目立ったセットリストだった気がします。

歓声禁止、それゆえの静寂の中で、あの9人だけの吐息や息遣いが聞こえる中での「MIRAI TICKET」の最後の「LaLaLaLaLa」の声だけが響き渡り、余韻を残しつつ、<OCEAN STAGE>の本編が幕を下ろします。


アンコール

歓声なしの中、手拍子のみが聴こえるアンコール。
それと同時に客席では5thライブの時と同じく、虹の景色ができ始めます。
次第にAqoursを呼ぶ手拍子が大きくなっていき、
会場のAqoursへの「大好き」の想いが最高潮に達していきます。

EN:01. not ALONE not HITORI

広がる虹の景色の中、再び現れたAqours。
その光景に驚きと喜びの表情を浮かべるメンバー。
そして、ラブライブ!シリーズのオールナイトニッポンGOLD、メインパーソナリティとして掴んだセンター、降幡 愛さんが、歌い始めます。

「どこなんだろう?
君はどこで聴いてるのかな?
どんなに遠くても大丈夫だよ。
ぜったぃ…、届けたぃ…、この気持ち…、
飛んでけっ!( ;  ; )
セカイの果てまでも( ;  ; )」
降幡 愛

「大好き」は、「伝わる」。

「信じているんだ 君には伝わると
『大好き』が伝わると」
「大好き!!!」
KU-RU-KU-RU Cruller!

それを1曲、1曲、ひたすらに証明し続けてきたライブでした。
そして、その証明の答えのひとつが「客席の虹」であったでしょうし、
客席側からも「大好き」「伝わる」と証明し返したようなこの構図は、このライブの「大好き」は「伝わる」のコンセプトの残りの1ピースを埋めたような、最後のもう一押しにも思われました。

もうあの頃の「泣き虫ふりりん」では決して無い、今の「ふりりん」が泣きそうになりながらも懸命に、

「ひとりじゃない!ひとりじゃない!!!」
not ALONE not HITORI

と叫ぶ。

「ひとりじゃない!」。

元々、この<OCEAN STAGE>の前身となった『Aqours 6th LoveLive! DOME TOUR 2020-MIRAI TICKET-』は、
一度は中止、ではなく「無観客での開催決行」が予定されていました。

Aqours 6th LoveLive! DOME TOUR 2020の公式HPより。
後に公演断念を発表。


広い、広い、ナゴヤドームの会場。
そこにポツンと9人だけで立つ姿。
実際に<OCEAN STAGE>でバンテリンドームの中に入り、まずその光景が脳裏をよぎり、
「それはあまりにも、酷だったな…」と思いました。
当時は「観客なんて、私たちなんて、いてもいなくてもどっちだっていいから、Aqoursの9人が当初立てるはずだったステージに何事もなかった世界と同じように立って欲しい、それ以上、何も望まない」と思っていたはずなのに、「その願望は、あまりにも、酷だった」と思ってしまいました。

それと同時に、今日という日を待って、
「観客が入ったバンテリンドーム」で迎えられてよかったな、って、
観客が入らないと絶対に作ることが出来なかったこの虹の景色を見て思えました。
あの日から、5大ドームツアーの開催断念を知った、2020年8月21日から、はじめて。

会場の虹の光の光景とともに歌われる「not ALONE not HITORI」

たくさんの「大好き」で満ち溢れた会場のまま、キャストの最後の挨拶が始まります。

特に印象的だったのは個人的に小宮有紗さんの最後の挨拶。

「Aqoursは夢を叶えるために、変わらなきゃ、変わらなきゃ。と思い続けてきたけど。
みなさんが変わらない景色を見せてくれました。」
小宮有紗

「変わらなきゃ」
奪われたドームツアーをやり遂げるため、それを何度も言葉にし、実際に行動に移してきたのは、小宮有紗さんに他ならないと思っていました。
衣装やセットリスト考案のみならず、
「DJ DIA」「Aqoursの爆弾」
彼女から発信された数々のクリエイティブな発想は、確実にAqoursを、より強いAqoursへと変えていってくれました。

それと同時に、

「神田明神に絵馬を書いてきたんです。
『2021年こそ、Aqoursのライブができますように』って。
アニメでダイヤが「私が願うことは現実になるんです」と言っていましたが、私も…、神田明神に願ったことが…、現実にっ…、なりました…!!」
小宮有紗
あと少しでニセモノのダイヤになるところだった…。
小宮有紗

DREAMY CONCERTにて、神田明神の絵馬のエピソードに擬えて、「現実にならない」ことを「ニセモノのダイヤになるところだった」と表現する小宮有紗さん。

「変わらなきゃ。」の想いの一方で、
「黒澤ダイヤ」としてステージに立つこと、
「黒澤ダイヤ」から変わってしまうことを誰よりも恐れていた小宮有紗さん。

「変わらなきゃ。」「変わりたくない」、その二つの狭間の葛藤の末に、たどり着いた夢のバンテリンドームで彼女を待っていたのが「変わらない虹の景色」だったことが、とても、とても美しいと思いました。

「変わっていく」、「進化していく」Aqoursと
「変わらない」Aqours。
その二つのAqoursを見せつけてくれたのが、この<OCEAN STAGE>だったと思います。

そして伊波杏樹さんの挨拶。

まずは、この素敵な虹の景色を見せてくれて、ありがとうございます。
その中で、配信で、「ここの一員になりたい…!!!」って思ったりとか、Aqoursを見たいよ!って想いを。
グッと堪えて配信にしてくれた方も沢山いらっしゃると思います。でもその想いも絶対に、ひとつも間違ってない!
伊波杏樹

本当に、この人は、ただの一人も置いてかないで手を伸ばして連れてってくれるんだ。

どうしてこんな言葉選びができるんだろうな。

元々ラブライブ!のファンだったからなのかな。

Snow halationのオレンジ色や、その他多くのキラキラの海の一員になることを、観客として憧れてた時期もあったからなのかな。

「虹」を見た立場でありながら、
「虹」を作る人、
「虹」に入りたいながらも「配信」を選んだ人。
その全てに寄り添いながら、
「どの選択も、間違ってない」と叫ぶこの人は。

どれだけの人がこの人の言葉に救われたんだろうか。

そんなことを考えながら、伊波さんの話を胸に刻んでました。

次は必ず、健康で、
元気にSUNNY STAGEでお会いしましょう!!!
伊波杏樹

「みんな、元気で、また会えるように。」

そんな歌の歌詞をふと思い出してしまうような言葉と共に、
6thライブ、最後の曲がはじまります。

EN:02. SUKI for you, DREAM for you!

「みんなーー!!!!」
「だーーーーいすきーーーー!!!!」
SUKI for you,DREAM for you!

「大好き」「伝わる」の証明だったこのライブの最後の曲は、この言葉から始まります。

「好きだって 好きだって
好きだって思うから伝えたくなっちゃう
分かち合えたら嬉しいよ!」
SUKI for you,DREAM for you!
「広がって 広がって
広がって欲しいのは好きだからだね
伝えたいよ 好きのパワー」
SUKI for you,DREAM for you!

「大好き」で溢れる会場のパワーを全力で受け止め、「大好き」を全力で返してくれるような、
そんな『相思相愛』「SUKI for you,DREAM for you!」

私がラブライブシリーズを好きな理由のひとつに、
「キャスト、スタッフ、ファン。
関わる人全ての『ラブライブ!を好き』の気持ちが尋常じゃない」というところがあります。

キャスト本人のライブへの想いだったり、
自身の演じるキャラクターやメンバーへの「大好き」。

そして、その想いを受け止めて、大きなプロジェクトを動かすスタッフさん。

そして、それを愛するファンの「大好き」。

「大好き」なものに対して、「大好き」のエネルギーに乗せて作られる物語だから、
またそれを「大好き」になってしまう。

「大好き」が、「大好き」なんです。

だから、この6thライブの「会場が大好きに溢れていく感じ」がたまらなく、「大好き」でした。

私の始まりは『ラブライブ!』が好きだ!
という気持ちだった!!!
伊波杏樹

だって、この物語は、「好き」の気持ちから始まった物語だったから。

花道全部、会場全てを使って、「大好き」を伝えにきてくれるAqours、
9人それぞれがそれぞれの独壇場を作り上げ、
それぞれに釘付けにさせる様子は、ソロを経験したからこそのAqoursを感じたり。

もう、すっげぇ、楽しかった。

最強のライブアンセム、「SUKI for you,DREAM for you!」とともに、最後まで最高潮の「楽しい!!!!」のまま、<OCEAN STAGE>は幕を下ろしました。


3.総評

「大好き」は「伝わる」、それをひたすら証明したステージだった<OCEAN STAGE>。
会場を出た後のふわふわした多幸感含め、このライブの思い出として刻まれています。

「次はみんな健康で!!SUNNY STAGEで会いましょう!!!」の言葉に、元気と勇気をもらい、
また、明日から、健康に、前を向いて生きよう!
と思った気持ちもお土産に、東京に帰ってきました。

次回は対となる、3月5日、6日に開催された、『Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~ <SUNNY STAGE>』について書きたいと思います。
同ツアーながら、大きくコンセプトが変わったこの公演、<OCEAN STAGE>との違いも含め、感想を綴っていきたい思います。

たくさんのスキや感想、励みになってます。
読んでいただき、ありがとうございました。

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