モンスター&モンスター#1
こんにちは。
株式会社REGATEの金城です。
本日は売買ではなく私が賃貸管理会社にいたときのお話です。
賃貸管理会社って何をしているの?という人は以下の記事をお読みください。
これを読むと胸焼けがすると評判です。
なので読んだらちゃんと戻ってきてくださいねwww
↓タップ
ちなみにこちらの長編もだいぶ気分が悪くなること必至です。
この賃貸管理会社で働いていて
「モンスターなオーナーさんに当たったな〜」
「そしたら入居者もモンスターだったな〜」
という思い出がありまして、その記憶を手繰り寄せるような内容です。
食前食後に読むのはお勧めしません。
◆突然の引き継ぎ
それはある日突然訪れた。
「金城。俺やめるから明日から全部引き継ぎやるから」
賃貸管理の会社に勤めてまだ2ヶ月くらい。
ようやく仕事に慣れてきたと思ったらいきなり先輩が辞めると言い出した。
お世辞にも仕事ができるとはいえない先輩。
適当にその場凌ぎで仕事をこなす印象の先輩。
(え・・・まじで?こいつの仕事を引き継ぐの?嫌だな〜)
ということしか頭にはなかった。。。
でも他の人は全員仕事を抱えすぎてパンク状態。
必然的に私が引き継がないといけない空気だった。
翌日から怒涛の引き継ぎラッシュ。
引き継ぎとは言っても物件のオーナーさんに顔合わせをして挨拶をするだけだ。本当に簡素的な引き継ぎしかできない。
賃貸管理のスタッフは入れ替わりが激しい。
「新しく担当します金城です!」
と元気に挨拶をしてもどのオーナーさんも
「また担当変わるの?みんなすぐ辞めちゃうね・・・」
という感じの対応。
オーナーさん巡りの旅は約一週間で完了。
パイセンが持っていた社用携帯を渡されて引き継ぎ完了。
最後に残ったのはパイセンが受けるはずだったクレーム処理だった。
「ね〜!前にも行ったけどまだできていないよ!」
「おい!何回言わせるんだ!」
「ずっと連絡待っていたのになんで折り返しもしないの?」
「え?聞いていない?ふざけるな!」
ずっと放置されてしまい、怒りのボルテージがマックスの入居者たち。。。。
この類の不毛なクレーム電話が朝から晩までずっと鳴り響く。
「なにかあったらいつでも電話してこいよ!これ俺の個人携帯だから!分からないこととか全部聞いてくれよ!」
と渡された番号は他人に繋がる始末。。。(こいつこ○す・・・)
まじで適当な仕事を適当に受け流すやつの後始末ほどきつい仕事はない。
パイセンにもし会う事があれば間違いなく全力で鼻を殴ってしまうだろう。
3回は殴ると思う。いや、足りないな。5回だな。そのあと踏むな。うん、安全靴の踵で踏むな。。。
おっと、本題から逸れてしまった。
今回はそんな適当なパイセンが残していったモンスターとのやりとりです。
賃貸管理の業務はただでさえ忙しいのにパイセンにほったらかしにされたクレームの嵐。
その中でも群を抜いて不愉快な人たちがいたんだ・・・
ではどうぞ〜
◆賃貸併用住宅
それはパイセンが居なくなってからすぐのこと。
携帯にワン切りがあり折り返す。
「金城さん。明日時間ある?物件のことで打ち合わせをしたい」
太田さん(仮称)に呼び出された。
電話は絶対にワン切りで折り返しを待つというスタイルの人。電話代の節約らしいが。。。
引き継ぎの時はパッと挨拶程度しかできていない。
太田さんの物件は現在建築中で、3階建ての最上階に住宅を構えて下の階にある2部屋を貸し出す予定のいわゆる住宅兼アパートといわれるやつだ。
物件は割高の家賃設定だがパイセンが2部屋とも賃貸契約を済ませていて、完成後はすぐに満室稼働が約束されている物件だった。
ちなみに私はこの案件を扱ったあとから徹底している事がある。
それはオーナーさんと入居者が一緒の空間に住むような物件は絶対に預からない。
という事。あと、太田さんという名前の人が心底嫌いになった。
それくらいトラウマになった物語です。
翌日の夕方に太田さんの現在の住まいにお呼ばれした。
(建築中の住宅が出来上がるまでは近所の古びたアパートに住んでいた)
リビングに通されて建築図面を広げられてあれやこれやと語る太田さん。
出された飲み物は水道水で薄く割ったお茶を紙コップに入れたもの。。。
夏の蒸し暑い夕暮れ時にもかかわらずエアコンはつけないし扇風機もない。
銀行からもらったであろううちわを手渡された。。。
にしてもこの人目が笑っていないんだよな。
神経質な人で全てにおいて自分の考えと合致しないと許せないというタイプの人といえば伝わるだろうか。いわゆる潔癖という言葉でも物足りないくらいの人だ。
この日は完成予定の間取り図を見せられて延々と完成後の夢物語とアパートの運用などを語られた。
この住宅兼アパートを構想するために数年前からFPの勉強をして、宅建も勉強して設計なども自分で勉強したし、現場の大工さんには細かく指導したと自慢げに話していた。銀行も金利の交渉のために県内のほとんどの主要銀行の本店に押しかけたらしい。
オープンルームや建築展示場なんかで50棟以上も見てきて、全部のいいところを取り入れたそうな。
関わった人たちはみんながみんなして辟易しただろうな。。。
今回、呼ばれた理由は目前に迫る完成後の引き渡しスケジュールの確認。
電話でも済むような内容だがどうしても意識を共有しておきたかったらしい・・・パイセン。管理の受託が欲しいのはわかるけど、へんな人から受託するなよと何度も思った。。。
完成が間近に迫る夢のマイホーム。
しかも入居者も決まっていてすぐに家賃収入も得られる。
「私の計画は寸分の狂いもない。金城さんも予定通りにお願いします」
ということを図面をみながら三時間くらい聞かされた。。。
この三時間を要約すると
『今までは古びたアパートで慎ましくお金を貯めた。女房子供にも節約をさせた。この新築物件は入居者にローンを払わせる事ができる最も合理的な物件で、私の人生の集大成だ』
といういわば口うるさいがケチなオーナーさんという自己紹介という内容だった。。。
◆完成間近
いよいよ完成が近づいてきた。
物件を巡回している時に大工さんに太田さんの愚痴を散々言われた。
現場の人にコーヒーを差し入れたら太田さんからは差し入れをされたこともないとも聞かされたw
太田さんは毎日のように現場に行っては大工さんたちに細かい手直しをさせているらしい。
早く完成させてこの現場から逃げたいとまで言われたw
細かい性格は仕方ないが思い入れが強すぎて常に監視されているのが耐えられないとのこと。。。
わかる気がする。私もすでに顔を合わせるのも嫌になっているのだから・・・
それでもどうにか完成は予定通りにできそうだ。
さて、完成も近いし気を取り直して二組の入居者に連絡をとって入居の段取りを説明することにしよう。
ひと組目の相田さんご夫婦はとても印象がよかった。
旦那さんは大手食品会社の部長。
奥様は客室乗務員をしているとのこと。
お子さんもお行儀がよく挨拶もしっかりしてくれる。
太田さんから事前に散々聞かされたご夫婦だ。
「私の物件には粗悪な入居者は入れたくない。だから家賃も高く設定しているし、その分豪華な室内を提供している。(標準の設備です)
年収が安い人には私の物件に住むには相応しくない。この相田さんご夫婦は属性も何もかも私の理想としている入居者だ」
と我が事のように絶賛していた。
なぜ入居者の職業など細かく把握しているのか疑問に思ったが、パイセンが入居申込書と保証会社の審査用紙のコピーを太田さんに手渡している事が判明。太田さんは保証会社の入居審査とは別に個人で入居者を審査したと言っている。
もうここまで細かいとある意味(自粛)
相田さんご一家の入居説明を終えて、残る1組の宮城さんご一家に説明だ。
宮城さんは旦那さんが役所勤めの公務員。
奥様はなにかの先生をしているとのこと。
子供は成人していてご夫婦お二人で住むという内容だ。
「相田さんご一家に比べると見劣りするが公務員と先生なら安心だ」
というのが太田審査を通過した理由らしい。
にしても入居者を『見劣りする』って。。。
この人マジでk(自粛)
だがこの宮城さんもすごかった。。。
だいぶ長い前置きになりました。
ここからは宮城さんと太田さんに振り回されて吐き気をもよおす事必至です。
トイレの準備はいいですか?食事は消化されていますか?
では、心してお読みください。
◆入居日の衝撃
賃貸管理会社の仕事の一つに引き渡し前の入居前チェックというものがある。
賃借人が入居する前からあった傷なのか?入居中に付けた傷なのかを確認するために必要な作業だ。設備の不具合の有無などもお客さんの入居前に全てチェックする。
今回は新築物件なので入居前から傷があるとか設備の不具合とかはあり得ない。
なので入居チェックは施主確認といわれるオーナーさんが新築物件の仕上がりをチェックするのに同席させてもらい、細かく写真などを納めることにした。
だが現場に言って後悔した。。。w
太田さんの施主確認は筆舌に尽くし難いくらい細かかった。
大工さん、水道屋さん、ガス屋さん、電気屋さん、建築メーカーの担当者さん。。。
たくさんの大人たちが死んだ魚の目になるような細かい指摘の連発。
指摘する項目だけで広辞苑が作れるくらい分厚くなりそうな感じだ。。。
たくさんの大人たちのため息で室内が充満している・・・
この施主確認の際に宮城さん宅のドアの建て付けが少し悪い事が判明。
宮城さんの入居予定は一週間後。
現場の大工さんに聞いたら材料を取り寄せてどうにか間に合わせるとのこと。
宮城さんにはすぐに電話をしてドアの補修がギリギリになることを説明。
入居予定日の午後に引っ越しをするという事らしく、大工さんには当日の午前までに終わらせてもらうようにお願いをした。
思えばこの宮城さんの入居日から全てが狂い出したんだよなぁ・・・
********************
物件はいよいよ完成。
まずは宮城さんの入居。
その翌日が相田さんの入居となる。
施主確認の時に撮った写真をファイリングして
「入居の時はこの状態でした」
というサインをもらう確認書を作成。
ドアの補修もあったので少し早めに現地に行くことにする。
現地に着くと太田さんが不機嫌な顔で睨んでくる。
「金城さん。どうなっているんですか?」
「え?どうしました?」
・・・・・目を疑った。
宮城さんが入居する予定の部屋にはたくさんの荷物が溢れている。。。
ドアの補修をしている大工さんに聞いたら
「さっき入居者が来てドアが空いているからって勝手に荷物を入れていきました。」とのこと。
宮城さんは鍵の引き渡し前に勝手に荷物を運び込んでいた。。。
は?午後に来るって言っていたし、てかその前に勝手に荷物入れるなよ!
入居前の状態確認もしていないし、この荷物では細かいところとか見れないじゃん!
え。と、どうする?
予定通りじゃないことに苛立ちを隠さない太田さん。
いきなりのことで現実を把握できていない私・・・
「私は住宅にいるから厳重に注意しといてください」
太田さんは3階に上がっていった。。。
「すみません・・・」
なんで俺が謝るんだ?という理不尽な思いを押し殺しつつ荷物に溢れた室内に目をやった・・・
すると中から宮城さんの奥さんがでてきた。
「あ〜今日午前中の時間ができたの。んでドアが空いていたから入ったのよ。午前も午後も変わらないでしょ?」
と悪びれた様子もない。
いや、勝手に入るなよ。
時間が早まるなら電話しろよ。
ただでさえ太田さんの案件は気を使うのに。。。
イライラを抑える事ができそうにない。。。
だが宮城さんがやってしまったのは仕方ない。
順番が前後してしまうが入居の確認書にサインをもらって鍵を渡す。
そうこうしているうちにドアの補修は終わっていた。
「あとさ、金城さん。インターネットとエアコンはどうなっているの?」
「は?」
◆条件が違う
「エアコン???」
「ええ。契約をした時にエアコンを一台付けるって聞いていたし、ネットも繋がらないのよ」
いや、まて。
エアコンをつけるなんて聞いていない。
ネットも自分で契約しないと繋がらないし。。。
「エアコンは少し待ってください。ネットは契約しました?」
「え?ネット無料でエアコン付きっていうから契約したのよ」
は???
なんだか契約当初の話とだいぶ条件が違っているようだ。
「少し待ってください!」
3階の太田さんの自宅にダッシュ!
不機嫌な太田さんの一言
「は?エアコンとかネット無料?なんのこと?」
面倒なことになった・・・・
長くなったので続きは次回に持ち越します。
この出来事はただの序章です。
賃貸管理会社のたった一つの案件です。。。
次回もお楽しみに〜
では〜
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