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雑記林

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鬱蒼と生い茂る雑記の林。徒然なるままに形成された記憶と記録の生態系。
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#読書ノート

【読書感想文的エッセイ】あの地平線輝くのは10

 最後に『星の王子さま』といえばこれだろうという話をして終わろうと思う。砂漠の話だ。王子…

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【読書感想文的エッセイ】あの地平線輝くのは9

 これまで、ぼくは『星の王子さま』のキャラクターの個性を自分なりのやり方で深堀りしてきた…

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【読書感想文的エッセイ】あの地平線輝くのは8

    次の星には地理学者がいた。彼は大きな本を広げて読んでいた。彼は他の星については詳し…

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【読書感想文的エッセイ】あの地平線輝くのは7

 次の星には点灯人がいた。この星は非常に小さく、一日が一分しかない。だから点灯人は一分ご…

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【読書感想文的エッセイ】あの地平線輝くのは6

 次の星には実業家がいた。彼はひたすら何かを数えている。王子さまがしつこく質問を続けると…

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【読書感想文的エッセイ】あの地平線輝くのは5

 次の星には酒飲みがいた。このシーンは他の星のシーンと比べ、とても短い。滞在時間にして5…

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【読書感想文的エッセイ】あの地平線輝くのは4

 次の星には自惚れ男がいた。彼は王子さまが来るやいなや、さあ、わたしを褒めろと言って、王子さまに拍手をさせる。自惚れには、良い自惚れと悪い自惚れがあるように思うのだが、残念ながら、今のわたしにはそれを語るほどの言葉を持ち合わせていない。これは自己評価の問題だ。  「他人が自分をどう評価するか」ではなく、「自分が自分をどう評価するか」という問題はかなり複雑だ。例えば、周りの人から「あなたは充分に努力している」という評価をもらったとしよう。でも、自分は「いや、こんなものはまだ努力

【読書感想文的エッセイ】あの地平線輝くのは3

 ここからは、しばらくの間『星の王子さま』に登場する個性豊かなキャラクターたちと対話をし…

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【読書感想文的エッセイ】あの地平線輝くのは2

  いわゆる自粛期間中、自分の部屋にぽつんといることが、たった独りで砂漠にいるように思え…

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【読書感想文的エッセイ】あの地平線輝くのは1

 初めて『星の王子さま』を読んだのはいつだったろうか。多分、小学二年生。いや、五年生だっ…

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【読書感想文的エッセイ】神様みたいに良い人4

 もう少し、人狼ゲームについて触れておいた方がいい気がする。『GNOSIA』というゲームをご存…

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【読書感想文的エッセイ】神様みたいに良い人3

 逸脱にはなれている———なんと力強く、そして寂しい言葉だろうか。これが普通ではない者の…

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【読書感想文的エッセイ】神様みたいに良い人2

 大学生になれば、変わると思っていた。しかし何も変わらなかった。結局、高校生と同じだった…

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【読書感想文的エッセイ】神様みたいに良い人1

    ぼくは大庭葉蔵なんじゃないか。太宰治の『人間失格』を読んだとき、そう思った。     ぼくは運動が苦手だった。小学生、というか中学生の頃までは、なぜか足が速い子がモテる。当然、足の遅いぼくはモテてはいなかった。中学生になったら状況は変わると思っていたが、変わらなかった。むしろ悪化した。なぜか足の速い奴は大体ぼくよりもテストの点数が良かった。塾に通わせてもらっていたので、圧倒的に成績は上から数えた方が早かったが、いわゆる文武両道の子には手も足も出なかった。そんなクラス