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雑記林

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鬱蒼と生い茂る雑記の林。徒然なるままに形成された記憶と記録の生態系。
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#エッセイ

【エッセイ】波打ち際にて/忘れ者の日記9

寄せては返す自己愛の波打ち際 砂の文字が流され消えて鬱向くナルシス。     眠れない日が…

伊国トモリ
2か月前
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【エッセイ】晩夏のスペクトラム/忘れ者の日記10

 左耳が聞こえなくなって——正確には聴こえが悪くなって——早いもので3週間が経とうとして…

伊国トモリ
1か月前
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【エッセイ】「何も変わっていない」と言われたい/忘れ者の日記8

 本当はもっと早く書き上げたかったのだけれど、ここ数日間、少し鬱っぽくてなかなか手をつけ…

伊国トモリ
4か月前
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【エッセイ】VHS段階/忘れ者の日記7

思い出せるぎりぎりの記憶、日付けが記された大量のVHS、掠れた映像、それは平成の画質そのも…

伊国トモリ
5か月前
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勝手に報われろ/忘れ者の日記6

勝手に報われろ。 わたしは自分にそう言い放った。 こんな気持ちになったのはホントウに久し…

伊国トモリ
5か月前
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eeee感じ!!!!/忘れ者の日記5

 最後に聴いたのはいつだったろう。連続テレビ小説『エール』の「星影のエール」とか、TBS系…

伊国トモリ
6か月前
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異界から目薬/忘れ者の日記4

 物忘れが激しいことに定評のあるわたしなのだけれど、その一方で物を無くしたと思い込むこともよくある。  今日はそういう日だった。わたしはあまりにも物忘れが激しいので、毎日使うものはいつも決まった場所に置くようにしてる。今日は、その「いつも決まった場所」になかったのだ。イヤ、正確にはそこにあったのだけれど、一回目に確認したときには、そこにはなかったのだ。わたしがそれをどこか他の場所に置くなんてことはほとんどありえなかった。だって、次の日に「ない!」と言って、朝からバタバタと探

高所恐怖症、タイムマシーン、Swing/忘れ者の日記3

 ふと、思い出した台詞。なんで急に思い出したのかは分からない。多分、とても大事な台詞だっ…

伊国トモリ
7か月前
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忘れっぽいな/忘れ者の日記2

    ひそかに、誰にも言わずに立てていた今年の目標があったのだけれど、1回もやらずに1ヶ月…

伊国トモリ
7か月前
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漂う書き言葉/忘れ者の日記1

 過去に書いた文章が手元にある。パソコンの奥深くに眠っていたのを偶然掘り出した。おそらく…

伊国トモリ
8か月前
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過去のおれよ、どうか笑って手を振り返してくれ。

 2023年はオンオフが激しかった。上半期はずっとエンジンがヴヴンとかかっていたけれど、秋に…

伊国トモリ
9か月前
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【エッセイ】脚本か、小説か、あるいは別の「何か」か

 「コレはなに?」 最近、書きあがった作品を読み返すと必ず思うことがある。 「コレはなに?…

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これからやってみたいこと

 お久しぶりです。皆さまいかがお過ごしでしょうか。ぼくは、昨日の夕方-5時くらいだったか…

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【読書感想文的エッセイ】あの地平線輝くのは10

 最後に『星の王子さま』といえばこれだろうという話をして終わろうと思う。砂漠の話だ。王子さまが地球に降り立った場所は砂漠だった。そこで蛇と出会い、帰りたくなったらぼくに声を掛けるんだよとRPGのようなセリフを言われる。そして地球のいろんなところを周り、キツネやパイロットの「ぼく」に出会うのだ。物語の終盤、パイロットが喉が渇いたと言うので、井戸を探すシーンがある。ぼくはこのシーンが結構好きだ。あると思えば、景色が変わるのだ。  高校生の頃、演劇部に入部した。最初は音響スタッフ