道端で大金の入ったバッグを拾ってしまった#3
第3話 仕事の内容
着信相手の男「案外素直な奴なんだなお前は、よしそれでいい」
「早速だが、仕事の話しといこう」
「お前にやってもらいたい仕事はだな」
「その金を上手く使ってこれからの人生を生きていくことだ」
男「えっ、それだけでいいんですか?」
着信相手の男「そうだ金というのはな、使う人間によって人生が大きく左右されるもんだ」
「時に金で破滅する人間もいるし、有効に使えば真っ当な人生を送れるしな」
男「、、、、、、」
着信の男「前にも言ったが、いつもお前を見ているぞ」
「お前がこの金を使ってどう生きるかをな…」
「それが嫌ならまたバッグを道端へ戻せ、いいな」
「ガチャん」
通話はここで終了した。
なんだこれは!こんな馬鹿げた話しがあるだろうか、このバッグの持ち主は5000万円を投げ捨てたようなものだ。…何だ、なんなんだこの人…。しかし、世の中にこんな変わった人間がいることだけは確かだが、私は試されているのだろうか? 遊びにしては度が過ぎてるし、この持ち主がいったい何者なのかは分からないが、ともあれ私は5000万円という大金を手にし、これからの人生を歩き始めることにした。この持ち主の云う通り破滅するか、真っ当な人生を送れるかは自分しだい、というわけだ。
…だが、結局私は一銭も使わずにそっくりそのままバッグを道端へ戻そうと思う。
誰にも見つからないようにこっそりと…。
しかし、その後彼の姿を見た者はいない…。
男は本当にバッグを戻したのだろうか、もしかしたら組織に連れ去られたのかもしれないし、考えが変わり貰うことにしたのか?男はどこへ消えてしまったのかは誰も分からない。
終
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