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”旅人”

日本は約80年前、終戦を迎えました。国土は戦火で荒れ果て草木も生えていないような状態でした。その4年後。とある男性がテレビのインタビューを受けました。なんと科学の最高の栄誉たる賞"ノーベル賞"、を授与したというニュースでした。まだ焼野原の背景の中、彼が受賞したことは自身を失った日本国民を奮いたせ、後の驚異的な戦後復興をもたらす一因となったと思います。紹介する本はその彼、”湯川秀樹”が過ごした青年期の物語である。偉大な彼でもやはり人間で青春を過ごした一人でした。


舞台

場所

京都府京都市左京区

時代

1910~1930年頃

概要

湯川秀樹博士が生まれたときから27歳までのエピソードを回想する作品です。青年期の学友や先生との思い出や大学での研究の日々を綴ったものです。

感想

湯川博士は作中で中高大と地元京都でほぼ隣接した地域で進学を繰り返されたと明言されています。京都は長い時代変わらない地域で、多数の文化財がある地域ですよね。この二点から、湯川博士の過ごした独特の雰囲気を作中から感じることができます。時間がゆったりと進むような感覚です。現代は画面をスクロールしたり、テレビのチャンネルを変えたり、新宿の駅がずっと改装工事をしていたりと変化が続き、止まらないようなことが日常です。この作中では物的環境に変化はないです。しかし、著者は学問を通して歩続ける、、そんな乗り物に乗らず、中世ヨーロッパでバックパックを担いだ旅人が徒歩で冒険する空想できるような作品でした。落ち着いた心になる作品です。(ちょっと、、これは実際に読まないと感じ取れない。あと、私の言葉が足りない。申し訳ない。)

おわりに

”旅人”は回顧録なので要旨や啓蒙といったものはありません。旅人を読んでいると湯川博士が青年期を生きた舞台へ没入し、気分が落ち着くようなそんな気分になると思います。そんな気分を落ち着かせたり、わびさびを感じたりしたい人はぜひ読んでみるといいと思います。この作品は読んでみないと本当にわからないです。ですが、友達に本を勧めるときに第一に出るのは”旅人”くらいこの作品の雰囲気が好きです

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