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台所は女性の城、いえいえ食いしん坊な男は今日もキッチンに立つ!

 独り暮らしを始めると「自炊」という課題に直面する。外食は楽ちんだが、財布と相談しなきゃならないし、不思議と外食が続くと申し訳ないのだが飽きてくる。自炊と言っても素材に対する知識もないし、調理法も器具の使い方もよく知らないところから始まるが、今までの味の記憶に沿って試行錯誤で臨んでみる。当然できてくるものは美味しくない。当時はインターネットもないから誰も教えてくれない。自炊を始めたのはずいぶん昔の話。
 普段は拙宅で粗食を食らい、時々外で料理人さんたちの技の食を楽しむペースがしっくりくる。それでも拙は食いしん坊である。仕事が忙しい時代も休みの日は朝からスーパーに行き、色々食べたい「料理」をイメージしながら材料を買ってみる。午後はビールを飲み、好きな音楽を聴きながらキッチンに立つ。こういう時間は結構楽しいし、疲れもとれる。
 料理も長いこと続けていくといろんなことがわかってくる。今はアプリもyoutubeもあるので、素材の分量をチェックしたり、調理時間をきちんと守ったり、注意事項を気にしてトライしてみるとそれなりに格好がついてくる。今は家族や友人たちにふるまうことも増えてきた。
 料理は奥が深い。頭を使って考えると結果に繋がるから面白い。食は生命を維持するための重大な行為であり、生物として数億年もの間ずっと変わらずに続けてきた数少ない行動のひとつであろう。そればかりではない。それぞれの時代、土地、季節、風習の上に燦然と輝く文化として存在してきた。生きるためにしなければならないのなら、楽しんでやるのが一番。
 材料の鮮度やクラス、調味料のラインナップ、機能的で扱いやすい器具、面倒臭いを捨て去る気構え、効率の良い調理と後片付け、冷蔵庫の管理など、美味しいものに出逢うための千思万考や面倒臭い作業、これは人生の偉大な楽しみのひとつに成り得る。
 台所は女性の城という時代は過ぎ去り、料理をする旦那さんも増えてきた昨今ではあるが、まだまだ面倒臭いに支配されてる男性も多いと聞く。
 【REG’s Diary    たぶれ落窪草紙  1月13日(土)】


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